アイツはまさに<ああああ>に類似している。
時刻 "3:00"
本格的な戦闘が始まる前に、ミノタナトスを"鋭い眼差し"で情報を見てみる。
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ミノタナトス Lv51
バトルスキル
・乱舞 Lv18
・****** Lv***
・地響き Lv17
・放射せし楔 Lv18
・****** Lv***
アクティブスキル
・激昂せし闘志 Lv18
・******
・金剛体 Lv16
パッシブスキル
・****** Lv***
・思念話術 Lv1
・使役する者 Lv10
・先読み戦術 Lv17
弱点
・首 :ダメージ1.2倍
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"…やっぱどれもレベル高ぇな…。それに先読み戦術とか…。って、うぉ!?"
ミノタナトスが異形の斧剣を振り落とす。
それをアルフは慌てて避けるが、ただ避けるだけではいけない。
振り落とされた異形の斧剣を捻らせ、刃をアルフへと向けるとそのまま振り上げる。
ミノタナトスはすでに避けられた後の対処も含めての攻撃をしてくるため、その先まで読んで行動しなければ攻撃が当たってしまう。
アルフは避けると同時にその場に深く屈み、こちらに迫る異形の斧剣をやり過ごす。
空を切った異形の斧剣はそのまま振りかぶり、自らの体を回転させながら頭に付いた刃で屈んだアルフへと斬りかかる。
それさえも読んでいたのか、アルフは屈むと同時に異形の斧剣を振りかぶった際に出来た股の下を瞬時に潜り抜けて距離を取る。
潜り抜けたと同時に先ほどまでアルフのいた空間を刃が通り過ぎた。
斬り応えを感じないと瞬時に判断したミノタナトスはそのまま回転を続けながらアルフへと迫っていく。
左腕に巻いてある鎖を放ち、回転の遠心力を利用して振り回されている楔の威力が増していく。
少し、また少しと振り回されていく楔の範囲が徐々に広がっていく。
近くの木々や茂みが回転する楔に巻き込まれ、抉られる様になぎ倒されていった。
それは少しずつアルフとの距離が縮まっていく。
アルフは回転するミノタナトスを良く観察し、タイミングを見計らって前方へと跳躍した。
大きく振り回される楔の間を通り抜け、回転するミノタナトスの頭をそのまま蹴りつけてさらに遠くへ跳躍した。
頭を蹴られ、バランスを崩し、地面を抉る様に回転するミノタナトスは倒れ込む。
倒れ込んだその勢いを利用してうまく立ち上がり、未だ宙を飛んでいたアルフの着地後を狙って楔を飛ばした。
だがアルフに飛ばされた楔が直撃することはなかった。
何もない地面へと突き刺さった楔を見て瞬時にミノタナトスはそのまま異形の斧剣、刃の部分で地面へと突き刺す。
寸での所でアルフはその突き刺しを逃れ、一気に距離を取る。
"楔が刺さった部分は結構低め、つまり着地後にまた俺が屈んで回避するだろうと読んでの事だろうな…。
くっそ、見事に合わせてきやがった。しかも真下に居た俺の気配を寸での所で読んで反撃入れてくるとか…。"
そう、回転しながら迫ってきているミノタナトスの頭部に蹴りをかまし、そのまま跳躍する寸前に"隠密"を発動させ、前へと飛んだと思わせたフェイントを混ぜた。
実際は飛ばずに背中に回り込むように飛び、そのままミノタナトスの足元に着地すると同時に"致命の一撃"を叩き込もうとしたが、それを見破られ、地面へ異形の斧剣を突き刺した。
あのまま"致命の一撃"を叩き込もうと動いていた場合、そのまま串刺しになっていた。
「モォォォ…!!」
全ての攻撃を躱され、また反撃として頭を蹴られてしまったミノタナトスは悔しさとか憎悪とかの感情を現さず、ただただ歪んだ笑顔を口元に浮かべ、低く、まるで楽しそうに呻っていた。
"全ての行動が読まれてるなぁ、こりゃあ。"
ミノタナトスの動きを全力で集中して見ていかねば、攻撃後の先が見えず、対処も遅れる。
つまり、絶えず動きながらミノタナトスの行動の先まで予測出来なければ、その時点で終わる。
"やっぱこいつ…〈ああああ〉…じゃねえか…。もう、動きとか…完全に…そっくり、だわ…。"
アルフは常に全力で"鋭い眼差し"でミノタナトスを見ながら、攻撃の予測、その先の対処を読んで動いているため、想像以上に体力が消費していた。
ただミノタナトスの方はというと…
「モォォオオオ…モォォォオ…!!」
アルフとの闘いを楽しんでいるかのように異形の斧剣を起用に回転させたり、楔をブンブンと振り回している。
また興奮しているのか、その長い尾を地面に何度も何度も叩き付けている。
"奴さんは、全然…余裕、ですやん…。"
「ワァァァォォォオオオオオォォォオオオン!!!」
自らの闘志を奮い立たせるように、天高く遠吠えを上げる。
その遠吠えを聞いて、ミノタナトスもそれに応えるように咆哮を上げる。
「モオオォォォォォオオオオオッッ!!」
地面を蹴るように走ってくるミノタナトスは回転させている鎖をアルフへと投げつける。
アルフは再度、それを後方に軽く飛んで避け、地面に着地すると同時に"隠密"を発動させる。
それと同時に足に力を込め、一気にその場から低くミノタナトスの方へと跳躍し、その脇を通り過ぎようとするが…
「モォォォオオオオッ!」
走って向かうミノタナトスは、アルフが脇を通り過ぎようとすぐ近くまで来たところで地面を強く踏みつける。
奴のスキル"地響き"が発動する。
これは"地鳴らし"の上位に当たるスキルのようでその効果範囲の上昇に加え、スタン効果、そして何よりも地響きが発生した際の衝撃波による高い威力が加えられている。
その威力は近ければ近いほど倍増する。
そして今放たれた地響き、そしてアルフの位置的に最大威力の衝撃波がアルフを襲うことになる。
だがその衝撃波がアルフを襲うことはなかった。
"隠密"を発動させた際、実際は前に低く跳躍させたようにフェイントを入れていた。
そのため、アルフは前へと飛んだのだろうという予測の元、タイミングを合わせて地響きを入れてきた。
その予測通りであったのなら、アルフはそのまま衝撃波に飲まれ、全身が砕かれていたであろう。
実際はさらに"隠密"を強く掛けて後方へと飛んでいた。そのため、地響きの攻撃範囲からかなり遠ざかったものの、衝撃波から逃れきれずに飲まれた。
体勢を崩し、そのまま近くの木々へと強く叩きつけられた。
『ガァ…ッ!?』
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Lv:2
名前:アルフ
種族:シルバーウルフ
HP: 8/94
MP:51/51
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威力としては最小値の衝撃波であったが、それでも9割のHPが持っていかれた。
目眩を起こし、意識が朦朧しているため、うまく立ち上がることができない。
"ま、ずい…。最小威力、で…こんなん、かよ…。まあ、当然、ちゃあ…当然、か…"
一歩、また一歩、ゆっくりとアルフへと近づいていくミノタナトス。
フラつく足でなんとか立ち上がったが、すぐそこまで来ていた。
近づいてくるミノタナトスから距離を取ろうとするも、足が縺れてその場で転倒してしまう。
"ぐっ…、こりゃあ、本気…で、やべぇ…かも…"
未だはっきりとしない意識で顔を持ち上げると、そこには酷く歪んだ笑顔を浮かべたミノタナトスが立っていた。
ゆっくりと異形の斧剣を持ち上げ、狙い先をアルフへと定めると、そのまま勢いよく振り下ろす。
だが異形の斧剣は最後まで振り下ろされることはなかった。
何者かに横からの猛突進が直撃し、ミノタナトスは一気に吹き飛ばされる。
何が起きたのか意識をはっきりさせようとするもうまくいかない。
そこに、
『お兄様ぁ!』
アンジュの声が聞こえた。
その言葉に意識がはっきりとなり、また月の光が差し込んでくれたため、目の前の光景が鮮明に入ってくる。
そこには今にも泣きそうな顔で駆け寄り、治癒魔法を必死にかけるアンジュの姿と…
「グォォォオオオオオオォオオオオオ!!!」
先ほど共に戦った一際大きなディアブロアが仁王立ちとなってアルフを庇うように立っていた。
特になし。




