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異世界転生したら、まさかのオオカミだった!?  作者: 永遠眠
第1章 転生した先は…。
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らしからぬ戦い

時刻 "2:40"


「モォォオ…。」


ミノタナトスは静かに右手に持つ異形の斧剣をゆっくりと掲げる。

それに連動するように、周囲にいるオゥクロプスたちが地鳴りを鳴らし始める。


バラバラだったその地鳴りは次第に合わさっていき、一つの巨大な地鳴りへと変わっていく。


――ドンッ!ドンッ!ドンッ!ドンッ!ドンッ!ドンッ!ドンッ!


自らの士気を、自らの闘気を、自らの魂を揺さぶる様に、その地鳴りはどんどんと巨大に鳴っていく。


そして…


「モォォオオオオオオオッ!!!!」


ミノタナトスが掲げた異形の斧剣をアルフへと向け、振り下ろした。

それと同時にオゥクロプスたちが絶叫にも似た雄叫びを上げ、一斉に襲い掛かってきた。


"なるほど、ミノさんはあくまで静観し、俺の力量を部下に測らせるつもりか。いいぜ、乗ってやるよ"


「ワオオオオォォォォォォォォオオオオオオオン!!!」


<スキル"闘志を震わす遠吠え"の熟練度レベルが"2"に上がりました。>


アルフも、自らの能力を高めるため、スキル≪闘志を震わす遠吠え≫を発動させる。

上限は余裕で突破し、最大値である25%上昇の効果を得る。


その遠吠えを聞いたミノタナトスを含め、全てのオゥクロプスたちの能力値は10%減少。

だがオゥクロプスたちの猛進は止まらない。


"そいじゃ、シルバーウルフらしからぬ戦いを見せてやろうじゃねぇか。"


アルフの目前までオゥクロプスたちは猛進を続けていたが、瞬きと同時にアルフは姿を消したため、オゥクロプスたちの猛進は急停止せざるを得なかった。


その猛進によって銀狼を轢いたのか?

だが轢いた手ごたえをどのオゥクロプスたちも感じていない。


ならついほんの数秒前まで目の前に居たはずの銀狼はどこにいったのか。

答えはすぐに判明した。


猛進が止まると同時にその先頭に居たオゥクロプス2体の首が一瞬にして飛び、地面へと鈍い音を立てて落ちる。

一瞬、何が起きたのかオゥクロプスたちには理解できなかった。


何が起きているのか理解しようとその小さな脳みそが考慮しようとする間にも1匹、また1匹とオゥクロプスの首が飛び、地面へと落ちていく。


「モォォ…。」


ただ一匹、静観に座していたミノタナトスだけは状況を理解したように頷き、口元に笑みを浮かべる。

ゆっくりと異形の斧剣を持ち上げ、そのまま地面へと叩き斬るように振り下ろす。


――ドォォォオオオオオンっ!!


轟くように地面が揺れ始め、振り下ろされた異形の斧剣が地面に触れたと同時に巨大な衝撃波を生み、周囲に広がっていく。

それは当然、オゥクロプスたちの元にもおよび、その場に立つことがままならなくなり、その場に倒れたり、近くのオゥクロプスに倒れ込んだりしている。


そのオゥクロプスたちの密集地帯から衝撃波が届く瞬間に銀狼が上空へとオゥクロプスたちの頭を蹴り飛ばして飛び上がる。


そう、スキル≪闘志を震わす遠吠え≫のもう一つの特性に気付いたアルフはそれを利用して目の前のオゥクロプスたちから姿を消したのだ。

それは、自己身体能力だけではなく、自身が持つスキル等にも効果が及ぶという事。


つまり、噛み付きや引っ掻き、また隠密や致命の一撃なんかのスキルにもその25%分効果が上昇しているということ。

ただし、これは2重の重ね掛けはできないらしい。


前のディアブロアとの戦闘時に使ったスキル≪闘志を震わす遠吠え≫。未だ効果範囲時間内であったため、わざわざかけなおす必要はなかった。

だがあえてスキル≪闘志を震わす遠吠え≫を再度使い、2重掛けができるかどうかの検証を実戦で行ったのだ。


ただし、効果は2重にはならないものの、効果時間はリセットされるようだ。


25%上昇した隠密による気配の断絶、また強化された身体能力から繰り出される瞬発的な高速移動により、先の"目の前で姿を消す"なんて業を成した。


姿を消し、まずは目の前のオゥクロプス数匹に効果が上昇した致命の一撃を叩き込む。

結果、2匹の首があっけなく吹き飛び、オゥクロプスたちに混乱を生ませる。


密集したパニック中のオゥクロプスたちの足元に潜り込む。

出張った御腹と先に荒ぶらせた自らの士気により、完全にアルフの姿を見失ってしまったオゥクロプスたちの死角を移動しながら、我に返りつつあるオゥクロプスたちを絞って致命の一撃を繰り出していく。


だが、ミノタナトスが放った衝撃波によってすべてがリセットされた。

アルフはそれを読んでいたかのようにオゥクロプスの顔を蹴り飛ばして宙へと飛んでいた。


着地すると同時に近くで倒れているオゥクロプスへと致命の一撃を叩き込む。

これであの状況で計6体のオゥクロプスたちを倒すことができた。


なんとか体勢を立て直し、ゾロゾロと起き上がるオゥクロプスたちを遠目で見つつ、次の行動に移るべくアルフはその場から距離を取り、茂みへと身を隠す。


良い様に遊ばれたオゥクロプスたちは立ち上がると手あたり次第に手に持つ小さな肉塊を勢いよく投げる。

近くの木々や岩に当たり、生々しい音を上げて砕け散っていく。


"良い感じに苛立ってるな…。"


近くの茂みから様子を窺いつつ、オゥクロプスたちの動向を見る。

茂みの中を移動しつつ、所々で"隠密"を弱め、気配を曝け出してオゥクロプスたちを誘い出していく。


あちらこちらから出されるアルフの気配に翻弄されるように、先ほどまで密集していたオゥクロプスたちがバラバラに散っていく。


完全に1~2体になったはぐれオゥクロプスに死角からの致命の一撃を繰り出し、首を狩っていく。

それらを繰り返し、4体のオゥクロプスたちを狩り、これで計10体のオゥクロプスを倒した。


―ポンッ

<スキル"致命の一撃"の熟練度レベルが"6"に上がりました。>

<スキル"引っ掻き"の熟練度レベルが"5"に上がりました。>

<スキル"噛み付き"の熟練度レベルが"4"に上がりました。>



"この調子でいけば…"


と思ったところで、とうとうミノタナトスが動き出した。


「モォォォォ…。」


静かに笑いつつ、異形の斧剣を慣れた手つきで振り回し、見事に構えまで持っていく。

握りこぶしを作り、大きく息を吸い、肺に空気を溜めていく。


≪モォォオオオオオオオォォォオオオオオオオ!!!≫


ミノタナトスから発せられたその雄叫びはまるで衝撃波となり、周囲をなぎ倒しながら周囲に広がっていく。

茂みに隠れていたアルフもその衝撃波に巻き込まれる寸前に近くの木の上へと飛び移り、回避する。


だが飛び移った木もその衝撃波によってなぎ倒され、その場から別の方へと退避せざるを得なかった。

一番近い木へと飛び移る…ように見せかけ、その一個向こうにあった細身の木へと飛び移る。


最初にフェイントを掛けた木、その少し前の空間に突如として楔が勢いよく射出されていた。

つまり、そのまま近くの木へと飛び移ろうとした場合、その直前であの楔に貫かれていたということだ。


空を切った楔であったがその先の木に直撃し、跳ね返って別の木へと飛び移ろうとしていたアルフ目がけて向かっていく。

だがアルフはそれさえも読んでいたのか、飛び移ると見せかけ、地面へと高度を落としていた。


フェイントのフェイントに引っ掛かった楔は2回空を切った後、瞬時に引き戻される。

それと同時に開けた場所へと地面へ着地し、目の前のミノタナトスを睨む。


"先の先まで読んで攻撃の芽を張り巡らすとか、戦い慣れしてるなアイツ…。"


最初に対峙した時の、猛者を感じさせる雰囲気。

それを読んで行動に2回フェイントを織り交ぜていたのが幸いしていた。


だがこれでミノタナトスには戦うための知識とそれを考慮する理解力があることがわかった。

またそれら全てを避けて見せたことにより、アルフはただモノではない事も理解させてしまった。


楔を手元に戻したミノタナトスは驚く様子を見せず、静かに、しかし重く轟くような声で笑う。

それにつられる様にアルフも気が付けば静かに笑っていることに気付いた。


"…久々だ。こんな心震える戦いは。あのゲームで初めてトップになったときの戦いを思い出すな…"


あの時、自らの国がトップへと成るための"最後の聖戦"とも呼ばれた大きな戦い。

かつてトップの座に君臨していた隣国〈アナーク〉。はぐれ兵士として戦っていたアルフはアナーク王国へと単独で乗り込み、アナーク王国最強の分隊と呼ばれた"月の猫"、彼らと対峙し、数時間の戦いの果てに見事勝利し、トップの座を奪った。


"月の猫"の分隊長〈ああああ〉と呼ばれるプレイヤーと対峙した時を、アルフは思い出していた。


"アイツ、でたらめに強かったんだよなぁ…。尋常じゃないほど俺の攻撃を読んでカウンター決めてくるからなかなか苦戦した記憶があるんだよなぁ…。"


あの時に似ていた。

ミノタナトスはまさに〈ああああ〉と同じ、動きを読んでそれに合わせて攻撃を叩き込んでくる。


"それにレベル差もあるし、ダメージが入るかどうかさえもわからん。もし動きが読まれたらその時点で俺はアウトか。あの時は互いが対等であったから勝てたがこれはさすがに無理だ。"


ミノタナトスの隙を必死に粘って見出し、攻撃を叩き込む。

だがレベル差による能力補正とアルフの攻撃力不足、致命の一撃も繰り出した後、まだミノタナトスが存命していた場合、繰り出した後の隙を狙われる。


完全に八方塞がりだった。


"まあうまくいけばいいな程度だったし、元々練っていた案を使うか。"


一番最初に考えた策。

これは賭けに近いものがあった。また失敗する要素も多い。


だが、今の現状的にはその案が一番の最良の手だった。


"んじゃあ、やりますかねぇ。"


「ワオオオオォォォォォォォォオオオオオオオン!!」


―ポンッ

<スキル"遠吠え"の熟練度レベルが"3"に上がりました。>


また再度遠吠えを天高く発した。

それを合図に、ミノタナトスが異形の斧剣を振り回しながらこちらに突進してきた。



演出のためにレベルアップした様子は書きませんでしたが、ディアブロアとの共闘にて使用したスキルはレベルが1ずつ上がってたりします。

====================

今回熟練度レベルが上昇したスキル

・遠吠え  Lv2 → Lv3

・致命の一撃 Lv4 → Lv6

・引っ掻き Lv3 → Lv5

・噛み付き Lv3 → Lv4

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