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異世界転生したら、まさかのオオカミだった!?  作者: 永遠眠
第1章 転生した先は…。
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時刻 "1:30"


とりあえず少女の元まで近寄ることにした。

アルフが近づいてきたのを見て、パァーッと明るい表情へと変わる。


「あの、このたびは私を助けていただきありがとうございました!」

『お、おぅ…』


突然面と向かって敬語で丁寧にお礼を言われたことなんてあまりなかったため、若干狼狽えてしまった。


少女は今もなお、黒い蜘蛛たちによる回復を受けている。

逆関節へと曲がってしまった骨は見た目的には元に戻っていた。


骨折のデバフを治すためか、黒い蜘蛛たちは左腕と右足に2本の枝木を添え、その上から糸で巻き付けていく。まるでギブスの様に見えるそれはちゃんと機能しているらしく、鋭い眼差しで少女を見た際に見えた骨折のデバフアイコンは消えていた。


====================

ラーナ・アトラカイナ

年齢:15歳

種族:人間種 幼体(雌)

====================

Lv:6

HP:16/51

MP:25/25

状態異常:リジェネ効果中

====================


この黒い蜘蛛たちが吐き出す糸にはどうやらリジェネの効果が付いているらしい。

ほんと、蜘蛛の糸って便利だよなぁ…。


"というよりも、レベル6って俺よりも高いはずなのに俺のHPの方が高いとか…"


色々と"鋭い眼差し"で見てきたが、どうやらボーナスポイントを貰っているのは自分だけのようだった。

出なければ、自分よりも高レベルな敵を相手に戦えるはずがない。


一応、以前やっていたネトゲの中ではレベル20の差があっても装備とスキルの行使で倒せるネトゲがあったが、これもそれと似たようなものなのだろうか。


でも少女のレベルを見て、あのオゥクロプスたちに対しての立ち回り方。

1対多数だったとはいえ、オゥクロプスの攻撃一発で瀕死状態にまで持っていかれるほどの弱さ。


"異常なのは俺の方かぁ~。"


経験値もあっという間に溜まってレベル3への昇格が可能になったし…。

まあ昇格する前に鳥獣種たちを5体狩って、ステータス倍増ボーナス貰ってから上がるつもりですけどね。


「でもこんな所にオゥクロプスたちがいるなんて…」

『やはり異常なのか?』

「え?あ、はい。本来オゥクロプスは此処からかなり奥の方に住んでいるBランク指定を受けたモンスターなんです。」

『Bランク? つまりモンスター毎にランクの指定がされているということか?』

「はい。冒険者ギルドが設けた基準によって各モンスター毎にそれぞれランクが指定されています。

低い順から、G、F、E、D、C、B、A、S、そしてSを上回るS+の9ランクに分かれています。

つい先ほど戦ったオゥクロプスは、Bランク相当に当たるモンスターですね。」


少女が分かりやすく説明してくれる。

やっぱりこういったところはファンタジーらしさがあるというか、異世界感があるというか。


『…それにしたってオゥクロプスは低レベルのわりにはBランクなのはおかしくはないか?』

「ランクは強さだけが基準ではないんです。あ、もちろん強さも重要な基準に入るんですけど、そのモンスターの特性や習慣、特徴や凶悪さなど色々と細かく調べて決定しているんです。

オゥクロプスたちはその凶悪性がもっとも高いためにBランクに指定されています。子供の、しかも雌であれば何でも嬲って犯して食べるということなので、一時期オゥクロプスたちによってほとんどの雌の子供を食い尽くされて絶滅しかけた種族がいたこともあって…」


考えてみりゃ、オゥクロプスは結構エグイな。

雌の子供ばかりを食い尽くされちゃうんじゃ、年老いた雌と雄ばかりが残され、子孫さえも残せずに絶滅とか普通にありうるわけだ。


そりゃあ、強さ的には大したことはないんだろうが、Bランク指定を受けるわけだ。

でも色々と細かく調べてランク指定を行っているというわけか。


その時、アルフの脳裏に一つの興味が浮かび上がった。


『…俺のランクってわかるか?』

「え?え?えと、貴方様のランク…は…えっと…ちょっと待ってくださいね…」


そういって、ラーナは無事な方の手で荷物へと手を伸ばし、中から何かを取り出した。

見た目的には取っ手部分がなくなった虫眼鏡、みたいなものだった。


それに何かを念じながら魔力を込めると、ガラスレンズの部分が淡い水色に発行し始める。

その状態でガラスレンズ越しにアルフを見つめる。


瞬間、ラーナの表情が見る見るうちに強張っていく。


「う、そ…。S、ランク…、え、シルバーウルフって、あの…そんな…え、」

『どうかしたか?』

「ななななな、なんでこんなところにシルバーウルフがいるんですか…!」

『そこまで驚くようなことなのか?』

「だって絶滅したと言われている種族なんですよ!?」


"あー、そういえば父様がシルバーウルフ狩りが以前どうのこうの言ってたなぁー…"


なるほど、そこではもうシルバーウルフは絶滅していることになっていたのか。

それにしてもSランクのモンスターに転生していたとは。

これこそ転生におけるボーナスみたいなものなのか。


なんて自分がSランク級の種族であることにちょっぴりと気分を良くしたのか、ちょっぴりと口元が吊り上がる。

ラーナはゆっくりとため息を付き、さらにもう一つの事実を見て驚愕する。


「それに、まだレベル2じゃないですか…え、それであのオゥクロプスの数相手に勝っちゃったんですよね…さ、さすがシルバーウルフです…。」

『そっち、つまりお前たち人間族の方で聞かされているシルバーウルフについて教えてくれないか?』


更なる興味を感じ、ラーナに訪ねてみる。

ラーナは頭を捻り、シルバーウルフについての見聞を思い出していた。


「んーと、とにかくシルバーウルフと出会ったらまずは耳を塞ぐこと。出なければ命はな、い…あ、私、耳塞いでないんですけど…」

『声を聞くことに意味があるみたいだからな、これは声を発して会話しているわけではないから大丈夫だ。』

「ああ、そっか。よかったぁ…。それで、その美しい毛並みからは想像できないほどの強靭な毛皮で、あらゆる剣や槍を弾き、火属性の爆裂魔法さえも耐え切るとさえ言われているため、一筋縄では攻略できない強敵である、でしょうか。」


"やっぱり声とその強靭な銀毛がイメージされて伝わっているのか。"


人々の持つイメージというものは大事だ。

一目見て見聞で聞いたイメージを当てはめ、それによって行動が決まる。


つまり、それを利用して意表を付くことも可能というわけだ。

声と強靭な銀毛、つまりはそれを利用して別の攻撃を用いれば奇襲ができるということ。


"これは良い情報を聞いたなぁ…。"


声についてのスキルや攻撃方法はある程度慣らして奇襲する際にはそのイメージを最大限に利用させてもらおう。


『なるほどな。ところで話は変わるんだが、君はなぜここにいるんだ?』

「え?私、ですか? えっと、ここの近くにある町の依頼で、孤児院に住む子供たちの探索のために来ているんです。」

『(孤児院の子供…、ルイシャたちの事か?)君ひとりできているのか?』

「いえ、私以外にも何人かこの依頼を受けて来ている………っ!?」


突如、どこかで巨大な爆発が起きる。

とりあえずラーナにはこのまま蜘蛛たちの治療を受けてもらい、アルフは爆発した方へと向かうことにした。


"気配察知"を発動させながら、爆発がした方へと走っていくと15体ほどの気配を察知した。

速度を速め、付近までたどり着いたアルフは近くの茂みに身を潜ませ、様子を窺う。


そこにはラーナと同じ冒険者たちであろう者たちが4人ほどおり、それらは11体のオゥクロプスたちと対峙していた。



描写し忘れましたが、オルダスはアルフのピンチを救った後、再度警戒のために周囲に偵察に出たため、その場にはおりません。

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