初めてのPT戦闘、そして。
時刻 "13:30"
体力はギリギリ1残して耐えきった。
それでも意識を保つことだけで精いっぱいで、その場に倒れ込んでしまう。
『お兄様!』
後ろから悲鳴に近い声が上がると同時に淡い光がアルフの体を包み込む。
突き刺さった破片は抜け落ち、できた傷はゆっくりとだがヒールとリジェネによって塞がっていく。
体力は何とか5まで回復し、ゆっくりと立ち上がる。
だがその隙を見逃すことなく、ロックボアはアルフたち目がけて突進してくる。
震える足に鞭を打つように何とか立ち上がると地面を蹴って突進を避けようと動くもうまく体が動かない。
まずいと思った時、目の前にアンジュが庇うように出てくると同時に、自らを白い光で覆っていく。
身体全体を白い光が覆ったと同時にロックボアの突進がアンジュに直撃する。
が、アンジュはロックボアの大きな牙をつかみ、突進を全力で受け止め、瀬戸際で食い止めていた。
『アンジュ…!』
『ゆる、さないん…だから…ッ!!』
掴んだ角を強引に引き寄せ、体勢を崩させてから地面に倒した。
ロックボアは必死に立ち上がろうとするが、アンジュが必死に掴んた牙を握りしめ、抑えていた。
その時点で体力は7にまで回復し、なんとか体もまともに動かせるようになったアルフはアンジュの作った隙を突いて、死角に移動すると今度こそ喉元へ"致命の一撃"を入れた。
喉元を噛み千切り、体を蹴って一気に距離を取る。
―ポンッ
<スキル"致命の一撃"の熟練度レベルが"4"に上がりました。>
「ブ…ォォ…オオオ…ォ……オオ…!!」
喉を潰されたためうまく言葉が出せないのか、ヒューヒューと空気が抜けるような声が口から零れる。
アンジュもすぐさま掴んでいた牙から手を放し、距離を取る。
アルフはまた起き上がろうともがくロックボアの脇腹に向けてその前爪を振り下ろす。
抉る様に切り裂かれた脇腹からは吹き出るように血飛沫が飛び散った。
―ポンッ
<スキル"引っ掻き"の熟練度レベルが"3"に上がりました。>
だがロックボアは瀕死の状態でなお立ち上がり、アルフたちの方を睨む。
一歩、また一歩前へと歩みを進める。
またもう一歩踏み出そうとしたとき、その足に力は入っておらず、そのまま崩れるように横へ倒れた。
ロックボアが死亡したことを告げるように機械的なサウンドとポップアップが表示される。
―ポンッ
<Lv5のロックボアを倒したことにより、経験値を取得しました。>
<"魂を喰らう者"はすでに上限のため、取得された経験値を変換できません。。>
<アルフは、経験値:120を取得しました。>
<レベル1で取得できる経験値の上限に達したため、レベル2へと昇格が可能になりました。>
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基礎ステータス 上昇率倍増ボーナス 0/5
生命: 5 ☆★★★★ 上昇率倍増ボーナス
筋力: 4 ★★★★★ 上昇率倍増ボーナス
魔力: 1
体力: 3 ☆☆☆☆★ 上昇率倍増ボーナス
信力: 1
俊敏: 5 ☆★★★★ 上昇率倍増ボーナス
ボーナスポイント:25
*レベル2へ昇格が可能です。レベル2へ昇格しますか?
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"結構ギリギリではあったが、何とか倒せたな。それにしてもすぐにレベルが上がるわけではないのか。"
それにレベル2に上がるかどうか聞いている辺り、十分上昇率倍増ボーナスをやりきれずにあがる、なんていう心配はなさそうだな。
きっと"魂を喰らう者"の効果なのだろう。レベルを上げる前にステータスの再度確認しろっていう意味なんだろうな。
などと思っていたところ、アンジュがヨロヨロとした足取りでアルフの元にやってきた。
『お兄様…、大丈夫…?』
『おかげさまでな。アンジュの方はどうだ? 最後辺りにロックボアの突進を受け止めていただろ?』
『あの時は咄嗟に"守護せし光"を使ったのがよかったみたい。あまり痛くはなかった。』
『ならいいんだが…。まあ、とりあえず、よくやったな!』
初めてのPT戦、アンジュにとっては初の戦闘になっていたであろう。
レベルの差は若干あり、また体格さにもハンデは合ったもののこうして無事初戦は勝利を飾ることができた。
アルフの祝礼を聞いて状況を理解したのか、その場にペタンと座り込んでしまった。
目には大きな涙を浮かべている。
『あた、し…勝ったんだ…! 初めて、だったけど…勝てたんだ…!』
『ああ。アンジュがあそこであいつの突進を受け止め、また地面へと倒してくれなかったら違った結果になっていたかもしれない。でもこうして勝利を迎えることができたのは紛れもない、アンジュ。お前の活躍があったからこその勝利なんだ。よくやったな!』
『…う、ん…!』
とりあえず、倒したロックボアを洞穴へと持ち帰ろう。
そこでおいしく食べ、今日の勝利の余韻に浸ろう。
アルフとアンジュは2人で協力し、洞穴へと持ち帰る。
帰ったころにはすでに2匹は疲れ果て、その場にへたり込んだ。
さすがロックボア。名前の通り、岩が生えているためものすごく重い。
そのためか洞穴にたどり着くまで予想以上の時間と手間を取ってしまった。
だがそれでも2匹の達成感は何物にも変え難く、しばらく2人でへたり込みながら笑いあっていた。
何とか気力もある程度戻り、御腹から発せられる信号によってアルフとアンジュはロックボアの肉に食らいついた。
多少なりと弾力性と肉質が若干硬かったが、肉事態に獣臭さはなく、問題なくすべてを食べ終えた。
満腹になったのか、アンジュはその場にコロンと寝転がり、再度休息をとっていた。
アルフはステータス欄のポップアップを表示し、ボーナスポイントとレベルアップとにらめっこし始めた。
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基礎ステータス 上昇率倍増ボーナス 0/5
生命: 5 ☆★★★★ 上昇率倍増ボーナス
筋力: 4 ★★★★★ 上昇率倍増ボーナス
魔力: 1
体力: 3 ☆☆☆☆★ 上昇率倍増ボーナス
信力: 1
俊敏: 5 ☆★★★★ 上昇率倍増ボーナス
ボーナスポイント:25
*レベル2へ昇格が可能です。
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今回熟練度レベルが上昇したスキル
・致命の一撃 Lv3 → Lv4
・引っ掻き Lv2 → Lv3
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