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異世界転生したら、まさかのオオカミだった!?  作者: 永遠眠
第1章 転生した先は…。
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初めての戦闘

時刻 "10:30"


アルフの遠吠えにビクッと体を震わせる。


どうやら"遠吠え"が効いたらしい。

若干動きが鈍くなり、デビラードの目に灯る殺意がよりいっそうアルフへと向けられる。


だがアルフはその硬直で出来た隙を見逃すことはしなかった。

一気に駆け出して距離を詰め、その勢いを右前足に乗せてその爪を振り上げる素振りを見せる。


ギリギリの所で恐怖による硬直が解け、寸での所で後方へ飛び去って回避しようと飛ぶ。

アルフはそれを待っていたと言わんばかりにフェイントで出した右前足をそのまま踏み込ませ、地面を抉る様に蹴るとそのまま体当たりへと変じさせた。


それがフェイントだったと気づいたのか、目を見開いて別の方向へその小さな羽を羽ばたかせて回避しようとするが時すでに遅く。

完全に懐に入った状態で、最大加速から繰り出される体当たりを避けることは出来ない。


結果、デビラードはそのまま吹き飛ばされ、近くの樹木に側面から叩き付けられた。


アルフは勢いを止められなかったのか、そのまま地面をゴロゴロと転がっていく。

だがアルフはその勢いを止めることはせず、転がりながらなんとか体勢を立て直し、デビラードに向けて地面を蹴る。


体当たりをモロに食らった衝撃で、動きが鈍くなっているデビラードの首元に勢いよく噛み付いた。

噛み付いた拍子にグギッという鈍い音が、デビラードの首元に突き立てられた牙から伝わってくる。


その音を聞いたアルフは瞬時に噛み付く顎に力を全力で入れる。


"きっと今の音は勢い付けて噛み付いた結果、首の骨に何かしらダメージを与えたはず。"


ならばそれを利用しない手はない、と更なるダメージアップを期待して噛み付きの強さを増したのだ。

デビラードも何とか逃れようと暴れるが、体を動かすたびにビクンッと痙攣でもしているかのように震わす。


そのまま噛み殺そうと更に力を入れようとしたとき、ふとネトゲをやっていた際に培った"嫌な予感"が脳裏に過る。

急いで噛み付きから離れ、デビラードから離れる。

その直後に先ほどまでアルフの居た場所に尻尾の先端が勢いよく突き刺さる。


"やっぱあの尻尾も攻撃できるみたいだな…。にしても危なかった。"


デビラードと対峙した際、奴の攻撃方法は何があるのか幾つか考えていた。

第3の目からのデバフ関係に陥らせる視線系攻撃、体当たり、噛み付き、そしてあの長い尻尾。


そのため、動きが大振りで分かりやすそうな体当たりと噛み付きは軽く警戒し、行動が早く、攻撃速度も速いであろう目と尻尾の攻撃を懸念していた。

結果、その考えは当たっていたようで、目にもとまらぬ速さで尻尾による貫き攻撃を行ってきた。


"尻尾での攻撃、貫通攻撃ができたってことは鞭っぽい感じの攻撃もできそうだな…。だがそれよりも…"


今アルフが懸念していたことが起きてしまった。

デビラードの第3の目がこちらを向いている。


予備動作無し、タイムラグ無しでのいきなりの攻撃が可能そうなその眼。

その眼を使わせないために一気に距離を取って視線を反らし、また首に噛み付き攻撃を行うことで再度こちらに視線を合わせないようにした行動だったのだが。


"さて、これからどうするか。"


今、デビラードの動きは鈍く、動く度に体を打つような痙攣が起きているため、そんな大きな攻撃はできない。

尻尾による攻撃も近づきさえしなければどうとでもなる。


"まだ痛みに体をうまく動かせてないっぽいな。ならば今のうちに…!"


アルフはスキル"鋭い眼差し"を発動させた。

その鋭い瞳に映るデビラードの姿から、脳内に直接様々な情報が沸いてくる。


デビラードの持つバトルスキルが幾つか判明した。


====================

デビラード Lv3


バトルスキル

・******    Lv***

・噛み付き   Lv2

・******    Lv***

・貫く槍尾   Lv4

・殴打する鞭尾 Lv3

・******    Lv***

・******    Lv***

・闇の視線光  Lv4

・******    Lv***


アクティブスキル

・******


パッシブスキル

・巣食う病魔

・******

====================


"あの尻尾の貫通攻撃のレベルたっけぇ! というか闇の視線光ってことは…"


そのスキルに気づくのと、デビラードの第3の目が暗い紫色に光り始めたのはほぼ同時だった。

咄嗟にその場から左へ飛ぶと、先ほどまでいた場所に目から放たれた黒紫色のビームが通り過ぎたのがほぼ同時だった。


"予備動作はあるみたいだな。あの目が光りだして2秒後に光線系のビームを発射と。その後、1秒ぐらいの反動による硬直があるみたいだな…。"


先ほどの動作で一つ一つデビラードの行動パターンと予備動作、攻撃までの時間差を頭の中に入れていく。


"ただこれが全部じゃないから、まだ判明していない攻撃に関して警戒しながら立ち回るか。"


アルフはまたデビラードの距離を縮めるべく、一気に駆け出す。

それに合わせて第3の目がまた輝き始める。


目が光り始めて丁度2秒後、アルフに向けて闇の視線光が放たれる。

それを最小限の動作で交わすと、更に加速させる。


ビームを放った後の反動で身体が一瞬止まる。

それを狙ってビームを誘発させ、回避したところで一気に距離を縮める。


硬直が解け、闇の視線光を打つには遅いと判断したのか、尻尾を動かし"貫く槍尾"をアルフに向けて放つ。

それを今度は冷静に右の方に飛んで回避する。


"一応あの攻撃にも、放つ直前に、大きく尾の先端が振り上がるなんていう丁寧な予備動作もあるみたいだな。"


目標を失った槍尾はそのまま地面を砕くように刺さり、土煙が舞い上がる。

アルフはその速度のまま右前脚に乗せて、その反動をつけてデビラードの顔面、第3の眼をめがけてその爪を振りかぶる。


動きの鈍ったデビラードは貫く槍尾の直後による硬直のために避けることは出来ず、その爪による引っ掻き攻撃は第3の目に直撃した。


白と赤が入り混じった液体がつぶれた眼球と共に噴き出す。

かなりのダメージが入ったのか、聞いたこともないほどの絶叫にも似た悲鳴を上げた。


「ギュィィイイイイィイイイイイ!!!」


貫く槍尾は未だ地面に刺さったまま、抜く力さえないのかだらんとしている。

アルフは再度首元に噛み付き、力を入れる。


必死にデビラードも抵抗をしていたが、次第に力が弱まり、そしてビクッビクッと痙攣を起こし、息絶えた。


噛み付いていた首元から離れ、そっと息絶えたデビラードを見る。


"…ありがとう、デビラード。お前のおかげで俺は色々と掴めたよ。お前は最初にして最高の強敵だった。"


その拳闘を称えるかのように、それとも死していくデビラードを弔うかのように、アルフは強く遠吠えを空へと放った。


前回と変わりません!

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