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異世界転生したら、まさかのオオカミだった!?  作者: 永遠眠
第1章 転生した先は…。
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エネラの思い

時間が巻き戻って

時刻 "17:30"


―――アダントたちを見送った後…



彼らの姿が完全に見えなくなったのを確認して、振っていた手を静かに下ろした。

先に抱いていた若様のモフモフを思い出す様に、手をゆっくりと握る。


「柔らかった…。」


そうぽつりと呟き、そっと胸に手を当てる。


(若様から感じた尋常じゃないほどの魂の輝き…。でもその輝きの奥に潜められた絶望と悲しみはなんだったのでしょう…。)


若様…―――アルフにエネラから幾つかの贈り物をした。


名を決める際には一度アルフの魂に触れ、名に関する情報を引き出す必要がある。

エネラは誰かに名を授ける際、今回が初めてというわけではなかった。


過去に何度か、今回と同様に魂に触れ、名を授けたこともある。

でも今回のはいつもとは違っていた。


尋常じゃないほどの強い耀き、その奥に見られる絶大な負の感情。

だがそれらは均衡状態を保っており、そして完全なる外的干渉拒否のオーラを放っていた。


これでは名に関する情報が得られず、名を与えることができない。

どうしようかと悩んでいたところ、突如脳内に響く言葉。


―――アルフ


エネラは直感した。

それがこの子の名前であると。


何を根拠にそう思ったのかはわからない。

でもこれが若様の名であることに間違いはないのだと絶対的な確証があった。


この異質な出来事に、エネラはもう一つの力を授けることにした。


"神秘なる力の片鱗"


これは本来扱えるものはいない。

授けることは出来ても何も起こらず、本人も何をもらえたのか理解すらできない。


授けたエネラでさえも詳しいことは知らなかった。

でもこの力を扱えるものは強大なる覇者の力を得られるということだけは理解している。


アルフになら、若様にならきっとこの力の扱い方を知っているはず…。

そう思い、アルフにもその力を授ける。


そして、そこでまたしてもイレギュラーな事が起きた。

本来ならばこの力を授けても何も起こらない。起こらないばかりか、何が起きたのかすら理解できない。


だが今回は違っていた。

この力をアルフへと授けた途端、エネラからこの力が失われたのだ。

まるでこの力を扱える者が現れたかのようにエネラから離れ、アルフへと移ったように感じられた。


「さすが若様です…。将来、若様はきっと…」

『そんなところで何をボサっとしているんだ?』


蜘蛛の腹部辺りに何か小さなモノが乗った感触と同時に声を掛けられ、後ろを振り向く。

そこには黒い毛並みを持ち、片耳が千切れたかのように短くなっている小さな黒兎が首を傾げていた。


「あら、オルダスさん。おかえりなさいませ。」


オルダスと呼ばれた黒兎。

彼もまたエネラと共にこの森に訪れ、アダントの庇護を受けている存在だ。


今はエネラと共にこの蜘蛛の間にて住んでいる。


『おう、ただいま戻った! そんで、何かあったのか?』

「え?ええ、実は先ほど…」


先ほど起きたことをオルダスに説明していく。

うんうんと状況説明を受けながら相づちを打っていたが、"神秘なる力の片鱗"の下りでオルダスの瞳は細くなる。


『なるほどな…。ふむ、しかし若様がなぁ…』

「わたくしも吃驚しました…。あの力を扱える者がまさか若様だなんて…」

『…これは何かしらの縁を感じるな。まさか俺たちを助けてもらった恩人の御子息がその力を扱えるなんてよ。』

「本当に…。偶然にしては少し出来すぎているように思えます。」

『俺たちがここに来ること、そして若様。きっと遠い未来に何かが起きる予兆なのかもな。』

「その際はぜひともわたくしたちは若様の力になりましょうね」

『もちろんさ。受けた恩は決して忘れねぇ。それが俺だ。この身が果てようとも返して見せるさ』


互いに頷き合い、決意を固める。

エネラとオルダスはある事情により追われ、そしてこの森にたどり着いた。


このエリアの主であるアダントに出会い、そしてなんの事情も聴かずに匿ってくれた。

そればかりか、上位者でもないエネラとオルダスにエリアの一部を譲り、生活の手助けをしてくれている。

今でもちょくちょくエフィが様子を見に来てくれたり、他に住む種族たちとの便宜を図ってくれている。


そしてエネラには"賢者"の称号を、オルダスには"戦士長"の称号をそれぞれ授けてくれた。

そのためにアダント夫婦には大きな恩義を感じており、また絶大な信頼を置いている。


恩義を返すためならば、その命を持さない覚悟さえもある。

まあそれを伝えたらエフィに激怒され、半日かけて説教されたのでその考え方は変えているが…。


どうしてそこまでしてくれるのかと以前聞いたことがある。

だがその問いにアダントとエフィは答えてくれることはなかった。ただ一言だけ。


『気にする必要ない。それが我らに出来ることだからだ。』


と。

それ以降さりげなく聞いてもはぐらかされたりするだけだった。

なのでこれ以上聞くことはしなかった。


でもやはり心の奥底では気になってしまう。

そんな思いを奥底に仕舞い込み、日々過ごしてきていた。


そんなアダント夫妻の間に生まれた子供、アルフ。

そして与えられたアルフの世話係という役目を、エネラは必要以上に感じていた。


「…頑張らなくちゃ!」


そう意気込みながら、先ほど中断させていた作業に戻る。

少ししてからオルダスも手伝いに入り、その日の作業…薬草畑の世話を終わらせた。



後々エネラや今回登場したオルダスのステータス情報も出していこうかな。

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