イレギュラーなスキル
時刻 "16:00"
「では若様にもう一つ贈り物が御座います。」
そういうとまたアルフの体を白い光が包む。
アルフの体に吸い込まれる様に包み込んだ光が収縮していき、完全に消えた。
それと同時に聞きなれたサウンドが鳴る。
―ポンッ
それと同時に目の前にポップアップが現れた。
そこに書かれてあったのは、
<スキルポイントを入手しました。>
"スキルポイントって完全にゲームかよ…"
とりあえずそのスキルポイントを使用するため、"スキル"という文字を脳裏に浮かばせて念じてみる。
すると今度は別のポップアップが出現した。
そこには様々なスキルが並んでおり、そのスキルを指すアイコンと名前、熟練度レベルが掛かれていた。
幾つかのスキルが線のようなもので繋がっているものがあれば、単体のスキルもあるようだ。
自分の今持っているスキルポイントの表示を見てみると…
―スキルポイント(SP):10
とある。
元々いくつあったのかはわからないが、序盤からSPが10pももらえるとは嬉しい。
「今若様に授けたのは"神秘なる力の片鱗"というものです。それを扱える者は極わずか、もしかしたら今現代に扱えるものはいないかもしれません。」
『となると、アルフはそれらを扱えると?』
「ええ、確証には至りませんが、若様に宿る魂に触れたとき、他の者とは違う特別な力を感じました。きっと若様になら、と…」
『さすが我が息子だな! 我も鼻が高いぞ! がっははは!』
『でも危険性とかってないのかしら?』
「わたくしの聞く限りではこれを扱えなかった場合での危険はないと聞いております。なので大丈夫だと思いますよ。それに若様ならば、どんな危機が来てもきっと跳ね除けてしまうのではないでしょうか?」
『そうね…私たちの自慢の息子だもの…! その程度の危機ならばさらっと受け流してしまうわね!』
"本人を目の前にハードルを上げるのはやめてくれ…!"
アルフは困った様子で勝手に盛り上がる彼らを遠い目で見つめながら、内心でそう呟いた。
はぁ…とため息を吐き出した後、再度スキルのポップアップを見てみる。
"にしても色んなスキルがあるんだな…。"
炎の牙、氷の牙、雷の牙などといった一目見てわかりやすいスキルもあれば、強者の覇気、轟く咆哮、天賦の才能など、名前からはどんな効果かわからないようなスキルもある。
アルフはそのスキルアイコンに右前脚の肉球で触れると、別のポップアップが表れた。
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スキル名:強者の覇気 Lv0
消費SP:5
スキル種:パッシブ
効果内容:各スキルで得られる熟練度の経験値+5%上昇
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"なるほどね。スキルの熟練度に関してのレベリングボーナスってわけか。"
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スキル名:轟く咆哮 Lv0
消費SP:30
スキル種:パッシブ
取得条件:スキル"遠吠え"の熟練度Lv10
効果内容:取得するとスキル"遠吠え"をスキル"咆哮"へと変化させる。
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"前提スキルのあるやつか。ますますゲームっぽいなこれ…。轟く咆哮の下に結構なバリエーションのスキルがあるから、普通に考えて上位互換ってところだな。まあ取るまでかなり先になりそうだが…ん?"
と色々とスキルを見ていると、何やら下の端に不自然に置かれたスキルがある。
一部が文字化けしているように見え、更に若干スキルのアイコンがぶれているような錯覚が起きる。
―スキル:魂ヲ喰♯イシ 者
"なんじゃこりゃ…。文字化けしてる上、めっさぶれてて違和感バリバリなんだけどこれ…。内容はなんだ…?"
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スキル名:魂ヲ喰#イシ 者 Lv0
消¥SP:10
スキο※:パッ℁ブ
*果 &容:喰ら%た相手の魂ヲ 己ノ 力へ** *る
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"喰らった…相手の、魂を己、の、力へ…る? どういうことだ?"
表面上からの情報で読み取れるのは、このスキルの名前は、"魂を喰らいし者"。
消費SPは"10p"で、スキル種は"パッシブスキル"。効果内容は"喰らった相手の魂を己の力へ~る"。
あてはまりそうなのな言葉はぱっと思いつくだけで、変換する、変えるといった変換系の言葉。
―魂を、己の力へと変える。
魂が一体何をさして、自らの力へと変換させるのかわからない。
正直にいって、これはかなりのイレギュラーなのだろうという思いがある。
他のスキルは普通だし、正常のように見える。
でもこのスキルだけは何かがおかしい。
こんなやばそうなスキルは気にしない方がいいんだろうが…
"やっぱ気になるよなぁ…って、あれ? これさっきよりも薄くなってね…?"
と気が付けばそのイレギュラーなスキルは徐々に透明になっていく。
…まるで消えるかのように。
"おいおい、そんな焦らし方はやめろよ…! 取りたくなるだろうが…!"
でも実際そのスキルは徐々に薄くなっていた。
後数秒もあれば、跡形もなく消え、そこにはまるで元から何もなかったかのように綺麗になるだろう。
文字化け、ぶれるアイコン、そして何もしなければ後数秒で消えるスキル…。
誰かがそのスキルを無理やり作り、俺のスキルのポップアップにねじ込んでいるようにさえ感じる。
"…取るしかないか。もう少し慎重に取りたかったが、仕方ない。"
と再度そのスキルに触れる。もう消えるまではごくわずかといったところだった。
触れたと同時に、
<こノ スキルを取%しま**か? 消¥SP:10>
というこれまた先ほどのスキルと同じように文字化け、ぶれるポップアップといった具合に出てきた。
内容はきっと、"このスキルを習得しますか? 消費SP:10"といったところだろうか。
もう時間がなかったということで、何の迷いもなく
"おう!"
と強く念じる。
すると同時に先ほどの"スキルポイント:10"の残りポイントが0になる。
その時、無意識の奥底にて何かが芽生えたような自覚と、若干の餓えのような変な感覚が生まれた感覚が襲う。
だがそれも刹那の出来事のように、今では何も感じることはなくいつも通りに戻っていた。
その瞬間、アルフの心の中は若干の焦りが生まれた。
その焦りをかき消すように、いつものあの音が聞こえる。
―ポンッ
<スキル:魂を喰らいし者 を取得しました。>
"…もしかして俺、やっちまったかもしれんなこれ。"
そしてアルフは、"スキル:魂を喰らいし者"を手に入れた。
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Lv:1
名前:無
種族:シルバーウルフ
HP:10/10
MP: 2/ 2
攻撃力: 10
防御力: 5
魔法力: 2
魔防力: 4
回避力: 8
隠密力: 7
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取得スキル
・魂を喰らいし者 LvMAX




