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【外伝】全てが滅ぶ瞬間に、俺はニンゲンに恋をする

俺はオークだ、醜悪な見た目と粗暴な性格でニンゲンを襲う魔物だ。

…そのハズだ。


女「何よ、アンタオークでしょ?」

オーク「そ、そうだけど…」


そのハズなんだ…なのにッ!

何故か俺はニンゲンの女に気圧されている!しかも俺はへたり込んでいる!

理由は当然、『遭遇(エンカウント)』だ、だが立場が逆転している。

そもそも俺は好戦的じゃない、素朴に畑でも耕して寿命を迎えたい。


女「オークって不細工って聞いてたけど…そこまで酷くないわね」

オーク「…そこまで整った顔してねぇだろ」

女「あら、人間の方がよっぽど酷い顔してるわよ」


分からない、魔物を恐れないどころか褒めるニンゲンなど聞いたこともない。

俺には小刀もある、腕力だって遙かに俺の方が優れている。

なのに、なんでだろう…目の前の女に逆らえない。


女「ほらずっと座りこんでると汚れるわよ、立って」

オーク「お、おう…」

女「ふぅん…顔も悪くないし、スタイルもいいじゃない」

女「これで気の弱いヘタレじゃなければ最高なのにね」


気の弱いヘタレでなければ喰われていたのに…

しかしこの女の美的センスはどうなっているのか。オークは魔物の中でも醜悪だ。

見るだけで恐怖を煽り、戦意を削ぐ。血を浴びる姿は地獄そのものだろう。


オーク「…頭おかしいんじゃねぇのか」

女「あははっ、よく言われるよ」

オーク「!」


ふ、不覚だった…ニンゲンの女にドキッとしてしまった。

この女、器量が良いだけに笑顔がヤバい。正直恋に落ちそう。


女「あれ?私に見とれてんの?」

オーク「!?」

女「あらら、オークってのは女を手籠めにして孕ませるんだろ?あー怖い」


クスクスと笑いながらからかわれている。ちょっとムカつく。

そもそもオークはそんな悪党ばかりじゃない。…ちょっと割合が多いだけで。


オーク「ざけんな、お前みたいな高飛車なんて相手にしてたら目入っちまう」

女「…そう?私はアンタならいいけど」

オーク「…冗談でも止めろ、俺たちは敵同士だ」


人間と魔物など絶対に結ばれない。夢見れば殺されてしまうだけだ。

現実は非情だと何かの本で読んだが、全くその通りだと思う。


女「ふふ…ねぇ、名前はなんて言うの?」

オーク「…あ?」

女「名前よ、名前。オークって名前じゃないんでしょ?」


…本当に、うっとおしい女だ。


オーク「俺は――」






閃光が全てを包み、覆い隠した。

奇妙な女も、自己嫌悪の激しいオークも…その光の中で。

キラリと青く輝いた女のネックレスは、今も大地に転がっている…。


少女「……」

石像「どうしたの?…ネックレスか」

石像「綺麗だね…これ、知ってるの?」

少女「…ううん、知らない」


その輝きは、今も奇妙な二人の顔を映していた…

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