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ラッキースケベ&アクション2  作者: LSA製作委員長
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ブラジリアン・ミドルキック

「てめえ、オレの女に何しやがる!!」

 唐子は怒声より先に、蹴りを放つ。

口より先に手が出る性格なのだ。

 前足を踵から踏み込み、地面の反発力を受ける。

その勢いで股関節を回転させ、畳んでいた膝をしならせる。

健康的な太股がミニスカートを翻す。

 てめえは、生足の付け根に気を取られ、反応が数瞬遅れる。

健康的な少年男子の邪な欲望が、回避を遅らせる。

 スパッツ履いてます、残念!!

 目に映ったグレーの短パンに舌を打つ。

避けられないのでガードを固める。

腕を畳み肩をすくめ首を固め、衝撃に備える。

 歯を食いしばる。唐子の蹴りとガードが激突する。

硬い革靴が上腕を激しく叩く。

 ハイキックに大股開いても、スパッツ吐いてますから。残念!!

 重い蹴りに腕のしびれを感じながら、また舌を打つ。

 いくら頭では、スパッツを履いていると分かってはいても、健康的な思春期真っ盛りの健全安全青少年の最優先される本能が、もしかするとを期待させてしまうのだ。

「生意気にガードしてんじゃねえ!!」

 蹴りを思いっきりぶち込む快感を邪魔され、唐子が逆ギレる。

物足りなさに苛立ちながら、次の攻撃に移る。

スパッツがてめえの目を奪ったため、まだ唐子のターンだ。

 防がれた蹴り足を戻し、もう一度同じハイキック。

 さすがに、てめえは三回も見とれない。

先ほどのガードにもう一方の腕を加え、両腕をクロスさせる。

上体を少し上げて、蹴りを待ち構える。

蹴られる寸前に、腰を落としその重力で、蹴りを弾き跳ばそうとする。

沈墜勁十字受けだ。

 かかった!!

 唐子の蹴りが変化する。

膝の軌道は初弾と同じだが、膝から先が今度は変化した。

 膝下中上変化蹴り(ブラジリアン・ミドルキック)。

柔軟な膝関節がそれを可能にする。

顔面ハイと見せかけ、(胴体)ミドルを蹴るフェイント技だ。

 てめえは、まんまとフェイントに引っかかり、唐子の蹴りが今度こそ炸裂する。

てめえの胴体にまともに蹴りが入る。

 衝撃が筋肉と骨のガードを突き破り、内蔵にダメージを与える。

息が詰まる痛みに、てめえの動きが止まる。

隙だらけだ。

唐子はその隙を見逃さず、とどめのハイキックを放つ。

 蹴られた痛みに膝を着きたい衝動を利用し、てめえは屈んでハイキックを避ける。

 唐子の蹴りが宙を泳ぐ。

片足立ちの不安定を見逃さず、てめえは唐子の軸足を刈る。

 前足で軽く軸足を引っかける。

それだけで不安定な唐子はバランスを崩しよろめく。

 ヤバい!!

 蹴りを思いっきり空振ったせいで、身体ごと泳ぐ。

足の刈りに何とか転倒は免れたものの、バランスは崩したままだ。

次の行動には移れない。

てめえは屈んだことで足に力を蓄えている。

飛び込み突撃されたら、避ける手だても防ぐ手だても唐子には無い。

 てめえは、じわじわ増してくる痛みに、歯を食いしばる。

足に蓄えた力を何とか解放する。前に倒れるように地面を蹴り、唐子へと迫る。

 ヤラれる!!

 全力ダッシュで迫り来るてめえに、唐子は身を硬くする。

防衛本能が勝手に衝撃に備える。

 その横をてめえが駆け抜けると同時、始業開始の予鈴が鳴り響く。

 負けを覚悟した唐子の顔が、拍子抜けとその照れ隠しに、見る見る赤くなっていく。

脱兎のごとく走るてめえの背中に罵声を浴びせる。

「オレは負けたなんで思ってねえぞ。てか、こら逃げんな!!」

 じたんだを踏む唐子を置いてけぼりにするてめえ。

登校時の毎度毎度の光景、風物詩に、同校生達が呟く。

「てめえ君の勝ち逃げは、これで何度目かしらねえ」

「唐子さんの負け惜しみは、パターンが少ないわねえ」

「二人とも元気ねえ」

 学生都市第三学園の朝は、いつものようにこうして始まった。

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