表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ラッキースケベ&アクション2  作者: LSA製作委員長
28/34

覚悟

 もてあそばれている内は、まだチャンスが残っている。

 正宗は防戦一方の中、反撃のチャンスを伺っていた。

動きを止めた正宗に、虎は調子乗ったかの、ご自慢のスピードでの突撃を繰り返す。

防御に専念した正宗は、縮地を少しだけ使うことで直撃を交わしている。

衝突の瞬間に、突撃のベクトルを逸らし、その威力を大幅に削っているのだ。

即死しかねない衝撃を刀の峰で受け流しながらも、正宗は冷静だ。

恐怖に取り乱したりはしない。

現状を踏まえて、対策を考える。十年に一度の天才(美少女剣士)、伊達にそう評価されている訳ではない(内は自称)。

 宝玉の全力使用も後一回か二回。多くて三回。

 いや今少し使ったので、二回以下。

ずらし受けるだけで、力は消耗していくばかりだ。

「おらおら、どうした、どうした」

 虎は完全に調子に乗っている。

疲れを見せず、もうこれで十数回目の突撃を繰り返している。

異獣の真に恐るべきところは、再生能力よりも、この無尽蔵ともいえるスタミナだ。

 どこかで休んで、息継ぎはしているはずだが、その毛一本ほどの息継ぎだけで体力を全回復させてしまう。

当然、ただの人間である正宗にそんな回復力はない。

時間の経過と共に、体力差が如実に現れる。

動体視力、反射神経、運動能力、それらの精度が少しずつ落ちていく。

精度が落ちた分を埋めるのに、宝玉に頼る力具合が増していく。

宝玉の力も無限ではない。

力が尽きるのは時間の問題だ。

正宗は覚悟を決めなければならかった。

 倒すには、心臓を突き刺して、首を切り、頭を割る。

その三つが必要だ。

その一つだけならば可能だが、同時に三つは不可能だ。

そこまでの宝玉の連続使用スキルは正宗には無い。

 バカは落下を開始したままだ。

正宗と虎の動きに比べ、自由落下の速度は遙かに遅い。

その相対差ゆえに、ゆっくり落ちているように見えるが、間もなく地面に激突するだろう。

あの高さから頭からの激突、即死は免れない。

 宝玉の力を借りて救援は呼んだが、来るのかどうかは分からない。

適合者以外が奴等と世界を分離した閉鎖世界、結界内に入ることは不可能だ。

空いている、待機できる適合者がいないからこそ、今回は正宗のソロミッションとなっている。

 結界を解けば、適合者以外の支援は受けられる。

単純な物理攻撃もある程度は、奴等には効く。

致命傷にはならなくても、目くらまし程度でも、銃火器による支援で奴等を揺さぶり、隙を作ることは可能だ。

だが、ダメだ。

 結界の解放は、奴等と現実世界の接触を意味する。

接触は世界間のひずみを生む。

その影響は過去の事例によれば、天変地異などの気候環境に影響を与えている。

重度ともなれば、生態系への影響もある。

それだけは避けなければならない、絶対に防がねばならない。

 結界の解放は期待できない。

増援も期待できない。

今ある自分の力だけで、対処しなければならない。

 奴等は飽きっぽいので、宝玉の破壊の任務を達成したのならば、気まぐれに帰る場合もある。

衝撃に刀身がたわむ。

一方的な突撃を楽しむ虎に帰る気配はない。

 では、どうするか?

 一の太刀に迷いあらず。

 研鑽を積み上げた剣術の基本にして、極意を思い返す。

 後は何も考えない。

バカは救えない、自分も救えない、敵は倒せない。

だがそれがどうした?

 一の太刀にすべてを込める。

唇を噛みしめ、色々な感情を押し殺す。

 バカがもう少しで地面に激突する。

正宗はその時に備えて、鼻から一筋息を吸った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ