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ラッキースケベ&アクション2  作者: LSA製作委員長
22/34

直ぐに調子に乗れるのは、溺愛されてきた証拠。

 アンタは両方を見やる。

 セーラー服と無数の影が対峙している。

日本刀女は自分を庇うように、影と自分との間に立っている。いやな女の上体が硬い。

スカートが小刻みに揺れている。

思わず、心配してしまう。

「おまえ、震えてんじゃねえか?」

「う、うっさいわね。

命の恩人に向かって、おまえとは何よ。

もう、武者震い。

そう、武者震いよ、これは」

 影から目を逸らさないまま、正宗は背中越しに強がる。

自分の恐怖を図星に指摘され、恥ずかしさに顔が赤くなる。

 そんな悪いタイミングで、正宗の背後に影が浮かび上がってきた。

前にばかり気を張っていたので、正宗はその気配に気づくのが遅れる。

位置も左後方と、刀を持った右腕から一番遠い。

影が手を伸ばす。

回避は間に合わない。

あの虚脱感を思い出す。

瞬間、身体が動いていた。

 無我の境地。

 速いのか遅いのか、遅いのか速いのか、分からない動き。

とにかく動いたと思ったら、次の瞬間には事を終えている。

そんな無我の動きで、影にタックルをぶちかましていた。

 パンチでもキックでもないのは、正宗から影を遠くに引きはがすためだ。

 無言のぶちかましが、影を吹き飛ばす。

数メートル宙に浮き、電柱にぶつかった後、影が霧散した。

 無我の動きとはいえ、ダンプカーにでも跳ねられたような威力、現実的にあり得ない威力に、ただただ驚く。

さっきは触れたところから虚脱感が来たのに、今度は全くない。

 もう一体浮かび上がってきた影を切り捨てながら、正宗が解説する。

「ワタシの活力エナジーを分け与えたんだから、当然よ」

「こいつらを、ぶっ飛ばせるってことか?」

 理屈は分からないが、とにかく検証、試してみる。

浮かび上がってきた影に、軽くジャブを放つ。

ジャブの衝撃に、影は縦回転しながら吹き飛び、かき消える。

手応えに身体が震える。

いつの間にか、アスファルトに削られた裸足の傷も、全快している。

 これなら、イケるぜ!!

 自信が体中を駆けめぐる。

下腹部からの熱が血をたぎらせる。

「何にしても一時的なものよ。

感謝しなさいよ」

 正宗の言葉を最後まで聞かず、殺されかけたお返しとばかりに、アンタは影に襲いかかる。

逆襲だ!!

 近くに浮かび上がる影に、片っ端から殴りかかる。

 ジャブ、ジャブ、対角線ハイキック。

影が横殴りにぶっ飛び、消滅する。

 後方に肘打ち、そのまま裏拳。

振り返って、頭を掴んでの飛び膝蹴りを顔面にたたき込む。

 伸ばしてきた手を払いながら掴み、足を刈る。

体勢を崩した胸元にかかと落とし。

 数体重なったところを、助走をつけてのドロップキック。

 ゲームのように技が爆裂する様に、アンタは酔いしれる。

面白いように技が決まり、その威力・手応えはマンガ的だ。

自分史上最高のコンディション、最大に身体が軽い。

最強な絶好調にのぼせ上がり、一直線に大きな影へと向かう。

 立ちはだかる影の隙間を、軽やかなステップですり抜けながら、影を吹き飛ばしていく。

 上体回避ダッキング上体潜行ウィービング、拳での受け流し(パリング)で全弾回避し、ジャブ、ストレート、フックで吹き飛ばしていく。

 最後の影をアッパーで天高く突き上げ、アンタは大きな影と相対した。

 身体は上り調子だ。

どんどん動きが良くなってくる。

それに、どんな攻撃でも100パーセント、減退率ゼロの最大威力で命中する。

 酔いに酔いしれたアンタは、真正面から大きな影に突撃する。

「あのバカ」

 その無謀な姿に、取り囲まれた影を切り捨て、正宗は跳躍した。

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