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ラッキースケベ&アクション2  作者: LSA製作委員長
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大胆な蘇生

「ちょっと、いつまで」

 遠くに声が聞こえる。

夢の中から現実の目覚まし時計のアラームにつながったような。

声の大きさが増していく。

「もう、とっとと起きさないよ」

 わき腹に痛みを感じる。

咽せながら目を覚ます。

 目に入ってきたのは、自分をのぞき込む人影。

 女?

 セーラー服?

 ぼやけた焦点が整ってくる。

セーラー服姿の女が、間近で民間人を見下ろしている。

 そうだ!

 あの時気を失って。

あれから、どうなったんだ!?

 思考が覚醒する。

慌てて飛び起きる。

そこでやっと気づく。

お腹に刀が突き刺さっていることに。

Tシャツがめくられパンツを少し下げられ露出させられた下腹部に、金属色に輝く刃が突き立てられていたのだ。

「ちょ、おま」

「やっと起きたわね。

ったく、とっとと起きなさいよ」

 正宗は驚く民間人を無視し、民間人の腹部から切っ先を抜く。

「ちょ、おま、血が出る、血が出るよー」

 取り乱して叫ぶ民間人を無視し、刀身を鞘に納める。

 民間人は飛び起き、刃が突き刺されていた下腹部を触る。

必死で傷口を押さえる。

 あれ?

無い、無い、無い。

どこにも無いぞ。

 下腹部を何度も探す。

そこには、傷口もなく血も出ず、痛みもない。

どころか刺されていた部分が温かく、心地よい熱ささえ感じる。

 なんぞこれ?

 状況を全く理解しできない民間人に、正宗はため息のあと、状況を説明してやる。

「奴等にとり殺されそうになってたアンタを、この正宗様が助けてあげたのよ。

感謝の意は?」

 アンタは思い出す。

そうだ、あの時死を覚悟して意識が薄れていって。

最後に薩摩示現流の独特の気合いの声が聞こえたような。

 自分の思考に入るアンタに、正宗は苛立った声を上げる。

「お礼の言葉は?」

「ありがとう」

 その剣幕に、アンタは反射的に答えてしまう。

それでも正宗は満足せず追い打ちをかける。

「ありがとう?」

「ありがとうございます」

 物足りない剣幕に、大きな声で大きく頭を下げる。

その姿にやっと満足したのか、正宗は鼻を鳴らした。

「奴等に、存在を食われて死にかけていたアンタを、この正宗様が活力エナジーを分け与えて回復してあげたのよ。

その点について」

「ありがとうございました」

 食い気味に感謝する。

大げさに頭を下げた姿に、正宗は鼻を満足そうだ。

頭を下げたまま、パンツとTシャツを直し、辺りに目をやる。

 確かに影の姿はどこにもない。夢のように消え去っている。

虚脱感も全くなく、むしろ刺されていた下腹部から熱が全身へと溢れている。

身体が異様に軽い。

 助けられたのも回復してもらったのも事実のようだが、感謝を強制するどや顔に、感想は一つしかなかった。

 いやな女だ。

 顔を盗み見る。

年の頃は自分と同じぐらいか、セーラー服姿の女が、日本刀を脇に挟んでいる。

 正宗は胸を張って腕を組み、ご満悦な表情で頷きを繰り返す。

 うんうん。

民間人の侵入と言う、結界班の失態をカバーが百点。

 うんうん。

影の討伐数の、スコア更新が百点。

 うんうん。

復息の刃の、初実践での初成功が百点。

 万々歳に顔がほころぶ。

 何と言っても、初めてのソロミッションでここまで百点満点の、いえ得点計測不可能の出来。

天賦の才、天賦の才を磨く努力の才、天賦と努力の才を生かす引きの才。

 うんうんうんうん、うんうんうんうんうんうん。

我ながら天才すぎて、腰が抜けちゃいそうだわ。

 熱くなった頬に両手を当てる。

そのまま息を吐き少し冷やす。本番はここからだ。

 さあて。オードブルで、自信も身体も良い感じに温まったところで、メインディッシュに移りますか。

 正宗は気配に振り返り、刀を抜いた。

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