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部活動、再編!

というワケで、部活を発足しました。

脈絡がない指摘がごもっともですけど、彩華が勝手に人の名前を書いて作ったのだから勘弁してほしい。

部活の名前、『観察野鳥部』だった。すげーデジャヴを感じる。

メンバー紹介。

部長、彩華。部員、アリアスと玲と俺。

変態と愉快な仲間たち、みたいな認識をされそうだ。


「さあ、諸君! ミラージュ作戦は大成功だ」

「作戦だったのかっ?」

「当たり前だ。全力で打ち込むには名前が必要なのは、世の理だ」

「違うからな」


何だか某生徒会の人たちみたいに喋るだけで終わりそうな気配が漂う。

ここは俺がしっかりして、部長の彩華に物申していこう。


「彩華、これを作った目的―――」

「やはり先立つものが無ければ、何も調査とか始められないからな」


ちょっと見直した。


「このダメ兄貴のせいで壊れかけている世界へ行く方法を探るワケだが……」

「ダメ兄貴って言うな! 俺はイイ兄貴だ!」

「その世界にとって不都合でしかない人間をダメ兄貴と評して何が悪い?」

「それは俺じゃない」

「でも、他の人は認めない。それが世界の果実!」

「なんのモノマネ? もしかして噛んだ?」

「………」


顔を赤くして逸らされた。どうやら図星らしい。

彩華が可愛く見えた。


「よし、来た。帝王の爪ゲット!」


こっちの金髪美少女は神狩りのハンティングゲームを楽しんでる。

玲もそのゲームは好きだから、和気藹々とワイヤレスで楽しんでる。

自由だな。

そんなにのんびりしてる暇は無いのに。


「実はトップシークレットなんだけど、このまま放置しておくと異世界に呑み込まれるから」


全員の腕が止まった。

数秒間しか経ってないのに、重く数分が経ったような錯覚も覚える。

そんな状況下で玲があからさまに動揺しておきながら、笑い飛ばした。


「またまた得意の冗談でしょ? 笑えないよ、ひーくん」

「嘘じゃないんだよ、これが。異世界が作成者である俺の描いたシナリオ通りに行かなくて、それが更に悪い方向へ向かってくると世界が段々と異変を起こすんだ。終いには呑まれる」

「その後どうなるの?」


全員が固唾を飲んで聞く耳を傾ける中、俺はあっけらかんと告げる。


「知らん」


ブチィッ!


「真面目に考えてよ! ひーくん!」

「実際に起きてないんだから、想像もつかない」

「みんな淫乱になるんだ。堕落の世界へ、ようこそ」

「あんたは黙ってろ!」

「みんな終末捕食を迎えて終わるのよ」

「黙れ、ゲーム脳!」


ゼェゼェと息が絶え絶えな様子の玲。

ツッコミに力を入れているのも意外と大変だな。南無。

実際、余裕が無いのも確かだ。

異世界も今の現状も。


「来週は定期テストもあるんで、ひとまずはこの話を置いておきましょう」


何気ない一言。

雰囲気が凍りついた。

最も顕著に表れていたのは、他でもない玲だ。


「どうしよう、ひーくん。私、オール赤点取る自信しかないよ」

「大丈夫。私も赤点を取ります」


アリアスがゲーム機から目を離さず、自信満々に言い放った。

他のヤツらも同様に駄目らしい。

どいつもこいつも頭が悪いのに、人のことを心配するのは得意らしい。

思わず嘆くあまり溜め息が出掛かった時。

ドアを蹴破る勢いで開けた奴が現れた。


「生徒会です。貴方たちの部の創設は認めません!」


あー、確かにこんな現れ方したよ。桜は。

文武両道、品行方正だの才色兼備だの容姿端麗、なんて完璧な人間を表す四字熟語が相応しい女性。正に完全無欠。

それが高橋桜だ。

彩華がニヤリと笑ったことに訝しむあまり、別に見惚れたりしなかった。むしろ注目すらしていない。


「イイ女発見っ! これより捕獲に移るであります」

「ちょっ……やめっ……ひゃん……っ」


目の前にはモザイク処理が必要なレベルのレズな場面が発生した。

端的に言えば、発情した彩華が桜をおいしく戴いている。


「誰かたす……ヒャァァァァンッ!!」

「ここがイイのか? 敏感だな、この子は」


完全に置いてけぼりだった。

玲は現状についていけず、アリアスと一緒にゲームをやり始めた。

見てるこっちも興奮しそうな状態に陥りそうな桃色空間は、そろそろ洒落にならないから消し飛ばさなければならない。


「そこまでです。さすがに洒落にならない」

「むっ、襲って何が悪い? 女同士だから、大丈夫だろう?」

「女同士であっても、強姦は犯罪です」

「強姦は男が女を襲った時にしか適用されん!」

「いや、確かにそうなんだけど」


法律を詳しく勉強しておけばよかった。でも、六法全書って重いし厚いしな。やっぱ無理。


「それにこれは合意の上で襲っている!」

「そんなワケあるかぁー!」


ガバッと桜は勢いよく起き上がり、虚を突かれた彩華は吹っ飛ばされた。


「こんな淫らな行為は決して許しませんからっ! 絶対にこの部を潰します!」

「まあまあ、落ち着くんだ、高橋さん」


後からまた変なのが来た。

爽やかな笑顔を浮かべる優しそうな男。

苑馬未来(そのまみらい)っつう高1にして既にサッカー部のレギュラーを取って女子の人気が高いモテ男。

通称、リア充だ。


「邪魔しないで、未来。あたしは生徒会の責務を果たさないといけないの」


そんな桜と苑馬は幼なじみの間柄だ。

苑馬はこっちに申し訳なさそうに笑顔で平謝りし、桜を宥める。


「桜、感情的になっちゃ駄目だって」

「この屈辱は絶対に返さなきゃいけないのっ!」

「じゃあこうしよう。今回の定期テストで総合点で勝負するのはどうかな?」

『はぁっ?』


負けたら廃部は必至。

だがマトモに点数で勝負しても勝ち目は……。


「イイじゃないか。受けて立とう。その代わり、こっちが勝ったらその可愛い女の子を貰おうか」

「おい、淫乱女」

「なんだい、ムッツリスケベ」

「勝てもしないのに安請け合いすんな、ダァホッ!」

「ふっ、貴様らは私の本気を見たことがないから言えるのだ。せいぜい刮目しておくんだな、私の華々しい勝利を!」


拳を突き上げ彩華は言った。

無駄にカッコよく見えるから、いつも不思議でしかない。

かくして負け確定の期末テスト勝負が成立した。






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