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円卓会議の報告

ヒドい会議です。もはやグダグダです。



表があれば裏があるように、人間が済む人間界の裏には魔族が済む魔界が存在する。

その魔族の頂点、魔王が済む魔王城にて6人の上級悪魔と魔王が円卓を囲んでいた。

人数が足りないが、円卓会議の始まりである。

と、思わせて実は1人足りない。


「ヤツはまだか!」


イライラしたように叫んだのは、メイド服を着用した筋骨隆々の長身の少年だ。


「落ち着け、ゴウリキ。ヤツが会議に参加しづらい状況だということくらい知ってるだろう?」


宥めたのは、某ロボットアニメの白いパイロットスーツを着用した中性的な顔立ちの少年。

ゴウリキ、と呼ばれた女装メイドは顔を赤らめ、席に座り直す。


「すまんな、チヒロ」

「俺とお前の仲だろ? あんまり気にするな」

「チヒロ………!」

「ゴウリキ………!」


チヒロとゴウリキは互いの愛を確かめるように、会議中にも関わらず熱烈に抱き合う。

しかもキスまでしようとした時。


「ようやく繋がったよ」


本日の主役が映像のみで現れた。

ゴウリキとチヒロは揃って主役を睨む。

理由が解っている良識な主役からしてみれば、ヤツらの特殊な絡みなど毛嫌いしてるものである。

さっさと会議に望まなければならない。


「さて、諸君。大本命である逢坂凜が召還された件についてだが………」

「俺のところに来たぜ!」


ニヤニヤと主役を舐め回すように見つめるイケメン、ルシファーが言う。自ら亀甲縛りをしてハァハァ喘ぐ、なかなか侮れない人物に変貌していた。

主役はルシファーを軽蔑するように一瞥する。


「お前、廃棄された城に潜むだけで逢坂凜が来たら課題を言い渡すハズだったのに、暇つぶしに街に行って国王から庶民まで幅広く男共の尻を掘るという任務外の行動に出てたな」

「嫉妬か!」

「死にたいのか? そもそもペナルティーが下されるって事くらい、理解しろ」


バールを主役は取り出す。

主役のただならぬ雰囲気に、さすがのルシファーも焦りだした。


「まあ、待つんだ。生きていく上で俺は男を食べないといけないんだ」

「ちなみにルシファーが襲った街の男たちは皆、同性愛に目覚めて女性を愛せなくなったらしい」

「良かったことじゃないか」

「この世界の生態系に乱れを生じさせるようなことは禁じてるハズだが………」

「ふっ、殺せ」

「言われなくてもなぁー!」


ルシファーはどこからともなく飛来したバールによって、頭を強く殴打された。

円卓にルシファーは突っ伏した。

悪は滅びた。

主役は軽く咳払いして懐から、一枚の紙を取り出す。


「次の議題だ。ダイエー担当!」

「は、はいニャ!」


ビクッと反射的に立ち上がったのは、猫の耳と尻尾を持つ豊満な少女。

円卓を囲むメンバーからは、ダイエー担当(仮)に憐れみの目を向けられる。

「この『ダイエー帝国の股裂きー』とは何だ?」

「それはニャーは書いてねぇです。全部、ルシファーが書いてるです」

「責任転嫁か?」

「ち、違うニャ! 断じておもしろ半分で書いたりしてないニャ!」


言ってから、ダイエー担当は「墓穴を掘ったニャ!」と叫んだ。

主役はバールの手入れを始める。


「ごめんなさいニャー! ニャーに悪気なかったニャー! 魔王の指示でやったニャー!」

「おい」


ダイエー担当のまさかの裏切りに、魔王は気まずい表情で主役から視線を逸らす。こちらは露出度がやたらと高いボディライン浮き彫りの戦闘服。


「ただ真面目に課題をクリアさせていくんだったら、スゴく暇なんだもん」

「はぁ………」


主役は深く溜め息を吐き、椅子の背もたれに寄りかかろうとした。映像出演の主役には、そもそも椅子なんて存在しないことを失念していた。

空気イスによる出演だったのに、うっかりのけぞって「ぐわー!」って叫び声と共に映像から一瞬だけ消えた。

主役は円卓に復帰し、キッと魔王を睨む。


「おのれ、謀ったなっ!」

「いや、アンタが勝手に倒れたんでしょ」

「空気イスでの出演しか認めなかったお前が悪いっ!」

「悪ノリしてたじゃん」

「………ええい、とにかく謀ったな!」


一斉に「責任転嫁だな」と円卓メンバーは思った。

ますます居心地が悪くなる円卓の中で、主役は再び咳払いした。厚顔無恥も甚だしいが、それが主役の性分なのである。


「とりあえず、今から定期会議だ。何でもいいから、話すぞー」

「はいはい! 私、話したいホルスタイン!」


真っ先に手を上げてきたのは、牛のコスプレを着た日本人形みたいな綺麗な顔立ちの少女。中学生に見えなくもない外見だが、これでも17歳だ。そこを間違えてはいけない。

だが、それが頭からすっかり抜け落ちてるのが主役の真骨頂だ。


「なんだい、シラユキ。ここは中学校じゃないぞ」

「中学生じゃないよ! タメじゃん!」

「明らかに中学生じゃん。合法ロリですか? いくら可愛くっても、貴様は一部の界隈にしか受け入れられん!」

「映像じゃなければ良かったのにィッ」


シラユキ、と呼ばれたロリ女は必死に映像出演の主役を殴りつける。


「所詮、貴様はその程度の分際なのだ! ハッハッハー!」


主役はシラユキを見下し、高笑いをした。

悔しさのあまり涙目となるシラユキを哀れんだのか、今度は縦ロールヘアの金髪のカツラを被ったワインレッドのドレスを着たキツ目の美人が主役を睨む。


「ねぇ、イジメは良くないと思いますわ」

「これは苛めてない、辱めてるんですよ!」

「余計に悪質ですわ! 貴方、いつもシラユキを苛めて楽しんでますよねっ?」

「ふむ」


主役は合点がいった。


「サクラも弄られたいのか?」

「なっ!? バカを言っちゃいけませんわ!」

「だよなー、お色気担当だもんなー」

「それは貴方と部長のせいでしょうがっ」

「ついでにツンデレキャラもな」

「ムキィー! 庇うんじゃありませんでしたわ!」

「ガーン!」


逆上のあまりヒドいことを言い放ったお嬢様ことサクラ。かなりショックを受けたシラユキはルシファー同様、机に突っ伏した。

そんな状況下であっても、


「チヒロ、俺の作ってきた唐揚げはどうだ?」

「美味しいぜ。イイ嫁になる」

「そ、そうか。お前の嫁になら、なってもやっても………」

「な、なにバカなこと言ってんだよ。それはまだ、俺たちには早い」

「アハハ、そうだよな」


男同士でイチャイチャして、桃色空間を形成してるホモカップルがいる。

あまりの惨状に魔王は苦笑していた。


「なんかいつも通りの通常運行でビックリだよ」

「揺るぎない、ブレないが信条だからな」

「で。本題に移ろうかしら」


急に改まって魔王は、主役に問い掛ける。


「逢坂凜の他に勇者が12人もいる問題はどうする?」

「それもこれも、たった1回の姫攫いで逢坂凜を召還させれなかった部長のせいだと思われ………」

「もう私がどっかの学校で部活やってる部長だってネタバレしてるよね」

「大丈夫。俺たちがその部活の一員だって知られてないから」

「今バラしただろ!」

「そうとも言う~」


某ジャガイモ小僧のモノマネを主役は披露し、「とにかく」と続ける。


「逢坂凜を兄離れさせるのがミッションだ。でなきゃ未来は得られん」

「必死だよね」

「しょうがないですから、わたくしが手伝ってあげますわ」

「いや、無理しなくていいよ、サクラ」

「なぁっ? そこはもっと突いてきなさい!」

「アウトー!」


そろそろというか、主役の足は空気イスに耐えられなくてプルプル震えてきた。

そろそろ会議を終わらせなければならない。


「次はダイエー担当だったな」

「ココアって名前があるニャ! ちゃんと覚えるニャ」

「語尾に『ニャ』を付けるのやめてくんない? 最初は可愛かったけど、慣れてきたら『何このイタいキャラ?』って思うようになってきたから」

「これはキャラ作りじゃないニャ! ニャーの元々のキャラニャー!」

「うぜー」


コホン。


「ココア、とりあえず頑張れ。ルシファーみたいにグダグダにならなかったら、後でデートでも何でも言うことを1つ聞いてやろう」

『ええっ?』


驚きの声を上げたのは、ゴウリキとチヒロ以外のメンバーだった。突っ伏した連中も何故か復活していた。ちっ。


「ちょーっと聞き捨てなりませんわね。どうしてこのあざといネコだけなんですの?」

「ニャーが特別なのニャ。口出しすんニャ!」


サクラは無視して話を進める。


「あざといネコが良いんなら、わたくしも………その………」

「なんだよ?」

「デ、デート! デートに連れて行ってほしいですわ!」

「うんうん」


もう足がプルプルして何が何だかサッパリな主役は頷いてばっかりだが、


「もちろん俺との甘い蜜月を共にするよな?」

「死ね! 貴様は屈強な男たちに攻められてろ! 魔王じゃなくて、部長!」

「言い直す必要なかったのに!」


魔王は指を鳴らした瞬間、扉から屈強な男たちが現れてルシファーを連れて行く。


「アヒィィィィィィィィッ!」


ホモカップル以外の者たちは揃って、ルシファーに合掌した。


「よし、解散だ!」


グダグダに終わるのが、この円卓会議だ。




最初はレズカップルが需要あるかな、って思ってました。妹メインで話が進んでいけば、そういう輩が出てくると思ってました。

実際に執筆していけば、まさかのホモやホモカップルの嵐! 執筆していて心が折れそうです。やらかした気分ですよ!

そんなこんなで次回は新章突入です!

どんな展開が待ち受け、どんな課題が出てくるか楽しみにしていてください。

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