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決闘

短くまとまりました。


王宮の中庭。

紅茶やら飲んだりして楽しむテラスがある。王族の剣術の稽古をする場でもあるから、それなりに広い敷地だ。

稽古したり紅茶を飲んで談笑する場であるハズの中庭にて、今日は女性たちによる仁義なき決闘が始まろうとしていた。


「すみません。私が取り乱したばかりに」


しおらしい態度でミユが頭を下げる。


「いや、お前が謝ってもな………。それを言うんだったら、仲裁に入らなかった小心者の男装少女を責めてやれ」

「私ですか!? てっきり謝らせるんじゃなかったんですか?」


なんでお前より可愛い奴を謝らせなきゃならないんだ、レミ。

ミユも大変だよな。本当なら、ミオの後ろに隠れていたいのに、そうしないで気丈に振る舞っている。

なんやかんやで妹のミオが支えてやってるのだ。

美しき姉妹愛!


「………っ」


気を許しすぎた。

うっかりミユの頭を撫でてしまうところだった。

凜に何を言われるか知ったもんじゃないから、ミユから視線を外し深呼吸する。怪訝な視線を向けられるのは、仕方ないことだった。


「そろそろ決闘が始まるよ」


何で凜とミレイさんが決闘するんだっけなー。


「なあ、レミ。お前、騎士なのに仲裁にすら入れないのか」

「私に当たらないで。私は自分より上の人間に対しては何も言わない主義なのだ」

「胸を張って言えることか?」

「言えます。うまく立ち回らないと、目をつけられたら困るからね!」

「小心者め」

「グサッ」


レミは刺された効果音を言い、その場に崩れ落ちるように倒れた。

そうこうしてる間に、決闘が始まろうとしていた。


「どいつもこいつも騒がしいんだよ。私のヤることは全てお兄ちゃんが肯定してくれるんだからっ」

「お前の兄が認めるからって何でもかんでも正しいとは限らんぞ」

「私はお兄ちゃんが肯定してくれればそれでいいの! なんで他の人に肯定してもらわなきゃいけないのよ!」

「ワガママ娘が」


吐き捨てるようにミレイさんは言い、刃のない剣を構える。

凜も刃のない剣を構え、ニヤリと笑む。


「うざったいんだよねー、そうやって説教を垂れ込むクサレアマは。まるで玲さんみたいで虫唾が走る」

「誰だ、ソイツは」


凜は不気味に微笑む。

危機感を感じた俺は駆け出す。


「だからね。私の前から消してあげる」


決闘は一瞬で終わった。

ミレイさんは何も反応できずに動けなかった。

凜はといえば、俺に押し倒された状態で驚いてる。

俺が何をしたかといえば、剣を物凄い勢いで振り抜いてミレイさんの首を飛ばそうとした凜の腰に抱きつき、そのまんま押し倒したのだ。


「凜、殺しは駄目だろう」

「あ………う………ごめんなさい」

「何でもかんでも肯定してあげたいけど、さすがに許容出来ないことがあるからな」「うん。………えっと、ね」


凜が顔を真っ赤にして戸惑いの仕草を見せる。

なんかヤケに艶めかしい動きをされるから、変な気分になってくる。

そこで、両手が何か柔らかい物体を鷲掴みしてることに気づいた。


「……………」


ヤバくね?

俺、腰に抱きついたハズなのに胸を揉んでいる。

この弾力、柔らかさ、触り心地、全て満点を言えるね!


「お兄ちゃーん、くすぐったいよ~」

「ハッ!」


すぐに飛び退いた。

なに妹相手に欲情してたんだ、俺。気持ち悪い。

とりあえず深呼吸。だいぶ落ち着きを取り戻せた。

同じくしてミレイさんがフリーズから回復し、鋭く俺を睨む。


「おい、正々堂々の決闘のハズだ。何故お前が介入した」

「仮にも命の恩人だぜ? 礼の1つでもほしいくらいだ」

「なに?」

「何でもないよ。決闘は一時中断するって言ったんだ」


一方的に決闘を中止させた挙げ句、俺は立ち去った。




誰も主人公の名前を聞きたがらないんですね。




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