表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/44

日のない街からの脱出成功

長いタイトルになりました。

正直、ネタ切れが目立ってきた。やや失速。



ルシファーを縛り上げた俺だったが、肝心の妹の消息が掴めず途方に暮れていた。まあ、普通に金が足りなくなっただろうから、ミレイさんの居住地に戻ったんだろう。

というワケで。

姉妹を連れ立って仲良く街へ繰り出す。棺桶がさっきからガタガタとうるさいから、何度も蹴って黙らせた。


「もっと~」

「死ねっ」


渾身の蹴りを放ち、棺桶は勢い余って近くの木に激突しちゃった。

静かになったから、これ幸いと引き摺る。

暇だから、何か話しようかな。


「そういえばミユとミオは、どこ出身?」

「奴隷の身の上話を聞いて同情するんですか? やめてください、偽善者」


グサリ!


「……………」


怯えて姉の後ろに隠れなくてもイイのに。あと、断じて偽善者じゃないからな。


「うん。同情したいから、君らの話を聞きたいんだ」

「変な人です」

「コイツと一緒にすんな!」

「(ビクッ!)」


ああ、また驚かしてしまったか。気弱で儚げで可愛いけど、そんなにビクビクされると対応に困る。

ていうか、棺がガタガタと歓喜しているかのように動くから、また蹴って黙らせた。


「次は握りつぶすから」


脅し文句を付け加えておくのを忘れない。紳士だからな。

脱線したけど、何とかミユちゃんは話してくれるらしい。


「東欧の南部地方です」

「魔族に攻め落とされて捕まって奴隷として売られたんだね?」

「貴方で2人めです、ご主人様は」


最近じゃなかったのかよ。


「最初のご主人様は特殊でして………いや、思い出したくない」

「ミオは?」

「…………」


口パクはやめてくんないかね。読唇術は苦手なんだ。

………って。


「表情が全くないな」

「顔の筋肉が動かないの」


頭を抱えたかった。

ミユの背中には焼きゴテがあるし、前の主人は相当な特殊性癖ならしい。

だから、俺に従うけど反抗的なんだね。妹を守るために。

妹を守る、ねぇ。


『お兄ちゃんはずっと私のお兄ちゃんでいて! 絶対にどこにも行っちゃヤダ!』


思い出したのは、両親が死んで葬式が終わった後に凜が言った。

これは約束であり、強く強く俺を縛り続ける鎖だ。

凜はあれ以来から、ずっと俺に甘えては依存している毎日だ。

限界だった。


「俺を信用してくれよ。童貞は軽々しく女の子にエッチなことも特殊なこともやらないんだぞ」

「本当に?」

「ああ」


童貞ってスゴいな。


「だから、安心して付いて来ていいよ」


だってねー。反抗的な奴と一緒にいたくないから、仲良くして和気藹々と過ごしたい。ついでに凜と仲良くさせれる可能性を秘めた奴は、1人でも多く作っておかなければならない。

ちょっとは打ち解けれた頃、ようやく目標のミレイさんの居住地に戻れた。

居るかどうか怪しいけど、何とかなるだろう。

そう願って王宮へ向かう。


「奴隷がこんな場所に来てよろしいんでしょうか?」


ミユが俯きながら呟く。ミオは姉の後ろで小さく縮こまっている。

なんか罪悪感が芽生えてきたぞ。

周囲の人たちが「あの坊主、あんな可愛い子に何やらせたんだ?」と、冷たい目で見てくるから余計に!


「落ち着くんだ。先ずはええと………………すみませんでした!」

「ふぇ………!?」


自分でも混乱してたらしい。メタパニ喰らった気分だ。

主人の突然の謝罪に姉妹奴隷は、慌てふためいた。


「ちょっ、顔を上げてください。何で謝るんですかっ?」

「下着見たさに」

「変態! ご主人も人のこと言えませんね!」

「ヤツは吸血鬼だ」


だがまぁ、友人の1人に似た感じのヤツがいたな。まんまルシファーと同じことをしてくるホモ。何度、貞操の危機に曝されたことか!

今思い返してみれば、すげー殺したくなってきたぞ。どんだけ拒絶しても迫ってくるし、何をしても喜んでしまう。

くそ、何なんだあの新人類は。絶対に同じ人間なハズない。


「ご主人、そろそろ手を止めるべきかと」

「ああ?」


ミユに視線を移した後、すぐに前を向く。

そこでようやく気づいた。

ちょうどルシファーの顔がある位置が凹んでいる。やべー。


「大丈夫か?」

「マイエンジェルの愛の鉄拳は素晴らしい。何より―――」


顔面部分に位置する所が、まるでルシファーが目を輝かせると同時に金色に輝いた。


「私を心配してくれるなんて……! これは最早、結婚しか道はない」

「死ね」


何故そこまで飛躍する? アホなのか? バカなのか?

奴の頭の中を調べてみたい。

そんな茶番は置いておくとして、今は凜たちを捜さなければ。


「それでご主人。一体どうやって捜すつもりで?」

「簡単だよ。むしろ奴から来てるから」


俺の言ったことの意味が解らず姉妹が首を傾げると、物凄い「ドドドッ!」と異常な走る音が聞こえてきた。

その音の主は、俺の3メートル手前で跳躍して抱きついた。

心霊写真を見るより恐ろしい。ホモが抱きついてきた時と同様の恐怖が、俺に鳥肌を立たせて止まない。


「お兄ちゃんっ!」

「うっぷ………!?」


後ろに倒れそうなところを踏ん張り、凜を抱き止める。首、折れそうだった。


「大変だったんだからね! お兄ちゃんが逃がしてくれなかったら、私たちがどうなっていたことか………!」

「ああ、うん………良かったね」


俺のせいで追われた事を死んでも言わない。墓場まで持って行かなければならない。

後から息切れ状態のミレイさんとレミが追いつき、話を逸らす。


「ミレイさんたちも大変でしたね」

「ああ。捕まったらすぐに奴隷だったからな………必死だった」

「ですよねー」


あの街にいた奴らは、奴隷以外は全て魔族だったからな。トドメを刺したのは俺だけどさ。

無事であったことには変わりないので、俺のせいだとは口が割けても言わない。


「すみません、わたくしが大声で叫んでしまったばっかりに………」


しまった! 口止めしておくんだった!

一斉に俺に視線が集まる。


「どういうことかな、お兄ちゃん?」

「いや、えっと………アハハハハ」

「むぅ………笑って誤魔化したって無駄なんだからね!」

「仕方ないだろ。俺だって予想外だったんだから」

「お兄ちゃんも大変だったんだ。良かった、無事で」


涙目で喜ぶ凜に罪悪感で死にたくなる。

とりあえず凜の頭を撫で撫でしてやりながら、やんわりと引き剥がした。

そういえば、紹介がまだだったか。


「凜が競り落とした姉妹がいるんだが」

「あっ………そういえば購入してたね。どうでもいいけど」

「おい」


そんな発言をしちゃうと、ミオが姉の後ろに隠れて縮こまったじゃないか。あっ、これは凜たちが来たことによる人見知りか!

とりあえず、落ち着く場所が欲しい。

そんなこんなでミレイさんの家に移動することとなった。

はぁ………それにしても、棺が重い。




誰も主人公の名前を知りたくないんだね。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ