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受験生に魔法少女は荷が重い  作者: 発狂済みの受験生
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受験生にホラー展開は荷が重い

始めまして。この小説を見つけて頂けて感無量です!

読み始めですが、軽く警告しておきます。

この小説は、受験勉強で発狂した時に衝動で書いたものなので、行き当たりばったりで進んでいきます。

ついでに私の受験勉強の息抜きで書くので、更新時期も不定期になると思います。最低でも週に1回は更新していこうと思います。週に1、2回更新できるかな、くらいの頻度で発狂するので……

「ねぇ、君ーー魔法少女になってよ」


 頬に突き刺さる冷たい風。

 ついこの間まで生ぬるく包み込むようだったのに、この頃は氷の針のように全身に突き刺さってくる。ついでに私の心にも深々と突き刺さってくる。

 受験生の私にとって、11月下旬も下旬の晩秋の空気は痛すぎる。

 だから今、私の目の前でなんか言ってるこのべちゃべちゃした液体は無視しなければならない。


「よーっし、ちょうど信号青になったし、渡るかぁ」

「なんでそんな華麗に無視できるかなぁ」


 意気揚々と踏み出そうとした足をしゃべるどろどろに掴まれて出鼻をくじかれた私は、仕方なく横を向……きたくないので、強引にどろどろを振り払おうとする。小学生の頃、スライムを作ろうとして失敗してできた、パステルピンクのスライムもどきに手を突っ込んだ感触を思い出した。これもピンクだけど、スライムのひんやりした感覚とは似てもにつかぬ生温かさに鳥肌が立つ。それとこの状況にも鳥肌が立つ。ホラーにも程があるよね。


「すーごい足蹴にされてるなぁ。そろそろ返事してくれたら嬉しいなぁ」


 無心でしつこくへばりつくどろどろをげしげしするのに努めていたが、視界の下の方につぶらな目玉オブラートがちらつくようになって、全身の毛が逆立つ。あぁ、信号が赤に……

 なぜか車一台、人っこひとり通らないこの状況を、もう逃げられないとなってようやく現実と認める。さっきから何度も頬とか手の甲とかをとっくの昔に赤くなってるくらいにはつねっているけど、普通に痛い。というかこんな方法を夢の中で試して「夢だ!」ってなることって実際にあるんだろうか……現実逃避してる場合じゃなかろう、私。

 とはいえ、登校途中の、もっといえば遅刻ギリギリの女子高生がこんな怪奇に遭遇したとしてできることなど、現実逃避以外にないだろう。


「それに見た目どろどろなやつとまともに会話しちゃいけないよね、都市伝説的なあれそれとか考えても」

「あぁ、そういえば人間ってそんなこと気にするんだったねぇ……じゃあ」


 これならどう?


 そう声が聞こえて、さっきまで感じていた鳥肌ものの不快感が消え去り、代わりにさわりとした柔らかい感触が足を撫でる。

 これはそう、言うなれば、動物の毛皮。例えばそう、私が溺愛している、猫のそれのような。


「下を見てみなよ」


 多大なる恐怖心をそれを上回る猫好きの好奇心で押し殺し、恐る恐る下を見てみるとーー


 太陽の光を鈍く反射する、艶やかな毛並み。

 小さな三角耳と、ふわふわのわたのような耳毛。

 つんと尖ったしめやかな鼻と、ピンと伸びた髭。

 つぶらと形容するに相応しい、若葉色の瞳と、こちらを見つめる細長く伸びた瞳孔。


 まごうことなき「猫」がそこにいたーーそのピンクの体毛と、3つの尻尾の一つが私の足に巻きついて怪力を発揮していることを考慮しなければ。

 ……うん、これは、怪奇と言うには可愛すぎるよね。もっと可愛い現象にしよう。そう例えば、妖怪……いや妖精、とか。このピンクも、もっといい言い方があると思うんだ。それこそ、桜色なんて言葉はこういう色に使うんだろう、きっと。

 私のこの怪奇、いや妖精に対する忌避感が一気になくなったところで、妖精が軽い調子で口を開いた。


「で、もう一度聞くけど、魔法少女にならない?」

「……っすぅぅぅ」


 妖精から目を離さずに虚空を見つめるという離れ業をしてのけた私は、大きく息を吐き出した。

 残る2本の尻尾をくねくねとくねらせて、私の体にすりすりと頬擦りするその姿は可愛い……じゃないじゃない、しっかりするんだ私。これはさっきまでねちょねちょのどろどろだったやつだぞ。

 しかも、魔法少女かぁ……いわゆる日朝女児向けアニメの第一話みたいなセリフときた。私はオタク気質なので、有名どころのアニメは結構履修済みだ。その中で、外面はふるゆわハッピーだけど中身は激重の鬱アニメなんてザラにある。

 特に何もフラグとか立てた覚えもないのになぜ私なのか、なぜ、よりによって今なのか、とか、色々と聞きたいことは山のようにあるけれど。

 ……。


「とりあえず、今から私結構大事な模試だから、早く学校に行きたいんだけど、返事は家に帰ってからでいいかな?」


 なぜか、さっきから周囲がものすごく静かだけど、あいにくそれは時が止まっているとかそういうのではないようで、今ようやく3回目の青信号になったから、早く行かせて欲しいんだけど。そしてもう時間がかなりヤバい。具体的に言うと、カップラーメンにお湯を入れて食べ終わる頃に試験が始まる。


「えぇ…………まぁ、いいかぁ」


 露骨な間が若干気になるけれど、がっちりと足首に巻きついていた尻尾が離れたので、ダッシュで校門へ急ぐ。私の家は徒歩5分の近場だから、全力ダッシュすれば間に合う、きっと。


「じゃあ、待ってるからねぇ」


 なんか怖いセリフが聞こえたけど、今は考えないことにした。怪奇への対処は頼んだよ、未来の私。

記:11/27

全統共テプレ2日目……ねぇ、君、共テだよね? なんか難易度アップしてない??

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