表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/10

【Episode M: Echoes of the Record, the Price of Truth/記録の残響、真実の代価】

<Chapter2> <20>



目覚めの悪い状態で頭がボーッとするけど、私には“聞かなきゃいけないこと”が沢山ある。汗をかいたスエットを洗濯かごに入れてシャワーを浴びる。熱いお湯が頭をクリアにする。すると鏡に映る私の裸体に見慣れないものが胸の間に緑色のタトゥーが…胸は大きくないのでしっかりタトゥーが見える…


誰が大きくないって!?誰がそんなこと言うのよ!大きいからって良いわけないでしょ!私はね形がいいの、形が!おっといけない、コンプレックスが全面に出てきてしまっている…誰がコンプ!…ダメだ…また、無限ループに陥るところだった。


タトゥーのようなものを手でなぞる。私には“意味がわかっている”ので、とりわけビックリはしない。けど、私は“知っている”けど聞かないといけない。あの人にサクラさんに


仕事は夕方からなので仕事道具は後で取りに来たらいいと思ったので簡単な身支度…いえ、ちゃんとお化粧、ヘアセットをして、ちょっとおしゃれな服装に着替えて家を出る。


エレベーターを降りると管理人さんに会う。短く挨拶をすると管理人さんが


「あら?クロセさんおはよう。おめかししてデートかしら?頑張ってね」


優しく応援されているけどデートじゃないんだよなぁ。派手すぎたかな?と思い、止めてある他人の車で身だしなみをチェックする。気合いを入れすぎたかなと思ったけど、大丈夫!


気合いをいれてサクラさんお店の“月灯堂げっとうどう”に向かう。ポケットには“虚星核カテナ”を入れて


サクラさんと出会った、ポストを横目にまっすぐ進む。住宅街を抜けると月のオブジェが置かれているお店が名前はもちろん


【月灯堂】


気持ちにカツを入れて扉を開ける。今日の朝からの私は“理解し過ぎている”その緊張を打ち消すかのように


「いらっしゃいませ。月灯堂げっとうどうにようこそ。アクセサリーから小物まで何でも揃いますよ」


そう言ってくれたのは笑顔の可愛い好青年。風貌学生かな?か髪型は“センターパート”で髪色は“青色”。目線を動かし、目標を見つけて、「あっ」と思い。声をかけるために向かう…


でも、その青髪の男の子を“避けて”奥の男性に声をかける。


「今日の私は“初めまして”ですか?サクラさん?」


青髪の青年をすり抜けて一直線に向かったのは“白髪の丸メガネの男”だった。男は笑顔で


「はい、“今日の貴女”が初めましてですね。ようこそ、“本当のエンドレスエデン”へ」


サクラさんは小さい声で「どうぞ奥へ」と言って案内する。


小さな部屋に案内されて、ソファーに座る。するとサクラさんは


「コーヒーと紅茶どっちがいいですか?心配しなくてもお代はいりませんので」


そんな優しいサクラさんの言葉で私は「紅茶で」と答える。すると先ほどの青髪の学生が後ろの近くの椅子に座る。


サクラさんが持ってきた紅茶の温かい匂いが部屋を包んでいく。その紅茶が目の前に置かれて、対面の椅子にサクラさんが座る。


「さて、昨日お話した通り。全てお話しますね。何からお話しましょう?」


「その前に青髪の青年はどなたですか?話は聞いても大丈夫なんですか?」


「はい、彼はユウキくんで美術専門の大学生です。貴女と同じ“刻星者こくせいしゃ/ノーヴァ”です。彼の場合は少し特殊なので私が匿ってます。」


ユウキと言われた男の子は小さく会釈をして目を反らす。あれ?表の対応とは違う?その反応に気がついたサクラさんは


「気にしないで下さい。彼も貴女が“目覚めた”数日前に目覚めたのでわからないことが多いのと“ノーヴァ”が接触すると“カルマス”の奪い合いになると先に言ってしまったので」


「サクラさん、ちょっと情報が多すぎてついていけないので順を追って説明してもらえますか?」


そう言ってサクラさんは世界の成り立ち、私たちのこれからの話をし始めた。中には驚愕なこと、理解しがたい事実が含まれている。これは“誰か”が伝えなくてはいけないこと何だと思うけれど、“今の”私には“伝える”ことができないので、割愛することにする。

もう少し世界に近づけば…けど、そうすれば私は私では無くなるけれども…


話が一区切りついた頃、青髪のユウキくんが


「理解は出来ました。後は話の間に言っていた【闇の鎧】なる者ですね。自分がかなり関係してるので匿われているのですよね?」


「そうですね。このタイミングで君が覚醒してくれたお陰でこちら側の切り札であることは確かです。なので、クロセさんが力を貸してもらえれば、助かるのですが…」


「私ですか!?」


「はい、他の“ノーヴァ”は既に“私の役割”を終えているので、再度再会することは困難です。今の現状だと、貴女しかいないのです」


よくわからないけど、私にはしないといけない使命も、切り札になる運命もない。復讐も果たすべき仇もない。だったら、誰かの為に動くのも悪くない。


「いいですよ。私で良ければサクラさんの力になります。貴方のためにこの身を捧げます。」


これはもう告白と一緒ではないかと思ったら顔が赤くなっている。こんなイケメンに頼まれたら好意を持たない方がどうかしてる。いいじゃん!少しぐらい、期待したって!都合いい女かもしれないけど、好きになってしまったんだからしょうがないじゃん。


私はこの人のためにチカラを使い、彼の求めるものを手に入れる。久しぶりに燃え上がった私の恋は当分消えそうにない。


「ありがとうございます。よろしくお願いします。」


サクラさんはそう言って自分の連絡先を渡してくれる。


「連絡は出来ますが、お会い出来ることが少なくなると思います。少し活発に行動したので身を隠します、“彼らが”気がつく前に」


サクラさんはすまなさそうに頭を下げる。この人の立場を考えれば仕方のないこと。あと、お互いがフォロー出来るようにユウキくんとも連絡先を交換しておく。


「クロセさん、あとこれを」


サクラさんに渡されたのは地図で至るところにしるしが付けてある


「ユウキくんにも渡してますが、これが“闇の鎧”の過去に出現したポイントにしるしをつけてます。再度現れることはないですけど、近寄らないで下さい」


その後、少しだけ3人で打ち合わせをして店を出る。ユウキくんもバイトの時間が終わりみたいで一時的に帰宅みたい。店を出たタイミングでユウキくんが


「サクラさんはあー言ってますけど、基本は自分で何とかするんでクロセさんには迷惑かけないつもりですので」


さくらさんの前でもちょくちょくトゲのある言い方で、今もなんだか含みのある言い方が気になる


「あくまでも共闘はサクラさんの意思なんだから、ちょっとは協力しなさいよね。あんたが一番の当事者なんだから」


「すんません」と短く言って自分とは反対方向に歩いていく。まあ、大学生にはあの話は重いよねぇと思い。駅の方へ歩いて行く。時間は少し早いけど、今から帰って準備すると仕事に間に合わなくなりそうなのでそのまま向かう。どうせ、今日もタロットも水晶無くても大丈夫でしょ…


サクラさんから話を聞いてから世界が一変したかのように錯覚をする。普通と思っていることが普通じゃないと思えてしまう。こんなにも世界って“普通じゃなかったんだ”と


電車を待つ駅のホームでデジャブのような感覚に陥る。髪の長い女性に手を引かれて電車を乗り過ごす…あれ?そんなことをあったっけ?気のせいとは思ったけど振り返るとホームの柱にボイスレコーダーが…


不自然に立て掛けられている。他の人は気にもせず通りすぎる。私は気になって列から外れてボイスレコーダーを手に取る。電源は入っていて動くみたい。


1件の録音データがあるみたいなので、電車の音がうるさいので、耳に当てて再生ボタンを押す。すると女性の声が


「…ザザザ。…聞こえますか?聞こえるアナタは…だと思います。手短にいいます…〖ヴォルガは私たちとは違う生命体で我々とは違うことわりにいる存在で私たちがヴォルガになることは不可能に近いんですだから…〗ヴォルガには気を付けて、友好な存在であっても我々の敵であることにかわりはありません…ザザ…。」


まだ何かを言いかけているのだけども、途中で音声は途切れ消えてしまった。もう一度再生しようと思ったんだけど、データは消えていて再生が出来なかった。なんだったんだろう?


〖ヴォルガは私達とは違う?〗異能のチカラを持っているとサクラさんは言っていた。ノアスと一緒で怪物を想像してたけど…“友好的?と言うことは私達と似た姿をしている?”


嫌な予感がして、電話をかける。


『はい?何ですかいきなり?』


電話口でぶっきらぼうに答えるのはユウキくん。そんなことより、追加で伝えなきゃいけないことがある。言おうとしたときにユウキくんが先に


『そんなことより、あの…自分、ヴォルガって、てっきり悪魔みたいなの想像してたんですけど、僕らと同じなんですね』


え…私が言おうとしたことだけど…僕らと同じ?君は“誰と”私達を比べてる?


「待ってユウキくん、君は今“誰と”会ってるの?」


ユウキくんは少し考えて、ゆっくり話し出す。


『自分の目の前に“クレア・アグニ”と名乗る男性がいます。彼は自分はヴォルガで、僕の持つ“重”のカルマスを渡すようにと言ってます。』


それを聞いた私は一気に血の気が引いた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ