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【Episode T : His Name Was Written in Smoke/彼の名は煙に刻まれた】

<Chapter1>〈0〉


この都市は外側の脅威に警戒が強いが内側には危険が無いと住人はみな思っている。ただ、人口が増えれば“悪意”が沸いてくる。危害を加える悪意ではないが、人々を蝕むモノもある。


それは“星屑ほしくず”と呼ばれる違法なクスリである。シェルターの外側に咲く花の種子から作られた。幻覚作用のあるものだ。出会うことは無いが、怪物に怯える住人は一時でも考える事を“忘れる”事を望んでいた。


探偵をしているツカサは違法な取引をしていると情報をもらい、その取引現場に身を潜めていた。そこにはスーツケースを持った若者が誰かを待っていた。


「もうじき時間か、情報通りここが星屑の取引現場か」


そんなことを呟いていたらそこに車が入ってきた。工場跡地には似合わない高級車。


「まさか、あの車ってあの製薬会社のじゃないのか?」


車が止まり、運転手が先に降りて後部座席のドアを開ける。降りてきたのは製薬会社の御曹司。それを見たスーツケースの若者が駆け寄って


「お待ちしておりました。今月の分です。確認ください。」


御曹司と一緒に降りてきたボディーガードが若者が近寄るのを止めに入り、御曹司の変わりにスーツケースを預かる。ケースを開けて中身を確認する。確認して安全とわかってから主人に渡す。御曹司は工場に入ってきてる光に透かして当てる。それを見たツカサは核心を得る


「間違いない。“星屑”だ」


決定的な証拠を納めようとしてカバンに手をいれた時、カバンの中のボールペンが落ちる。


カーン


工場なので見事に鉄板に当たり、盛大な音を出してしまう。


「誰だっ!」


仕事柄、1回の失敗は命取りになる。そう思ってるとあっという間にボディーガードに取り押さえられて絶対絶命。


「誰の依頼でここにいる?答えた方が身のためだぞ。」


ありきたりな台詞で言われるが、答えても無事ではすまないのは経験済みである。両手を封じられて、連絡手段はなく、証拠のカメラも取られてしまった。それを見た御曹司は取引の若者と一緒に近くに来て


「そうだ、丁度いい。これが本物か確認しようじゃないか」


おいおいまさか…


「大金を出してるんだ偽物では困るからな」


そう言ってスーツケースの中の1つを取り出す。それを見た若者は驚いて


「流石に粉にせずにそのままはヤバイですよ。死んじゃいます」


星屑は粉末状にして燃やして使用するもので、そのまま摂取するなんてしたら…


「どうせ、このまま帰すことなんてできないんだ。運良ければ生きてるだろう」


恐ろしいことを言う御曹司だよ。ただ、流石に今まで、ギリギリのところで助かった俺でも今回ばかりはダメかもしれない。


御曹司は俺の口の中にほりこむ。それに合わせて、すかさずボディーガードが俺の顎を持って強制的に噛み砕かせる。すると頭にカミナリが落ちたように意識が飛ぶ。それを見た若者は反射的に目を反らす。


意識が遠くなる瞬間、御曹司の笑い声と共に、意識が霧の中に溶け込むようだった。遠くのほうで御曹司が言葉を言う


「じゃあな、自分の失敗を呪うんだな」

それを聞いた途端、俺は意識を失った。


霧の中で自分は目を覚ます。ここはどこだ?


「あーあ、死後の世界かよ。しまったなぁ」


縛られていたものはなく、風景も見たことない丘の上に立っていた。周りを見渡しても…何も…。いや、小屋がある?

不自然な小屋があるのでそこまで歩いていき扉を開ける。


中は小さなテーブルと椅子があり、そこには誰かいる。

「やあ、君が来るとは思ってなかった。まあ座りたまえ」


声の主は煙に包まれていて、存在はわかるが姿まではわからない。


「あんたはなんだ?俺は死んだのか?」


それを聞いたら煙の主は笑いながら。

「死んだって?君たちにそんな概念はないだろう?まあ、簡単に言えば死んだって言えばわかりやすいか?」


結局、死んでるんじゃねーかよ


「で?死んだんだったら、ここは死後の世界か?そんでもってあんたは何?死神?」


煙の主は少し考えて


「なんだまだ、“俺がわからない”か。折角、俺を認識できたのに残念だよ。まあ、接触できたんだこれからよろしくな“相棒”」


これからも何も…死んでるんだろ…そんなことを思っていたら小屋全体が霧に包まれてきた。驚く俺を見て煙りの主は


「君が望むなら、力をやろう。ただし……代償は払ってもらうけどな。まあせいぜい他の奴に遅れを取るなよ」




目が覚めると元の工場跡地。意識が少しずつ戻ってきて、先程までの記憶が戻る。あれだけ居たSPや御曹司は周りにいなくて、完全に放置されたんだと思う。


「…いてて、あいつらぁ粗雑に扱いやがって…あ、肘の所、破れてるじゃねーか。まあ、生きてただけありがたいと思うか」


そんなことを1人で呟いていたら、煙の主の話を思い出した。


「そう言えば、あの夢なんだったんだ?契約が何とかって…いっ…てっ」


契約の話を思い出したとたん、右の太もものあたりにズキッという痛みが、慌ててシャツのボタンを外して場所を見る。ボディーガードにボコボコに、された時に怪我したのかと思い慌てるが怪我であれば治ると思うが…これは治るのか?



自分の太ももには不自然な円形の紋様?タトゥーのようなものがあった。もちろん注射が怖いのでタトゥーなんてすることなどない。しかもその紋様は鼓動するかのようにグリーンに発光している。


「おいおい、何だよこれ…」


この先知ることになる、世界の裏側ってこんなに簡単に移動できるとはこの時の自分は思ってもいなかった。


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