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終わらせるために始めよう。

【????】


銀の結晶が無数に飛び交う部屋に男が1人が慌ただしく手元を空中に動かしている、それはまるで指揮者のような戦慄を奏でるような動きをしている。


「この欠片も必要…これも…」


すると後ろから声をかけてくる者が…


「ここに居たのか…」


その言葉で手元が狂い2つの結晶がぶつかる「…まずいな」と言う言葉はむなしく2つはキィという高音をだして弾けた、そして風景が構築される。



ーザザザ


「それで最後だ…」


そう言って男は女性が持つ結晶を取り上げる。女性はビックリしたような顔をしながら両手を広げて立ちふさがる。


「ダメです。そんなことしたらいくら貴方でも…私は破壊するために集めてたの…貴方の幸せの為に…貴方が手に入れてしまったら、貴方は永遠にここに閉じ込められてしまう」


男は手元の結晶を握り、倒れている女性に見せつけるようにかざす。


「幸せか…君がそう望むのも仕方ないが、余はこれが始まったときからずっと考えてたことだ」


女性は涙を浮かべながら懇願するように男性を見つめる


「私は使命、たとえ植え付けられた記憶や考えでも貴方と共に歩むことを望んでいた。そんな事のために貴方を犠牲に出来ない」


女性は泣きながらでも確かに力強い言葉で投げ掛けるがそれが男性をイラつかせる。


「…そんな事…だと…。余がどれだけの思いを持って、どれだけを諦め、手放したと思う。この苦悶を世迷い言だと愚弄するきか!短きときの思いなど余の計画の妨げにもならぬわ!」


怒りに身を任せて結晶を握りつぶす勢いだったので、手から血が地面に滴る。怒りを止めたのは隣にいた赤髪の男だった。


「それくらいでもういいだろう。ハジマリを決めた時点で到着地点はこうなるのは決まってたし、理解されないのもわかってた話じゃないか。」


そう言って赤髪の男は激怒する男の拳をしたに下げた。男は手の中の結晶を見て冷静になって


「…そうだったな。ここでえる道だったな。すまなかった(サチ)。君はそう思うように私が願い、共に歩んだ。そして余を消すようなシステムを作った。だからここからは君が余の後継者となり、全ての根元(こんげん)を持つ余を消すのだ。」


その言葉を聞いて幸と呼ばれたものは泣きながら首をふる。

ーーーーザザザ



見えていた世界の映像が昔のテレビの砂嵐のように

先程とは違う風景に切り替わる。



そこはとある駅のホーム。電車が行き交い、人々が乗り降りするありふれた光景。少女は学校へ行くために停車駅の少ない電車を待つ。

ありふれたいつもの光景、いつもの人混み。変わらないと信じて疑わなかった。


彼女と出会うまで…


電車が来て乗り込もうとした時に腕を捕まれる。一瞬ドキッとして振り向くとそこには大人の女性が自分の腕を掴んでいる。容姿は黒髪で腰までの長髪で透き通るような眼をしていた。すると女性は


「ダメだよ、この電車に乗ったら…君は連れていかせない」


少女は何を言ってるかわからなかったが、真剣な眼に心を奪われていた。


乗らないといけない電車を見送り、手を引かれるがまま駅の近くの公園のベンチに二人で座る。私が声をかけようとしたとき


「そうだ、私サクラって言うの。初めましてよろしくね。」


サクラと名乗る女性はとても純粋な笑顔でこちらに話しかけてくる。一瞬ドキッとするような感じる。私はハッとなり


「私は※※※です。初め…」私が言い終わる間もなく。


「うん、しってる。少し前から君の事、可愛いなーって思ってたんだ。会って思ったけどやっぱり君をアイツには渡したくはないなぁ…。そうだ!私と一緒に来ない?」


この人は同性の私に何を言ってるんだろう?や何処に行こうとしてるんだろう?アイツって誰?とか色んな思いが巡ってた。そんな私の不安を一気に飛ばすぐらいの笑顔で


「よし、決めた。君は私が幸せにする!一緒に行こう。」


差し伸べられた手は綺麗で、吸い込まれそうな瞳に心地のよい声。言ってることは滅茶苦茶でわからないことや誘拐?と思うところはあったけど何かこの人ならいいかな?って思ってしまう不思議なオーラに包まれていた。


「わかりました、いいですよ。何処に行けばいいですか?」


そんな決意を伝えたら無邪気な笑顔で私の手を引きながら


「じゃあ、スイーツバイキング行こう」


そう言って私は世界の理から外れていった…

ーーーーザザザ



風景は無機質な部屋に戻り、男が2人立っていた。


「すまない調整中だったのか…」


声をかけた男は呆れながらに頭をかいている。それを聞いた結晶の前に居た男は、振り向いて男の姿を見て


「なんだよ、その姿は…」


呼びに来た男は金髪に神父の格好にフワリと舞う羽衣を漂わせている。それを聞いた神父風の男は


「仕方ないだろ今回の“役割”だ。それにしても無茶苦茶だな」


「仕方がないよ、“あり得たかも知れない過去”や“起きるかも知れない未来”だからな…ただ観測者が認知したらそれは“本物になる”」


2つの砕けた結晶は床に散らばっていたが、直ぐに砂となり消えていった。消えていく様はさしずめダイヤモンドダストの様だった。それを見守っていた神父が


「アレの準備が出来たぞ。始めるとアイツが言ってる」


腕時計を見たら“9月2日23時50分”「ああ、もうか…」


そんな事を呟き、浮遊する結晶を中心に置いていたさかずきに集約させる。


「長かったが彼女のお陰で無事に起動することができた、彼女には感謝しかない。何も残せず消えるだけではなくなったのだ。心を貰い、残滓(ざんし)を残し、目標を決めることができた。たとえこの先成し遂げれなくても、私には悔いはないな」


男と2人そんな話をしながら廊下を歩く。神父が腕を組ながら


「彼女ってあのお姫様か?まあ、確かにそうだがこれが始まれば自分が※※※とか、言わなくてよかったのか?」


男はふっと笑い「言っても理解されないことは解ってること、それに理解を求める気もないな。それよりも、あの子が生きやすいようになってればそれでいい。たとえ違っても、それを気にする人ではないし、もし受け入れられなくても、そこで関係は終わり、問題はないさ。それに私はあの人にそこまで求めていない」


神父はため息をつきながら首を横にふる。


「冷たい言い方だな、少なからず好意はあったのだろうに。まあ、いずれ切れる関係ならば、それもまた運命だな」


「そうだよ、我々はこれからルーレットに身を預けて、運命を決めるんだ。思いなど無力さ」


そう言って長い廊下を歩き、大きな扉の前に2人は立つ

「さあ、始めようか…」





エピソード0 割れた空と銀の死


XXXX年9月3日0時00分



世界の空が割れた。そして人々を襲う怪物が現れ

世界は大混乱が起き、瞬く間に地獄絵図のような

赤い世界に変貌した。


それの怪物は後に“ノアス”と呼ばれた。

名前は、誰かがそう呼んだだけで、意味などない。

ただ、それは確かに存在し、そして“世界の脅威”。

ノアスは姿形を持たない。いや、持つが定まらない。

獣か、鬼か、影か。それぞれが異なり、だが共通する一点がある。

人間に似た“何か”を必ずまとっているということ。


歪な顔の一部が妙に整っていたり、

咆哮の中に「声」に近い響きが混じっていたり、

崩れる瞬間に、人間のような涙を流すことさえあった。


それが何を意味するのか、誰も知らない。


ただ、世界の住人は恐れた。

理由も、意思も、対話もなく、“ただ存在する”殺意。

ノアスに喰われた者は、血も肉も残さず砕けていく。身体の内側から銀の結晶が咲き、

まるで陶器が砕けるように、音を立てて死に至る。

その死に様があまりに静かで、美しく、そして異常であったため、世界はその恐怖を“吸血鬼の再来”と呼び、古き神話と結びつけて怯えた。


それから、数年。

世界はノアスの襲来に対抗するため、巨大なシェルター都市を築いた。

都市の中央には、割れた空へと届くように天を突く《監視塔》が立ち、

空の向こうを、忌まわしき“何か”を、見上げ続けている。

しかし——希望はなかった。


ノアスの侵食止まらない。

世界は沈黙し、死者の数は増える一方だった。

そう、かつての空から降り注いだ

“光の欠片”——《カルマス》は、恩寵ではなかったのだ。

それは、人類を選別するための“引き金”だったのかもしれない。



だが、この物語は終わりではない。

それは始まりだった。


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