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揺るがぬ巨岩

瓦礫に背中を預け、サファルは荒く息を吐いた。

 胸の傷口が焼けるように痛む。

 砂嵐の向こうで、ルド・ヴァリクスの四本の刃が夜光を反射していた。


(……こいつ……強い。だが……俺はまだ折れてない。)


 サファルはゆっくりと立ち上がる。

 足元に転がる岩塊を見つけ、拳を握った。


「どうした? 膝をついて終わりか。」


 ルド・ヴァリクスが刃を鳴らしながら近づく。

 サファルは唇を歪めて笑った。


「俺を舐めるなよ……!」


 次の瞬間、サファルは地を蹴った。

 ルド・ヴァリクスの刃が迎撃しようとするが、サファルは腕を交差させて受け、すれ違いざまに膝を叩き込む。

 鋼のような衝撃が敵の腹部を貫き、刃がわずかに揺れた。


「ぐっ……!」


 すかさずサファルはその腕を掴み、全身の力で投げ飛ばした。

 ルド・ヴァリクスの巨体が砂塵を巻き上げて地面に叩きつけられる。


(力じゃ負けない……俺は岩だ!)


 瓦礫を踏みつけ、サファルはもう一度跳躍する。

 拳を高く掲げ、重力と体重を乗せて振り下ろした。

 ルド・ヴァリクスが四本の刃で防御するが、衝撃で砂が爆発し、刃の一本が折れる。


「ほら、どうしたッ!」


 サファルは倒れた敵の肩を蹴り飛ばし、転がった体を追うように回し蹴りを放つ。

 金属と骨が砕けるような鈍い音。

 ルド・ヴァリクスが咄嗟に後退するが、その胸には深い裂け目が刻まれていた。


 砂嵐の中、サファルは荒い息を吐きながらも笑った。

 その瞳に宿る光は、痛みにかき消されることはない。


「俺を止められると思ったか? まだまだだ……!」


 地を踏み締め、再び前進。

 連打を浴びせ、膝と肘の連携で敵の装甲を次々に砕く。

 砂が渦を巻き、稲妻のような速さで拳が飛ぶ。


 ルド・ヴァリクスは吠えるが、その動きが明らかに鈍くなっている。

 四本の刃が焦りを帯び、受け止めきれずに弾かれていく。


 サファルは相手の隙を逃さず、体ごとぶつかるようなタックルを放った。

 その一撃でルド・ヴァリクスの体が宙を舞い、背後の岩壁に激突する。


 砂煙の中で、サファルは拳を握りしめ、低くつぶやいた。


「俺はまだ走る……ここで終わるわけにはいかねぇんだ……!」


 血を流しながらも、その立ち姿は揺るぎなかった。

 戦場の主導権は、再びサファルの手に渡った。



おかげさまでSF部門でランキングに乗りました。

応援していただいた方々に感謝!


ありがとうございます。


引き続き、ご覧いただけると幸いです。


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