前へ目次 次へ 2/21 第二話 春霞のなか、静かに忍び寄る影があった。 それは法螺貝の音もなく、陣太鼓もなく、ただ火薬の匂いとともに姿を現した。 松永久秀。茶の湯と爆薬の二刀流。 柳生宗矩の天下取り計画を察知した久秀は、柳生の里を奇襲した。 柳生の里は火に包まれ、剣士たちはクソネミ状態の中で刃を交えねばならなかった。 「ヤ‥ヤギュワアアアア!」 次々やられていく柳生新陰流の門下生たち。 だが宗矩は、微睡の中で目を覚まし、ただ一言。 「……久秀め。楽しそうだな‥」