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インフレ

 今はトニーと概ねのルールをチェックしている。


(どうせこいつは酒に強いタイプだろ)


「僕は・・・・・・このライチソーダっていうやつで」


 トニーはノンアルコールらしい。

 通常、2人で入ると警戒されるが、ドワーフのおやじは全然気にも留めなかった。


「空いてるかね?」

「どうぞどうぞ」


 ラスト1人は眼鏡をかけた、73分けの執事然とした服の男。

 所作が一般人と違い、どこかキッチリとしている。

 牌を混ぜ始める。


(特に何かやってる様子はなしと)


 ちなみに今回は特にトニーとコンビ打ちする決め事はしていない。

 状況に応じて目線で合図を送る程度。勝ち始めたほうをアシストするかな、くらいだ。


「リーチ!」


 竜を切ってリーチしたのはドワーフのおやじ。

 リーチ棒ではなく5ゴールドを直接卓に置いた。そしてドラ表示を1枚開く。

 どうやらこれがインフレ卓のリーチらしい。


「では私も」


 俺とトニーは安牌を切っていく。

 その直後に執事もリーチをかける。親リーだ。

 ドラ表示が3枚。リーチ者はウラもあるので6枚も該当することにある。


(卓に10ゴールドも置かれてる。これを取っていくだけでも十分儲かるな)


 さすがに降り。ベタオリ。

 ちゃんと危険な牌は全部抱えてオリ。まあ全部現物以外危険なのだが。


「ノーテン」


 俺とトニーは流局まで粘った。

 罰符も2点、10ゴールドと高額だった。

 次局。

 テンパイで親は継続。積み棒はなしらしい。


(守ってられねぇ。さっとリーチかけんぞ)


 と言っても本来の麻雀よりも牌効率を考えるのは簡単。

 そう簡単に抜け出すことはできなさそうだった。


「アガリだ!! 役満!! 8点16点は40の80」

「・・・・・・」


 ドワーフが1~9の数字牌を1枚ずつ。

 待ちが全く分からなかった。直撃を避けただけ幸運だった。

 1点5ゴールドというレートなので40ゴールドを支払う。


「痛いですねぇ」


 執事風の男は80ゴールドという、この世界での日給が1発で吹き飛んだ。

 次局。ドワーフの親。


(きっついな・・・・・・)


 手がまあまあバラバラ。

 同じ牌は1種類しかない。

 トニーに目配せする。

 トニーはとってきた牌を牌の上に置き、それは左から2枚目だった。

 トニーは右端から1枚捨てた。数字牌の3だった。


(頼むぞトニー。鳴いてくれ!)


 合図を受けた俺は数字牌の2を捨てる。


「ポン」


 きっちり鳴いた。

 異世界のゲームだからといっても、ポンという言葉に動作はまんまあった。

 今までは面前に構えることが多かったが、流れがドワーフにある以上、流石にそうも言ってられない。


「ポン」


 トニー2鳴き目。

 点数が安くなるうえ、役が無いと上がれないのだが、鳴いたのは6。今回は偶数の牌を3つずつで決めるようだ。


「それです。アガリ、偶数牌のみ4点です」


 親だからとつっぱったドワーフから8で直撃。20ゴールドが渡された。

 次局。


(悪くねぇな)


 手牌はドラの家紋2枚に数字牌の1が3枚重なっている。

 どこの家紋か知らないが、葵の紋に似ているので勝手にそう呼称する。


(鳴かない。リーチを振る!)


 8巡後。


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