ベッグベッダの街
「キタ! ヤラ場あった!」
絨毯工場からうまく逃げおおせて、歩くこと暫く。道中一晩野営をした。
そして昼間にたどり着いた街、ベッグベッダという。
特徴的な看板。
3階建ての建物、そのすべてがヤラ場のようだ。
麻雀風絵合わせゲーム。
「いらっしゃいませ。当店は特殊なルールを採用しております」
「特殊なルール?」
「はい。インフレ卓とデフレ卓というものがあります。人気なのはインフレ卓ですね。デフレ卓は地下になります」
俺は久々の博打にテンションをあげていた。
聞くところ、1階が通常卓、2~3階がインフレ卓。地下がデフレ卓だそうだ。
俺たちの使える金額は約1000ゴールド。
宿代やそのほかを考えるとこのくらいだ。
「どうするよ?」
「人気なら打つ相手に困らなそうですし、インフレ卓行きましょう」
1階はまばらだった。友人と貸し切りでもしている感じの空気感。
俺たちは2階へ階段を上った。
「・・・・・・人でいっぱいだな」
10卓ほどもある広い部屋は人でいっぱい。
煙草の煙が充満していて、むせかえるようだ。
「満員でーす。3階へどうぞ~」
3階へ。
黒板のようなものに細かくルールが書かれている。
牌の数は12種が9枚ずつ。
数字牌が9つに剣、家紋、竜の12種類。各牌に1枚真っ赤なドラ扱いの牌がある。
数字牌は全部竹に近い。1は普通に1本で、2は横に2本。8はM字だ。
手牌は3×3で9枚で同じ絵柄で手をつくるのが基本だ。
「32点! 役満!!」
一番階段に近い卓からどよめきが聞こえる。
「やめだ、やめ! 金がもうねぇよ!」
現金を卓に叩きつけて去っていく3人。
どうも客の1人がバカヅキで他の3人を文無しまで追い込んだらしい。
「今日はツイてるなぁ。お、兄ちゃんたち入るかい?」
チラリと卓を見る。ドラ表示が4枚もあった。
(そういうインフレルールね)
「おう入るぜ。あと1人だな」
ラスト1人を待つ。
勝ち残った1人は長い髭を顎下で結び、背が低く、筋骨隆々だった。
(いわゆるドワーフ族みたいなやつか?)
ドワーフ、(仮)は大ジョッキで酒をあおっている。
「俺は今日ツイてるぜぇ!? 金はちゃんと持ってるかぁ!?」
「ありますよ」
トニーが100ゴールド札をひらつかせる。
絨毯を含め、荷物は宿に置いてきてある。
「ワンドリンク注文いただきます」
「そのジョッキと同じ物を1つ。小ジョッキで、水も」
小銭を手渡し、注文。
俺はドワーフのおやじの飲んでいるやつを指さし、同じものを注文。




