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パターゴルフ

 エイチホメを離れて2日。

 訪れたケイハーという町。

 宿で、どこか短期的な稼ぎ口がないかと聞いたところだ。

 そこのバノーレというデカイ家で、遊び相手を探しているという話だった。


「その遊びを勝負にして、金をさらに稼ごうってやつだな」


 バノーレは年頃20代の青年で、ためぐちをきいてよいと。

 一応は俺たちの容姿だけは年下だ。

 てっきり俺たちは定年後のおっさんとチェスでもさせられるのかと思ったが、


「そうだな、今日はこっちで遊ぼう」

「おいおい簡易ゴルフ場じゃねーか」


 窓の外を指さす、バノーレ7世。

 城の3階から下を見渡すと、眼下には広大な緑が広がっていた。

 きちんと芝があり、明らかにパターゴルフができるように場が整えられていた。

 カップの位置は固定のようだが、20ホールほどあるようだ。


「・・・・・・」


 トニーに顔を向けるが、首を横に振った。


(経験者は無し、と)


「今日、遊ぶのは終日で120ゴールド、そういう話だったよな?」

「そうだな。君たちは俺の遊び相手をして、1人、120ゴールド」

「俺たちはもっと金が欲しい。そこで、これを勝負にしてくれないか? 負けたらアナタのところで好きに使ってもらって構わねぇから」

「いい心がけだな。いいぞ。働かざる者食うべからず。動かざる者も食ってはいけない」

「初心者2人だ。どっちかの高いスコアで勝負ならやろうじゃないか」

「おお、もちろんいいぞ。遊んでもらえるのなら、もともと金を出していいと思ってるからな」


 掛け金も大したことないだろう。


「スコアが1開くごとに1000ゴールド」

「高いわ!! この成金がよ!! もうちょっと遊べる金額にしろや!」

「そうか? じゃあ500。・・・・・・いや200」


 俺の顔芸を見て200まで落ちた。

 そうはいっても1打に200ゴールド、約1万円ほどが掛かっている。


「奴がすべてパーで回るのは当然だ。俺たちはどうにかして1、2打少なく入れるしかないぞ」


 ゴルフというのは紳士のスポーツ。

 自分との戦い。

 同じ条件でどれだけ少ない打数で穴に球を入れられるかだ。

 相手が穴の近くへと球を打ったとしても、焦って、ミスするのがいちばんいけない。


「まずは午前に10ホール、昼食をはさみ、昼休憩をしてから残り10ホールとしよう? いいかな?」

「構わねぇ」

「道具は全てこちらが貸し出す。現物を見るかい?」

「もちろん」


 パターの現物とボール。

 ボールにはバノーレの家の紋章らしきものが刻印されている。


(特に細工は無し、と)


 実は初めから負け試合でした、というのが一番納得いかないので、きちんと見分けをおこなう。

 素人目でしかないが、あっても魔法だけ、というところまでは公平な状態にしておきたい

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