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リンゴの大食い

 翌日。朝から歩いて昼頃。

 エイチホメにたどり着いた。


「特産品はリンゴだってか。にしてもすげぇデカいぞ」


 見た目はリンゴ。

 しかし、よく見るこぶし大ではなく、スイカのように大きい。

 そんなものが木に成っているのだから驚きだ。


「ほいで、また大食いやってるってか」


 ポスターに書かれている絵は、どうみてもそのリンゴを頬張っている絵。

 王冠マークの下に、賞金であろう数字が入っている。


「明日開催。賞金1000ゴールドですねぇ」

「腹すかせて頑張ってみるかぁ」


 ひとまず、一週間の宿を取る。

 本当は毎回サイコロを振りたいところなのだが、どうにも周りに人が住んでいるような場所がないのだ。

 野宿をしろ? 現代ならまだしも、魔物と呼ばれるバケモノうろつく世界でポンポン野宿をしたくない。

 今までちょいちょいしてたろって? あっちは見通しのいい場所が多かったんだ! 誰か来てもすぐわかったの!


「まるかじりかい? 厳しいだろ」

「アップルパイ部門もありますけど。ちゃんと冷めてるやつ」

「じゃあ2人で分かれて出ようぜ。じゃ~んけん、ぽい」


 ぐー。

 トニーはパー。


「じゃあアップルパイで」

「・・・・・・まるかじりかぁ」



「ギブアップ・・・・・・」


 横には力士のような体格の男たちが並び、俺は場違い状態だった。

 食べきれたのは2個。これでも頑張った方だ。

 優勝者は4個だったが、この記録はもはや同じ人間の胃袋ではない。


「・・・・・・」


 腹がいっぱいすぎて、競技に向かうトニーに声を掛ける気も起きなかった。


(やっぱ絶対こっちのが楽だろ! じゃんけん負けたのが悔やまれるぅ)


 アップルパイは一口サイズ。

 30個くらいはいけそうだ。

 しかし、相変わらずの力士軍団。

 トニーが勝てる訳もなく、22個、7位という結果。

 賞金もでず、お腹が膨れて終了。

 無料という点を考えれば満足。


「食ったねぇ」

「もうリンゴは見たくないですね・・・・・・」

「夕食は、いらねぇや」


 洗濯をして、荷物の整理をしてから賭場を探し始める。


「ない・・・・・・」

「ない、ですが、近くに競馬場があります」

「競馬! 俺は競馬ちょっと詳しいぜ」

「あれでしょ。〇マ娘でしょ?」

「なんだいそれ?」


 ということで翌日。

 エイチホメから無料送迎馬車、なんてものは無く、当然徒歩。


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