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スケート

『ジュワァ』


 30分ほどかけて街へ行き、

 その街の料理屋で、釣った魚を油で揚げてもらっている。


「はい、できたて。うまいよぉ」


 小皿に盛り付けて提供される。


「サクサクだぁ」


 苦味も臭みもなく、とても美味しい。

 流石に小魚だけでは足りないので、鹿肉のステーキとタマネギのサラダも注文した。


「冬場にタマネギって育つのかい?」


 店員のお兄ちゃんに聞いてみる。


「街はずれに温室があるんです。年中いろんな野菜が採れますよ」

「ハイテクだなぁ。この街」


 小銭を支払い、宿を取り、スケート場を見に行くことに。

 スケート場は、大きなドーム状の建物だった。


「すごいなぁ」


 入口でピーツの名前を出すと、入場料などもなく、すんなり入れた。

 観客もそこそこ入っており、流れている音楽は生演奏。

 今は練習中のようで、複数人が滑走している状態だ。

 適当に席へと座り、眺める。


「これよぅ、もしかしてスピードスケートのレースとかあるのかね?」

「たしかに、年中できるのなら賭け事として成立しそうですね」


 しばらくすると、アナウンスが流れる。


『これより、本日のスケートショー、開幕いたします』


 どういう原理かはわからないが、そこかしこからサラウンドで音声が流れる。

 そこから1時間ほど、音楽に合わせて、様々な衣装の人たちが出てきては滑っていく。

 稀にミスをして、転んでいるような人もいるが、それも本番ならでは。


「おお、ピーツが出てきたねぇ」


 4人目にピーツの出番があった。

 悲しげな、しっとりとした曲に合わせて滑っている。


「なんだろうな。内に秘めたる熱い思い的な感じか?」


 曲調と違って、ピーツが着ている服は真っ赤だし、ダイナミックな動きで滑っている。

 異世界でも芸術の表現は変わらないようだ。

 曲が終わって、ピーツは真ん中でポーズを決める。

 盛大に拍手があがる。

 ちょうどピーツと目があったので、サムズアップをしておいた。


「面白かったなぁ」

「ですねぇ」


 終わりまで見て満足。

 宿へと戻って、トニーと感想を語り合って、その日は終わった。

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