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港街

「ほーい!」


 出た目は4。

 基本的に数字が大きいほど遠い距離だ。

 今回のは近くも遠くもなく、程よい距離。

 大体10㎞とかそこら。

 森から出て、海沿いを進み、また大きな港町へと到着した。

 今日はここで1泊。

 遅めの昼食を摂るために店を探していると、呼び込みをしてる店があった。


「新鮮な海の幸、果物が食べ放題、10ゴールド!?」

「食いだめしましょう!」


 そんな文言に釣られて店へと入った。

 海の家っぽいとこの外席だ。

 目の前には砂浜が広がっている。


「先払いで10ゴールドです」


 店員の若い女性ウエイトレスに2人分の20ゴールドを支払い、注文を始める。

 テーブルはレンガでできており、真ん中に窪みがあった。


「この席の真ん中のくぼみって?」

「熱した石を入れて焼き物を作ります」

「おお。生は危ないですからね。あたっても医者とかなさそうですし」


 異世界には流石に刺身の文化はなさそうだった。

 メニュー表など見てもわからないので、俺は、


「あっちの席で食べてる貝ください」

「ホタテとカキですね」

「あ、はい」

「お飲み物は? 搾りたてのフルーツジュースが各種ございますが」

「オレンジと・・・・・・スイカとかありますか?」

「かしこまりました。お待ちください」


 貝の見た目も同じなら名前も同じだったようだ。

 しばらくするとグラスに入ったジュースと殻付き貝の盛り合わせが到着した。


「石を入れますね」


 炉からでたアツアツの石を、はさみで窪みに入れる。


「焼っきホタテ! 焼っき牡蠣!」


 俺のテンションはバカ高くなってた。

 久しぶりのウマいもんだ。

 焼けた貝たちを殻から外し、口の中へ運ぶ。


「醤油がないのが残念ですけど、ほどよい塩味と磯の香りで美味いですね」

「ちょっと待て。パエリアもあんじゃねーか!?」


 隣のカップルが、鉄皿に乗ったサフランライスのようなものを皿に盛りつけてるのを見た。

 これは食べるしかあるまい。

 俺はスゥと手を挙げて店員を待つ。


「パエリアください!!」


 注文を取りに来た店員に勢いよく言った。

 それくらい米を食いたかった。

 1年ぶりくらいの米。やはり日本人は米。

 ふと見ると、トニーはそれほどテンション上がってなかったようだ。

 

「どうしたい? 米だぞ、米!」

「いや僕はそれほど経ってないですし」

「でも米食えないの1カ月でもイヤだぜ。俺は」

「う~ん。食べられればそんなにこだわりないかなぁ・・・・・・」


 バクバクと飯を貪り食った。


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