次の地へ
こうして、俺たちの出たとこ渡り鳥の旅が始まった。
逃亡生活するにあたって2人で条件を決めた。
まず1つ、向かう先は投げた賽子、つまり6面ダイスによって決める。もし道を戻ることになってもそれに従う。
2つ、同じ町や村には連続7日までしか滞在しない。
3つ、所持金は2人で等分する。
雑貨屋で地図と鉛筆、携行食料などと旅に必要なものを手に入れた。これからは地図上へと適当に数字を6つ振っていき、出た目によって行先は従うことになる。
「よ~し、こんなとこか」
適当に6つの数字を地図へと書き込み、移動方法も記入した。
そして6面のダイスを振る。
地図の移動距離は概ねの目安だ。
実際にはめちゃくちゃな山だったりするかもしれない。
「まぁ初めだしな。近いとこ出ろ!」
今回の行先は、
1:西へと8キロほど、テーロの村。
2:北へと7キロほど、ルギの村。
3:北東へと3キロほど、森の中で1泊。
4:この町で1泊。
5:乗り合い馬車でどこか遠くへ。行先は馬車におまかせ。
6:船に乗って海へ出る。はるか遠く、港のある南のキーミウの街へ。
「ほーい!」
天高く投げたダイスが地面へとぶつかり転がる。
出た目は・・・・・・2。
「無難なとこがでたな」
馬車もあるようだが、とりあえず徒歩だ。
必要のない出費は避けたい。
「川あんぞ、川」
「周りに人もいないし、水浴びでもしてきましょう」
行く先が水が貴重な地域では水浴びも困難になりそうなので、体を綺麗にできる機会があればどんどん水浴びだ。
とことこと歩いて村へと着いた。
時刻は夕暮れ。
道端には蝋燭ランタンの明かりが灯った屋台があった。




