表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/71

カネの価値

「うおお、どれもこれも美味そうだ」


 まともな食事は数か月ぶりだ。

 路上にテントが張られ、そこに屋台がいくつも並んでいた。

 

「肉に魚に野菜、なんでもあんぞ!」

「ふむふむ。3つ選んで5ゴールドなんてところもありますよ」


 どれもこれもが異国情緒あふれる。

 さまざまなスパイスの香りが混ざりあい、食欲をそそる。


「看板とか読めねぇから、注文はお前に任せるわ」

「わかりました」


 ということで、気になった食べ物を買っていく。

 まず買ったのは串焼き。

 肉と魚、野菜の串。葉っぱの器に包んで渡された。

 次に豆と、から揚げ。これは竹のような容器に入っている。

 そして果物ジュース。

 これはヤシの実にした。

 買ったものを木製のテーブルへと置いて食べ始める。


「満腹じゃあぁ~」

「これで小さなコイン2枚。16ゴールドでしたね」


 すべて食べつくして満腹になった。

 日は暮れているが、いたるところに明かりが灯っていて全然暗くはなかった。

 そして、買い物をしてわかったのは、小さなコインのお釣りには、さらに色の違う小さなコインがあったことだ。


「あとは寝る場所があれば完璧じゃないか?」

「そうですね。・・・・・・すみません宿ってどこにあります?」


 トニーは食事のゴミを捨てるついでに、宿の場所を聞いていた。


「値段までは把握していないそうですが、街の外れに安い宿があるそうです」

「よぅし。そこへ行こう」


 そうして歩くこと10分少々。

 着いた宿の値段は全室20ゴールド。

 おそらく観光地であろうに、とても安い。

 と言っても、格安宿だけあって本当に寝るだけの部屋だ。

 当然異世界にエアコンなんてものは無いし、トイレも共用だった。


「これ、鍵かからねぇじゃんか~。大丈夫か、おい」

「まあ牢屋のほうが安全ではありましたね」


 部屋の鍵は壊れていて、無施錠状態。

 旅館などにありがちな金庫なんてのも当然無い。

 仕方ないので、現金はズボンのポケットの中だ。


「死ななきゃ平気だ。また鉄砲すりゃいい」

「次は僕がやりましょうか?」

「いや、いい。お前が死んだら俺が困る」


 

 特に何もなく、翌朝。

 粗末ではあるが、服屋で清潔そうな上下を中古で揃えた。

 首元の奴隷紋を隠すため、茶色のストールも買った。

 お金を入れておくための巾着も2人分買った。

 そしてバッグ。

 サイコロも1つ。


「もし、追手がいるならば逃げるのに合理的なことをしていると思うはず。だから、あえて天に身をまかせて旅をしようと思う」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ