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7.5日目のきみに会いたい  作者: 餅月 響子


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第10話 夢の雫羽


「私のことなんてわからないくせに!!」

白いワンピースの雫羽が、取り乱していた。泣きながら叫んでいる。声にエコーがかかっていた。視界がぐちゃぐちゃと崩れていく。目が覚めると、自宅のベットの上だった。澄矢はびっしょりと汗を流して夢を見ていた。何かに興奮していた。会って間もない雫羽の取り乱した顔なんて見たことなかった。いつも、日曜日の次の日の0.5日目、つまりは7.5日目に雫羽と会える。あんなに月曜日が来るのが嫌だった澄矢もその前日に雫羽に毎週会えることで次の三日月曜日が楽しみになっていた。月曜日が来ることが恐怖にならなかった。呼吸を整えて、シャツに空気を入れた。ベッド近くの窓を開ける。少し冷たい風が入ってきた。どこからともなく飛んできた燕たちが

家庭を築いて、雛鳥たちに餌を運んできている。その光景を見ると、微笑ましかった。今日は、まだ土曜日。雫羽に会えるまであと2日はある。


 今日は部活があるが、休むことにした。何となく目覚めが悪い。モチベーションが上がらなかった。こんな気持ちでサッカーをしてもチームのみんなに迷惑がかかるだろう。しかも今日は他校との練習試合。中途半端な気持ちでは参加したくない。ズル休みに近いが負けて責められるよりマシだ。スマホが鳴る。快翔からのメッセージだった。

【昨日、話に出てた水城雫羽のことだけど周りに聞いたら、同級生らしいぞ。どのクラスかは不明。同じ学校であることは確かだ。】

 河川敷で話していた時に快翔に雫羽のことを聞いてみた。それが今の返事だった。澄矢にはない快翔の友人繋がりで他のクラスにいる友達が雫羽を知っているらしい。

でもどこかは分からないという。1学年6クラスもあるこの高校は、全員把握するのが難しい。確実に言えることは自分がいるクラスにはいないということだ。

【教えてくれてありがとう】

そうメッセージを送って、ベッドの脇にスマホを置いた。天井を眺め、大きくため息をつく。

 まだ水城雫羽の詳しいことはわからなかった。会っているのに大事なことを聞こうとするとスイッチが切れたように目が覚める。

夢じゃないはずなのに、夢なのかもしれない。

現実と夢との境目にいる感覚だ。


確かに雫羽の手に触れたはず。この指先がこの目が確かに覚えている。そんな気がした。


この時代にスマホを持たないのはおかしい。無意識にスマホの連絡先を雫羽と

交換してないか澄矢は調べてみた。

タロット占いのしずくんさんの文字は見えたが、水城雫羽の名前は登録してなかった。信じてもいないタロット占いを見て心落ち着かせている時もある。

外れている時もあるはずなのに。


またため息をついた。早く2日後にならないかと、ふとんにしがみつき、朝だというのにもう一度眠りについた。

今日は母の仕事は早番で家にはもういなかった。起こされることもなく、1人自由に過ごせることが嬉しかった。


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