第14話 母と、止まらない料理・ニンジンのきんぴら
誰でも知っている有名なおかずの一つに、きんぴらごぼうがあります。
これは、おかずの中でも、決してメインにはならないのですが、その立ち位置は、2番、3番目ではありますが、和食の中でもかなりの人気を博しています。
実に、その種類は、なんと100種類以上で、子供から大人、お年寄りにまで幅広く愛されて、和食の中でも定番の一つになっています。なぜ、その種類が100以上もあり、それほど広い年齢層に好まれているのかというと、その作り方が、本当に幅広くあるからなのです。
必ず入れるものは、ごぼうと人参で、味付けは、これまた砂糖と醤油とごま油という組み合わせは、100種類あってもあまり変わらないようです。そして、その他に、どんな食材が加わるかということで、種類が多くなっているようです。ごぼうと人参は、基本的に、細く千切りにします。これは、すべてのバージョンでも同じ切り方になっています。その上に、さつまいもを千切りにして入れるとか、胡麻をかけたりするもの、そして、他の珍しいバージョンでは、ごぼうを使わずに、れんこんと人参を使ったものもあります。
母も、きんぴらごぼうはよく作りました。5品作る中で、メインが全部だと、つまらないので、助手的な意味できんぴらごぼうの出番です。母のバージョンは、少し甘めで、ごぼうも人参も、実に歯触りがよくて、しゃくしゃくというか、香ばしい感じで、実に、歯ごたえがいいのです。これが、食卓に出てくると、ついつい食べてしまい、食事が終わっても、まだ片付けてなくて、食卓にあると、まだつまんでいる。
一度、お箸を置いているのに、またとって食べている。なんだか、おかずの一品であって、ちょっとおつまみスナック的な感じも微妙にあって、止まらないから、早く片付けて、って勝手に思ったりします。そこで、さらに、母の究極のきんぴらをご紹介しましょう。それは、人参だけのきんぴらです。これは、もはや、きんぴらごぼう、ではないし、ごぼうと合わせているきんぴらごぼうは、ごぼうのせいで、どうしてもおかず寄りになります。
しかし、これは、人参単品で作るので、人参の持つ甘みが全面に出ていて、かなりおつまみ的な要素が強いので、また、味付けも普通のきんぴらごぼうに比べて、もっと甘みがあるので、なんだか食べ始めたら止まらない。それと、きんぴらごぼうよりも、調理の仕方のせいか、もっと香ばしいので、さらにおつまみ寄りになっています。本当に、めちゃくちゃ止まらないんです。でも、考えたら、栄養はありますね。
人参ぎらいの人は、これが一番いいと思いますね。でも、本当に止まらないので、食べすぎ注意です。個人的な意見ですが、これは、売り出したらかなり売れると思います。これほど、人参を単品で、たくさんとれるおかずって、他にはないと思いますし、野菜だけなのに、食べ出したら止まらないおかずって、すごい。