第12話 母と、止まらない料理・牛肉の煮込み風すき焼き風
前回紹介した止まらない料理、思い出しているといくつか、今でも食べたくなってなつかしいものがありました。
母の料理は、すべて美味しいのですが、これらの料理は食べ始めたら止まらないか、すぐにまた食べたくなる料理を紹介します。これまで、母は、多くの料理を作り、また、自ら創作した料理も数知れず。しかし、残念ながら、凝った料理や複雑な料理は、自分は料理に詳しくないので、全く覚えていないので本当に残念なのですが、割と単純な料理で印象的なものを書いてみることにします。
今回の料理は、牛肉の煮込み風すき焼き風です。これは、もちろん名前がないので、イメージだけで即興で今つけました。なんだか、このネーミングだと、すき焼きなのか牛肉の煮込み料理なのか、なんだかはっきりしない。しかし、そんな微妙な立ち位置なのです。
ある日、夕飯に、すき焼きが出ました。しかし、すき焼きというのは、割下を鍋に入れて、牛肉をその中で焼いてから煮ていき、その後、野菜を入れていく。これは、牛肉も野菜も美味しくたくさん食べられるし、なかなかいいのですが、牛肉は高いものでないとなかなかしっくりこない印象があります。
母は、そこで安い牛肉でもすき焼きみたいに、それにもっと気軽に食べられるものはないかと考えていて、ストレートに牛肉だけを煮込む料理を考えました。見た目はすき焼きの牛肉だけにしたような感じですが、味付けはすき焼きと似てはいるけれど、ちょっと違う。いや、だいぶ違っていました。たしかに、甘辛い味付けではあるのですが、安い牛肉を使っているのに、とても柔らかくて、安い牛肉だから脂身もたくさん入っているけど、くどくないのです。むしろ、その脂身が、逆にその料理の美味しいアクセントになっていて素晴らしいのです。
名前は、ただ牛肉の煮込みにすると、それでは伝わらなくてもったいない気がします。これは一度食べ始めたら止まらない。お酒を飲む友人の話しだと、ビールがあったら、これは、最強な組み合わせ過ぎて、危険だということです。牛肉は特にいいものでないですが、すき焼きより肉はこまかくて、安い肉なのに、その甘辛い味付けでパーフェクトになる、だから、食べだしたら止まらない、これは、もう最強の美味しさなのです。
これを初めて食べた時は、安い肉なのに、こんなに柔らかく美味しくなるなんて、その特別な味付けがすべてをカバーしているのでしょう。料理が上手い人の腕とは恐るべしと思いました。しかも、発想は、すき焼きからだったので、やはり生玉子をつけて食べると、より完璧な美味しさです。本当に、これだけは、作り方を教えてもらえばよかったと真剣に思っている料理なのです。
