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Deadman・Fantasia〜死霊術師の悪役道〜  作者: 泥陀羅没地
第六章:盲信は鏖殺に帰す
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世界の記録と龍への旅路

どうも、最近暴走中の泥陀羅没地です。


本来は


・世界の収集情報を閲覧

・復活した仲間と軽めの模擬試合

新たに拾った双子狼達を連れて龍の国へレッツゴー!


……の筈が。


・世界の収集情報を閲覧(想定内)

・復活した仲間と軽めの模擬試合(長い、想定外)

新たに拾った双子狼達を連れて龍の国へ(想定内)


と言う、久しぶりに部下の戦闘を書いてテンション上がった結果、長くなってしまうと言う事態に……。


ま、でも長いと読者の皆様もそれだけ楽しめるし、私も楽しいし良いよね!?

――カツッ……カツッ……――


『コチラが、目的の場所となります』

「ほぉ〜……中々綺麗だな、星の踊り場の様だ」

『フフッ、中々洒落の効いた例えですね』


薄闇に、色取り取りの光が舞う空間で、俺と……ノアは居た、無論暇潰しに来たわけでは無い。


「一応聞いておくが、此処での俺の〝注文〟は?」

『えぇ、〝契約〟に則り、貴方の問うた問答への記録は削除されます』

「宜しい、下手に探られるとサプライズに成らんからな♪」


俺がイベントに出場する、その際に運営から申し出られた取引の報酬の為だ。


『それでは、私は退出致します』

「あぁ、と言っても〝お前〟に聞くんだが」


――……――


星の踊り場、数多の色が回る中で、俺へ無機質な声が響く。


『権限を確認……完了〝特殊認可入室者〟、個体名:ハデス……こんにちは、私は〝世界〟……貴方の知る〝ノア〟の本体であり、分体……同一存在です』

「おう、よろしく世界……それでは、何時までも部外者が居座るのも何だ、早速始めても?」

『認識しました、〝世界の記録〟にアクセスを開始します……閲覧可能時間は〝10秒〟です』

「オーケー……少し待て、ちょいと気合い入れる」


一種のボーナスステージだ、〝10秒間の全知閲覧権限〟……俺の持つ器の調整に、運営が参加する……本来は〝不要〟な筈の融通、日頃の行いの賜物だな。


――パンッ――


「それじゃあ、スリーカウントと同時に〝接続〟頼むよ」

『了承……接続開始します……3……2……1』


――プツンッ――


視界が黒に染まる……さぁ、開始だ。


『俺の世界の全体図を――』

『その世界の大地――』

『淀み許容範囲――』

『善悪の均衡状況――』

『善神の所在――』

『魔力――』

『お――』


一気に脳を働かせる、それと同時に複数の情報が流れ始める……重要な箇所だけを見て記憶する。


『………〝10秒経過〟』

「――ッ!……チィッ」


元の視界に戻り、起き上がる……後数秒有れば4割は覗けたが……まぁ構わない。


「必要な情報は〝抜けた〟……注文通り閲覧記録は抹消してくれよ?」

『了承』


俺は消える途中、〝世界〟にそう言い残し元の場所へ戻った。





●○●○●○


「良し、それじゃあ次の目的地……〝龍の国〟……へ……」

「「「「「………」」」」」


考えろ俺、眼の前にはフラストレーションが溜まった5人の部下、そして俺の今の位置は窓辺のない壁際……此処から先へ、逃走するなら……ズバリッ…〝従魔との触れ合い大作戦〟だな、うむ、コレならば逃走確率100%間違い無いッ!


「おっと、俺としたことが日課のアジィ達との触れ合いを忘れていた、コレは行けない……では――」

「アジィ、美味しいですか?」

「キシャーッ♪」

「………」

「「「「「…………それで?」」」」」

「あ、アンヴァー達は――」

「私の部下が旅用に手入れして居ますよ?(ニヤニヤ)」

「……(スッ)」


両手を上げ、俺は降参の意を示し……脱兎の如く逃げッ――ッ!?


――ガシッ――


「何ッ!?成長した俺よりも更に早くッ!?」

「応、酷いじゃねぇのハデスゥ……可愛い部下がお前の目覚めを待ってたったのによぉ?」

「ウフフッ、そうですわ……ねぇ、タラト」

「うんうん、そうだよボス……ほら、僕達が動けない間随分楽しそうな事してたじゃないか?」

「「……」」

「え〜っと……つまりは?」

「付き合え」「付き合って?」「付き合って下さい♪」

「「()も同行しよう」」

「……(チラッ)」

「シャーッ♪(パクパクッ)」

「……(ヒラヒラ)」

「ま、付き合ってやれよ…プククッ」


………仕方無い、コイツ等のストレス発散に付き合ってやるか……それはそうと喰らえ俺の〝必殺:中身移し〟……ブハッ♪コイツ吐きやがったッ!…うぇっ!?ベクターお前辛くないのか味覚死んでんのか?……あ、元々俺等死体だ――。


「おい」

「――アッハイ」


――ズズズッ――






「お〜……毒沼、荒原、錆鉄の丘、石柱、草むらに屍肉の山……随分と愉快な事になったなぁ」


――ブワッ――


5人の身体から魔力が溢れる、良いぞ良いぞ……しかし。


「やはり一ヶ月動けなかったのは痛いな……アーサーを仕留められるかどうか――ッ」


――ドォンッ――


「ッて所か」

「チィッ♪」


だが俺の想定ではアレはもう一つ進化した筈……なら少し厳しいか……うむうむ。


「良し、龍とコンタクト取るのと序でに、お前等の全面強化も目的に据えるか」


「ウォォォッ!!!」


――ドォォンッ――


肉薄するバリットの大剣を掴んで止める。


――ガシッ――


「お?」

「うぉら!」


バリットの巨腕が俺を掴み、沼地へ投げ飛ばす。


「タラトッ!」

「分かってるよ」


――ピンッ――


「ん?」


――ドドドドッ――


沼地から、鋭利な槍が迫る、この短期間で罠を張るとは流石タラト。


「だがまだまだ甘いな」

「嘘ッ!?」


――バリバリバリッ――


腕から創った〝蛇〟に俺の身体を食い尽くさせる、そして槍を擦り抜けさせ、沼地に着地する。


――ボコッ――

――パァンッ――


「次はッ?――ッ」


――ギロッ――


「ウッ、バレたッ」

「惜しいなディヴォン、潜ってたらワンチャン有った」


――ギンッ――


「まだだよボスッ、〝影蛇〟ッ!」

「ッ!」


奇襲を掛けるディヴォンの短剣を弾く、するとディヴォンがそう呟き、姿を消す……途端に黒塗の蛇の影が現れ、俺へ這い寄ってきた。


「成る程、魔術も組み込んだかッ」

「『へへ〜ん、僕も成長するんだよッ』」

「それじゃあこんな使い方も見せてやろうか……〝Φωτιά……Ήλιος…〟」



――ゴォォッ――


空へ放った輝く〝赤い太陽〟が、影を消し飛ばした。


「……へ?」

「全部の影に本体を入れろ、本体1つじゃ狙われたら終わりだぞ?」


――ドッパァァァンッ――


沼地に〝太陽(火の塊)〟を叩き付ける、それと同時に沼地は消えた。


――ビュオォォォッ――


「ウフフッ、主様……踊りましょう?」

「良いだろう、リードに乗り遅れるなよ?」

「素敵♪」


――ガチャンッ――


「〝μαγεία……τείχος……Μυριάδα〟」


――ブォンッ――

――ガチャンッ――

――ドォンッ――


風嵐の繭の中で、俺は銃を放つ、と言ってもこの程度の速度ではグルーヴに当ることは無い、だから。


――ギンッ――


「ッ跳ねて」

「〝跳弾(リコシェ)〟、直線に進む飛翔物の角度と壁の角度が良ければ、どんな場所の敵でも仕留められる、空高い塔の上であれ、完全封鎖を歌われる密室であれ……な」

「ッしかし、この程度なら対処は「だろうとも」」

「だから……こうする」


――グチュチュッ――


腕が音を響かせる、それと共に現れる、十の腕と、十の銃を模した屍肉。


「〝十屍:一身十座(いっしんじゅうざ)〟」


「追加だ〝――〟」


――ブォンッ――


風の繭に更に魔力の壁が現れる、そして。


「踊り歌えグルーヴ……踊りも歌も、淑女の方が良く映える」

「――ッ!」


――ドォンッ――


直後、全ての銃口が火を吹き、二人の揺り籠に五月雨る……十の凶弾は、射手の元を離れ荒れ狂い、射手も、標的も構わず貫く。


「黒の淑女(レディ)、此度の踊りはどうだった?」

「フフッ、フフフッ……とても満足ですわ♪」


そして石柱は消えた。


「妬けるじゃねぇの、えぇ!?」

「そう慌てるなよセレーネ、怒ると美人が益々美しくなるぞ?」

「アチアチのとこ悪いが割り込ませてもらうぜぇッ!?」


大地から凡そ2桁ほどの距離だと言うのに、何時の間にやら弾丸の如くコチラへ来ていたセレーネとバリットに、俺は叩き落される、このままでは地面の染みにジョブチェンジだ。


――……――


「だが忘れたか?…視覚内は全て俺の〝場所〟だぞ?」

「「ッ!?」」


〝上〟からバリットとセレーネの頭を掴み地面へ突撃する……さぁ、何方の頭が硬いか勝負しようか♪


――ブチャッ――



そして、荒原も消えた……。


「『ま、頭が無くても問題ないんだがなッ、HAHAHA!』」

「糞痛えッ!?…テメェ、これ以上馬鹿になったらどうするつもりだコラぁ!?」

「いや、ボスは兎も角何でセレーネは無事なのさ」


さて、気が付けば残り二人か。


「さぁ、さぁ、そろそろ幕引きと行こうじゃないか」

「セレーネ、少し時間稼ぎ宜しく」

「あぁ?」

「何、ボスと殴り合ってれば良いよ」

「ほぉ?何か考えが有るのか、良いだろう乗ってやろう」

「じゃあそれまでは私の相手しろ!」


――ドゴンッ――

――バキャァッ――


拳を打ち合うと共に双方の腕が砕け、そして再生する。


「おぉッ、随分と再生が早くなったじゃないか!」

「そらそうだ、何時までも治りが遅いんじゃ戦えねぇだろ!」

「違いないッ」


全力で拳を撃ち合う事数分、その時だった。


「「んん?」」

「出来たよ〜」


空を、大地を、大きな陣が覆う……コレは――。


「〝結界術〟に〝五属性〟の魔術文字……効果は……ブッ!?――ハッハッハッ!」

「あ?オイ何なんだよ?」

「お前、タラトお前ッ……中々酷えなお前ッ」

「フッフッフッ――いや、何でも有りな君に言われたくないよ」

「あ?……何の話「自爆」……は?」

「自爆」

「本気で?」

「本気で」

「「………」」

「いやぁ、コレで私の勝ち――」


――ガシッ――


「………離してくれない?」

「連れないこと言うなよ、主を置いて逃げる部下なんて許される訳ないだろ?」


――ズブズブッ――


「今なら間に合うからさ?ほ、ホラ離しなよ」

「………」

「ちょっ、セレーネ!?私達味方だよ!?」

「味方を自爆の囮に使う奴が仲間な訳ねぇだろうがッ!?」

「あ、そう言うわけなんで、私は御暇しますね?」


――スルッ――


「「は!?」」

「いや〜、相手の魔術に干渉するのは中々難しかったな〜♪」

「「は、謀ったな〜!?」」


――チュドォォォンッ――






〜〜〜〜〜〜〜


「はい、そういう訳で今から龍の国に殴り込みに行きます、各員自分の身は自分で……守れない奴はベクターと俺で何とかするので安心するよ〜に」


――ガラガラガラッ――


馬車に揺られ移動を開始した昼下がり、漸く人気のない位置に付いた頃。


――カチャカチャカチャッ――


「〜〜♪」

「……で、主よ、何してんだ?」

「何って……〝パンケーキ〟作ってる、ほら丁度おやつの時間だろ?」

「今か?」

「そりゃおやつだからな……何だ、要らんのか?」

「…………いや、分かった、何でもない」


何故か渋々といった風に、バリットが椅子に腰掛ける……あぁ、そう言えば。


「月華と夜雲、随分と綺麗になったな、宝石みたいで美しいぞ?」

「本当に!?ワフフッ、綺麗だってさ月華!」

「夜雲、五月蝿い……」


獣の尾を揺らしながら、清廉な衣装に身を包んだ夜雲が嬉しそうに笑う……月華も嬉しいようで、尾が揺れているな、どうやら言葉のチョイスは良かったらしい。


「〜〜♪……ほれ、〝世界公認パンケーキ〟、世界で最も美味いパンケーキのレシピを元に焼き加減まで完璧に調整したパンケーキだ」

「「「頂きまーす!」」」

「「「「……頂きます」」」」

「おぉ、うめぇなコリャ!」

「紅茶に良く合いますね」


パンケーキの山を減らしながら、俺達は龍の国へ目指したのであった……。



「キシィィ……」

「食い意地張って焼いてる途中の食うからだ阿呆、ほら、冷やしてろ」


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