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Deadman・Fantasia〜死霊術師の悪役道〜  作者: 泥陀羅没地
第四章:狂い堕ちるは堕天の穢れ
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独白者の懺悔

サブタイトルを間違えた作者が居たらしい。

「………さて、魔動機バラして、分解して、部品レベルにまで解剖し、目に穴が開くレベルで調べた結果だが……1つ2つ3つ程分かった事が有る……」


まず魔動機の材質……老朽化しているが相当な魔術に対する耐性と物理耐性を持っている……具体的には俺の筋力の半分程度には耐えられる程……魔術云々には街中を徘徊している、推定戦闘型の魔動機が放つ〝魔術攻撃(レーザー)〟で試した…。


次に硬さ以上に軽い、魔動機の図体を考えると、全盛期+魔術強化を含めると時速60Kmで動けるだろう。


最後に魔術式だ、コレはかなり面白かった……通常の魔法生物の術式は身体の至る所に制御式を刻み、魔力供給を核が行う。


だがこの魔動機の術式は興味深い事に、核の中に超が付くほど細い〝立体構造の術式〟が有る、一つの線が複数の術式の基礎に成り、術式が連動する様に〝球状〟の〝術式〟に変えられている……結論。


「前時代ヤベェ……以上」


このレベルの術式を其処らのボンクラ魔動機に利用する技術力の高さ、そして高性能な装甲を量産できる製造力、これなら魔物の脅威など蚊に刺された程度だろう。


「……〝人間同士での戦闘〟、その末に滅んだ」


人間は悪魔がドン引くレベルの欲の塊だからな、より地位を、より富を求めて世界で〝核戦争〟レベルの騒動が起きた結果、時代は滅び、人類は絶滅したかに見えた――。


「だが滅んではいなかった……偏ったバランスが均等に戻り、凌ぎを削り合う〝自然と人類〟の闘争地点に逆戻り……ッてのが〝今〟か?」


仮説だ、推測でしかない、技術力レベルと人間という種の特性から導き出された、最も可能性が高い〝仮説〟だ、もしくはそのレベルでヤバい魔物が居たのかもしれない、ソレを殺す為に時代諸共道連れにしたのかも知れん。


「で、〝守護者〟が人間を護る為に寄越されたと……さて」


そんな前時代の遺跡で、今尚動き回る魔動機諸君だが……。


「随分と〝面白い物〟を引っ提げて居るなぁ?」


本来は命令以外を受け付けない魔動機諸君だが……その挙動を逸脱した者が居る。


――ブーッ、ブーッ、ブーッ――


手当たり次第に獲物を求め、魔動機を破壊しようと動く魔動機……その魔動機が纏う〝ソレ〟、それは俺が良く知っている。


「〝憎悪〟、〝殺意〟……魂のない負の魔力……魔動機に入り込んだ尋常でない悪意」


魔動機が本来持ち得る筈のない〝感情〟を、何故魔動機が得ているのか?


「文明崩壊のその理由に起因するのか?」


そろそろ街の本格調査に移ろうか……。


「目下の目標は魔力障害の停止、次点で前時代の技術収集」


何処かに記録媒体でも有れば良いのだが………。




「……時間も時間だし、一度ログアウトするか」




なに、時間は湯水の如く有る、偶にはこういう自堕落な日々も悪くはないだろう。











そして早朝、家事仕事終えてログインすると、埃臭い一室で目覚め、探索を開始する。


〜〜〜〜



『侵入者ヲ探知、殲滅シマス』

「うぅむ……もう少し新しければそれなりに遊べたか?」


――バキャンッ――


またしても鉄の骸を積み上げる、街の中では未だ魔動機が蠢き、朽ち果てし時代に受けた命令を熟している……だからこそ、文明が滅び、新たに文明が出来た今でも、存在し続けているのだろうが。


「些か哀れだな」


誰かに命じられるまま、滅びすら与えられずに、ポツリと朽ち果てる……命はなく、意思もない、しかし魔動機は確かに〝生きている(存在している)〟のだろう、それを彼等がどう思おうが知らんが、その働きを誰かに認められてもバチは当たるまい。


「せめて一思いに眠らせてやろう……人ではない〝虚の化物〟の手ではあるが」


どうせなら、俺だけでも覚えていてやるか……ちょっとした〝気紛れ〟だけどな。


「さてと、街の外側の辺りは調べ終えた、だが〝件の魔動機〟の様な個体は居なかったな」


内側に行けばまた別か?





――ガキンッ――

――ズガンッ――


「……と思い来てみたは良いが……コレは流石に予想外」


内側……家々が減り、壁が隔てた先の、少し崩落した箇所を潜り抜けた、その先で待ち受けていたのは……〝魔動機共〟の殺し合いだった。


「〝憎悪〟、〝憤怒〟、〝悲哀〟、〝殺意〟……大地も空気も何もかも真っ黒だな、しかも何か〝妙な感じ〟だな」


本来自我も持たぬ筈の無機物が尽く〝負の魔力〟に汚染されている……だと言うのに人の姿は見えない、屍の一つもだ。


「文明が一新される程の悠久ならば風化するかも知れんが……こう負の魔力だけが濃密に残るのは妙だ」


それも今さっき死んだとすら言える程の濃さ、明らかな異常自体……嗚呼。


「心が沸き立つな……中でどんな〝外道〟が起きたのか、興味が湧く」


情報媒体でも有れば良いのだが……出来れば音声媒体が良い、まぁそんな都合の良い物は――。






『実験記録……え〜っと、第82かな、え〜どうも、前任者死亡により担当が変わった、〝アイル・バーン〟です、よろしく』

「有ったよ……流石高度文明、音声以上の立体映像媒体とは恐れ入る」


何と言う御都合主義、いや助かるが。


『〝天使兵装〟の進捗は今一つ……必要な基準を満たした〝素体〟が少なく、実験段階で暴走して自滅する、その度に莫大な被害が起きるので、安定化させる方法を模索中……』


『素体の暴走原因は恐らく機体同期の為に必要な〝魂融合〟に有るだろう、暴走した個体は皆発狂し死亡した、その際の発言からそう推定する』

『〝魂強度〟はその個体の精神力に左右される……あ〜……つまりは……〝苦痛に強い個体〟が暴走リスクが低い……ハァ……〝拷問〟して摩耗度の少ない個体が選出される、残った餓鬼共は〝破棄〟だ』

『実験記録113……今月も新たに〝5名〟の〝適合者〟が選出された、残った数百人は破棄だ、クソ気狂い共が……っと忘れてくれ、続きだ、選出された個体は一度記憶を洗浄され拷問の記憶を抹消される、〝反逆のリスク低減〟だと……どうせ無駄だろうが』

『……実験記録146……〝天使兵装〟研究開始から20年……漸く〝1つ〟、"天使兵装"が完成した、機体に接続された少女の名は〝ユアネス〟、双子の姉だ……妹は……破棄された、〝天使兵装〟の性能は計り知れない、一つで一国は落とせるだろう……だが、アレは〝天使〟等では無い……〝天使の翼〟の複製研究から始まったこの兵器開発は、その発想そのものが〝悪魔〟だ、犠牲に成った数万の子供のその命を踏み躙った罪科は遠からず訪れる……その時は、俺も…〝苦しんで生き永らえたい〟』

『実験……いや……〝精算記録〟だな……〝天使兵装〟が暴走した……いや、既に暴走していた……〝ユアネス〟の皮を被った〝化物〟が、研究所を壊しまわっている……〝帝都〟の豚共とも連絡が着かない……死んで居るなら万々歳だ……俺達は〝罪を重ね過ぎた〟……禁忌に手を染め、世界を歪めてしまった……天使兵装は、この世界の歪みとして発生した〝淀み〟を吸収し、暴走している……天使兵装を強制シャットダウンし封印を施そうと思う……未来の人間には悪いが、俺達の罪をお前達に押し付けさせてもらう……俺が精算出来る分は、その封印で果たそうと思う、到底払いきれんが……あぁ、すまない。ユアネスと、犠牲の子供――』


「……ク、フフフッ」


記録を聞き終えた俺は、その……〝愚者の独白〟を止める……嗚呼、何と。


「フヒャッ、ヒャヒャヒャッ」


何と………〝愉快な結末だ?〟


「ケヒャヒャヒャヒャッ!」


沸き立つ〝愉悦〟が心を刺激する、愚かな者達の愚かな結末、起きた外道な実験の果ての、当然の帰結が、実に面白い。


「〝外道な統治者〟、〝狂った科学者〟、〝純真のまま朽ちた童〟、〝狂気の足枷に沈んだ愚者〟……〝バットエンドの物語〟は何とも味わい深い」


醜い豚はその惨状に恐怖し、狂った科学者は失敗作に蹂躙される〝屈辱〟に溺れ、童は純真を黒い苦痛に染め、愚者は苦しみすら与えられず無為に死ぬ、その光景がよく見える。


「それで……この先に件の天使兵装とやらが有るのか?」


部屋の奥、その通路の先から、ドス黒い瘴気が見える……間違い無くソコに件の破滅兵器が有るのだろう。


「〝天使の羽〟、その複製……比喩か、或いはそのままの意味なのか……何れにしろ、その研究成果を見る事は少なからず俺のメリットになるだろう……拝見しに行こうか」


魔力妨害の方法も、少し分かって来たしな。

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[気になる点] 時速60←単位をつけてください。意味が分かりません。
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