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Deadman・Fantasia〜死霊術師の悪役道〜  作者: 泥陀羅没地
第十二章:冥界統べる屍の王
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龍は恐れ、屍人は嗤う①

二本目投稿。


ギリギリ21時に投稿出来た…深夜にもう一本投稿するかも知れない…。

竜も龍も、やり方はそう変わらない、怒らせる…怒らせ理性を削いでやる、そうすれば単調な攻撃しかしない愚物に変わる…ガレリアやエレノアは例外だろう、アレは永時の生命故に感情の抑制が上手い…まぁ龍故に闘争本能は強いが…いやいや、今はそれは良い。


一先ず煽った…それは良かった…いや、それまでは良かったが……。


――ドンドンドンドンッ――

――ベチャッ、バチャッ…バキッ、ベキッ…――


『凄いなぁ彼奴、俺の死体何百回踏むんだ?』


大地を踏み鳴らす霧の龍のその蛮行?…或いは癇癪を見ながら笑みが溢れる…いやはや、余りにも稚拙な行動だな。


――ギチュギチュギチュッー―


「もう少し周囲に気を使った方が良くないかね」


千切れ飛んだ肉片を集めて肉体を再構築する……肉が足りんな、ストックで補うか。


「オイオイハデス、彼奴ブチ切れさせんなよ近付けねぇだろッ」

「『ハッハッハッ!許せセレーネ……何、暴れているならば――』」


――パチンッ――


此方へ来て怒りを吐くセレーネは軽く謝罪し転移する、無論龍の頭上に。


「『〝大人しくさせれば〟良い話だ』」


――グチュグチュッ――


その腕を成るだけ大きく創り変え、ソレへ〝消失〟を纏わせる。


――ズォンッ――


未だ喧しい〝龍の童〟の頭蓋へその腕を振り抜き、その首を食い飛ばす……。


――ズドォッ――


視界も何も消失した龍はその動きを止めて地面へ倒れ込み、少しの間静まった…だが。


「コレで死ねば興醒めも良い所だ♪」


――ブォォッ――


その刹那周囲の霧が怨恨に象られた首の無い龍の首へ集まり、その姿を黒に変えて頭を創り直す。


「『ッ―――!』」


――バクンッ――


「『本質的な話、コイツは龍だが〝霧〟だ』――他の龍と同じ不死性を持つが、コイツの場合己の骨肉である〝霧〟を全て喰らわねば死ぬことは無い…」


ある種俺と同じ個体と言えるな、己を形作る己の血肉が完全に此の世から消えねば一度死なない…守護者を逸脱した不死性の化物…では有るが。


「コレが俺のような不死者なら聖属性とか言う汚物で何とか出来たが…コイツは不死者では無く龍種、不浄の者では無い」


聖属性は効かないだろう…実に厄介♪


――バクンッ――


「『さて、どうするか……うぅむ…う〜む?』――フフフッ♪」

「ソレは良いんだが、さっきから何で避けねぇんだ?」

「…気分?」


別にまだ骸は何十万と有るし、その内百や二百喰われようが俺に痛手は無い…流石ベクター仕事ができる


『恐縮で御座います』

「――さて、取り敢えずコイツの殺し方とすれば……一つはこの巨躯丸々〝消失〟させる…そうすりゃ向こう百年は彷徨うだけの木偶の坊に成る」

「ソイツはキツイ、他のは?」

「2つ目は…そうだなぁ――」


――ズコォォォンッ――


「ハイ彼処ッ、今フェイディアの突き刺さってる場所に〝核〟が有るから其処を叩けば終わり…コレでも完全に死なんのはやはり龍の出鱈目さが分かるよなぁ…」

「……おう、そうだな…」


セレーネのお前が言うのか的な視線が痛いがまぁソレはその際投げ捨てよう。


「さて、択を出したがぶっちゃけ一択だ…あの龍畜生の核ぶっ壊して暫く退屈に使ってもらおう」

「……えぇ、そうですわね!」

「フフフッ、さぁ地獄に叩き落としてやるぞ?」


――バスンッ――


……テメェ。


「さっきから人を殺してきやがってブチ殺すぞ龍畜生?」


――ギュチギュチギュチッ――


「『〝万屍:雪崩喰らう屍人群れ〟』」

『『『死に晒せ腐れ龍がァァァ!!!』』』


何万の〝己〟が雪崩の如く龍に迫る…加えてその中に紛れ3人の〝獣〟が混じり龍の心臓を狙って迫る…ソレへ龍は、その大口を開き。


「『ッ■■■■■!!!』」


その奥から凄まじい魔力と霧の奔流を放ち、俺の群れを消し去る。


『「このチート野郎がよぉ!!!」』


その余りの理不尽に俺は龍へ飛び掛り、その刃を突き立てる、なァ俺!彼奴狡いよな!


『どの口が言いやがる』

「「「……」」」


俺の言葉に霧の龍が物凄く怒りを含めてそんな言葉を言うように鳴く……その龍へ3人は何とも言えない視線を向けるのだった…。



●○●○●○


「ゴッハァァァッ!?」

「ギャアァァァッ!?」

「ナムサーンッ!!!」


――ズォォッ――


「「「グアァァァッ!?!?!?」」」

「残念ソレは本体だ!」

「たかが本体が殺られただけだ!」

「「「――ナンチャッテ☆」」」


――何だコイツは?――


己の内に有り余る怒りと不快感、そして困惑が支配する…目の前に現れた何百何千の同じ悪魔が煩わしい戯言を宣いながら、笑いながら死に、その屍肉を踏み、押し退け、引き裂きながら同じ悪魔がその剣を突き立てる。


――喧しい――


騒ぐ悪魔のその声が。


――鬱陶しい――


己へ浅傷を付けてくる奴らが。


――不愉快だ――


幾ら倒しても変わらないその笑みが。


――気持ち悪い――


ただただ不愉快だ、コレは本当に生き物なのかとすら考えてしまう…。


「『――無論生命だ、生き物と言う括りに存在しているとも』」


ふと、死体となったソレの口が動く……違う、生き物で有るはずが無い。


斯様な生命が有って堪るか。


苛立ちに息吹を撃つ、手足を振るい尾を回し、その屍肉共を芥の如く蹴散らしてゆく……。


「『生き物で有るが故にソレを求める、俺は、俺達は求める、魂が求める、己へ足りない物を…もっと…もっとと…故知恵ある獣はソレを欲と言う…そして欲故にお前は忌避する…己の常識を崩したくないと言う本能の生存欲故に……狂いたくないと、な?』」


――黙れ――


「――どうした龍!――随分と動揺してるみたいだなァ!?」


――ドゴォッ――


その声と同時に、己の意識を取り戻す……死体は気色の悪い笑みのまま死に絶え、己の顎を殴り上げる拳の痛みが思考の靄を取り除く…。


……今までの事が嘘だったと言う様に、男はその目に殺意を乗せて襲い来る、男だけでは無い、その大地を踏む二人と空を舞うもう一人も、その目に戦意と殺意を乗せて此方へ来る……。


――今は忘れろ、目の前の塵を殺せ――





やがてその困惑は殺意と戦意に溶け消え……龍はその牙を剝いて数千と3人へその暴威を見舞った……。

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