三つ巴
どうも皆様泥陀羅没地にございます。
最近凄く執筆意欲が湧き出て作者自身驚いています。
そのうち反動が来そうで凄く怖い。
――グニョニョッ――
「ウワッ!?何か出て来た!?」
「ッ―――?((゜д゜)?)」
ロックドロアの広場で、眠る様に横に成っている男の前を数人の男が囲んでいた。
「………(( ´∀`)・・・)」
男の影から這い出てきたソレは、暫し沈黙し、思考していた。
直ぐ側には眠る主、その周りには見知らぬ集団…即ち…〝敵〟
「ッ!(( ゜д゜)ハッ!)ッ―――!((# ゜Д゜)!)」
そして、間の悪い事に彼等の顔は…マイルドな表現をすれば悪人よりだった。
「どぅぇぇ!?何かやばくね!?」
「ちょちょちょッ、ちょい待ちちょい待ち!別に何か悪さしに来た訳じゃ無いんですよ!」
彼等の首に迫った黒い刃が彼等を刎ねるギリギリで刃が止まる。
「俺達〝プロフェスさん〟の使い走りっす!」
「((# ゜Д゜)・・・)」
「ほら、さっき出逢ったでしょ!あの眼鏡の人!」
「(( ゜д゜)ハッ!)」
男の必死の弁明に影の刃が消える。
「ッ――♪((-ω☆))」
「ふ、ふぅ……取り敢えず、君の御主人様を案内しろって言われていて…起こせる?」
「ッ―!(( ̄ー ̄)b)」
――チョイチョイッ――
そう言うと黒い影はその黒い触手でソロモンを揺すり始める。
「……ん、ん?……どうしたんだテラー……っとコレは…」
それから少しして、男の瞼が開いた。
●○●○●○
「ふぅむ……一度御昼を済ませていれば見知らぬ人物に囲われていたこの状況…君達は私の寝込みを襲おうとしていたのかな?」
「ち、違いますよ、俺はノーマルっすよ!?」
「ハッハッハッ、流石に冗談だ……大方プロフェス辺りの人間だろう?…大体分かったから、案内してくれ――おっと」
――ガクッ――
ベンチから立ち上がり、一歩歩こうとした瞬間、膝が崩れる……魔力消費による疲労と、能力上昇から来る肉体感覚のリバースだ。
「凄いねコレは身体が重い……〝テラー〟」
「((`・ω・´)ゞ!)」
このままではおちおち歩けやしないので、テラーで急拵えの杖を創る。
「さぁ行こうか、案内してくれ」
少しのハプニングは有ったが、我々は彼等に連れられプロフェス等の元へ向かった。
〜〜〜〜〜
――ガチャッ――
「ボス、連れてきました!」
「やぁやぁ、さっきはどうも…リリー達も、救援要請を出してくれて助かったよ」
ロックドロアの端に存在するプロフェス等の拠点、その会議室で、リリー達と合流する…彼女達のお陰で〝骸〟が奪われずに済んだ。
「やぁソロモン、病み上がりで悪いが、手早く情報共有と行こうか、キリキリ吐いてくれると助かるよ」
「私の尋問は確定なのか……まぁ良いよ…あぁ、あのパンケーキは結構だ」
「む?そうか?…結構な自信作だったのだが…」
「皿がカタカタと動いている時点で失敗だろう……それで?…何が聞きたいのかな…といっても一つか」
「うむ、君のあの異様についてだ…君は〝骸〟に何をした?」
「まぁ、それは実物を見てもらった方が早いね……〝テラー〟」
プロフェスの問いに、俺はこの子に呼び掛ける、机に掛けられた杖が動き、其処から黒い〝影の塊〟が机へ着地する。
「―――ッ!(( ・`д・´)ドヤッ)」
「この子は〝テラー〟……私が〝骸の腕〟を使って創り出した特殊な〝召喚獣〟であり、私の切り札の一つだよ」
「ほぉ、コレはコレは、私のパンケーキに似ているね…」
「失礼な、この子の方がまだ愛嬌が有る」
「君の方こそ失礼だねぇ!?」
((((どっちもどっちでは?))))
プロフェスとの下らないお遊びを取り止め、本題に入る。
「それで、此処に呼ばれた理由は?」
「あぁ、それはもう少し……いや、〝もう直ぐ〟揃うから、少し待っていてくれ」
「……嗚呼、そういうね」
――バンッ――
「応、プロフェス、アーサー来たぜ!…後は知らんが、最近有名になってきた〝特異点〟の連中か?」
大きな扉を開け放ち、先頭にダルカン、そしてその背後に名だたる守護者の面々が集合する。
「へ?〝特異点〟?」
そして、登場早々に吐き出された妙な言葉にリリーが聞き返す、するとダルカンはしらねぇの?と言うような顔でリリーを見る。
「そうだ、円卓騎士団の〝円卓〟、真理の開拓者の〝真理〟、そして俺等オケアノスの〝勇猛〟…有名な奴が率いるパーティーにつけられるパーティー名だ」
「へぇ〜……って、私達もですか!?」
「そりゃそうだろ嬢ちゃん、たった一ヶ月其処らで獣災の大部分を処理してんだ、嫌でも有名になるさ」
「んで、招集が来たから飛んで来た訳だが…何か有ったのか?」
「そういう事だ、早速席についてくれ、このイベントはかなり長くなると予想される」
プロフェスの言葉に全員が席に座る…ん?
「((((;゜Д゜))))」
「おいで〝テラー〟」
「――さて!…君達を招集した理由だが、先程も公言した通り、このイベントがかなり長く、そして複雑な要素が込められて居るからだ」
「?…ドユコト?」
プロフェスの言葉に、テストとダルカンが首を傾げ、他の面々も訝しむ…唯一アーサーだけはプロフェスの言葉に動じない……む?
「……何かなプロフェス?」
「それではソロモン、何故この結論へ至ったのかを教えてくれるかい?」
……ん?
「私が?」
「うん」
「何故?」
「君も理解しているだろう?」
「まぁ…」
「じゃあ宜しく」
そう言うと、皆の視線が俺へ向く……何て奴だプロフェスめ、何の前触れも無く生徒を選ぶ先生みたいな真似しやがって…。
「ハァ……その結論へ至ったのは、先程現れた、〝ハデスの眷属〟以外の敵対勢力の台頭…だろう?」
「うむ…続けて」
俺の言葉に、数人が納得した様に頷く。
「先ずイベントの起こりは〝腕〟の捜索だ…とは言っても始まりの原因は私だが…兎も角、始まりは〝ハデスの四肢〟の捜索から始まった訳だ」
四方八方に散らばったハデスの四肢の回収、それだけならば単なる〝宝探し〟の様な物だ。
「問題は、この〝四肢〟が全て何者かの手に渡った状態だ…その時、このイベントは激変する…〝宝探し〟から〝争奪戦〟へ」
よし、大多数が理解したな。
「長期戦になると言う結論はそこに有る、当然だな、私達はハデスを〝封印〟するべく動き、ハデスの眷属等はハデスの復活の為に四肢を回収する……これだけなら一対一の勢力で済んだが、先程プロフェスが言った通り、〝第三勢力〟…ハデスの四肢を新たに付け狙う存在が現れた」
「その第三勢力の狙いは?」
「〝ハデスの四肢の兵器運用〟…ハデスの四肢は強力な瘴気を帯びた破壊不可能な〝呪物〟だ、裏の連中からすればリスク以上にリターンを得られる物と言う訳だ…なんせハデスの四肢が他者に害を加える事は出来ないんだからね」
「ありがとうソロモン……つまり、現在、このイベントには、〝ハデスの封印〟を目指す勢力と、〝ハデスの復活〟を目論む勢力、そして〝ハデスの兵器利用〟を目論む勢力の三つ巴に有る訳だ」
プロフェスの言葉が会議場に響き渡る。
「それを念頭に置いた上で、我々は幾つか計画を練らねばならない」
そうして、プロフェス主導の作戦会議は始まった。
「―――Zzz((。-ω-)zzz)」




