表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

66/115

65.本当の意味で、パーティーレベル・ランクアップ! そしてお金大事!

65話目です。


ではどうぞ。


「あっ、【マナスポット】の……」



 ソルアが思わずといったように声に出した。

 


「そうそう。久代さん達にヒントをもらって行った、新聞の販売店。あそこの【施設】のことだと思う」


「あっ、あそこね」



 そこまで話すと、流石にアトリもピンときたようだった。


 水間さんが“情報 下”を。

 俺が“情報 中”と“情報 上”を買った。


 そして水間さんがパーティーに加入したことで、事後的に“パーティーで買占めに成功した状態”が作り出されたのだ。



「えーっと……?」



 だが当の本人、水間さんだけは未だ状況が呑み込めていない様子。

 俺が【施設 酒場】で“情報”を二つ買ったんだと言って初めて納得した表情になった。



「あ~! すいません……あたし、実際に行ったわけじゃないから、“どこの【施設】”の“何”を買ったか、中々整理できてなくて」



 そうして水間さんは、まるでこれまでの悪行を白状するかのように恐る恐る話し出す。



「――あの、あたし。【商人】ってジョブを持ってて。それで【買付け】のスキルで、その【施設】にいなくても商品を購入できるんです」



 そこまで一気に言い切ると、俺たちの反応を待つように俯く。


 俺たちからどう思われるか知るのが怖いみたいに。

 あるいは非難されるのではないかと恐れるみたいに。



 なら俺はどうするべきか―― 



「……そっか。なるほど、納得だ。――で、じゃあ“選択報酬”どうしようか?」



 それだけ言って、早々に別の話題へと移った。


 ……まだ、中学生だもんなぁ。

 他人からどう思われるか、そうした恐怖心や不安に特に敏感な年頃だろう。

 

 こういうのは案外周りは気にしてないんだよと。

 教えてあげるのも先に生まれた者の務めだろう。

 


「えっ!? あっ、あの、お兄さん!? そ、それだけ、ですか?」


「それだけ……だけど?」

    


 だが当の本人、水間さんがそれでは納得いかない様子だった。

    


「水間さんが何を言われると思ってたのかは知らないけど。――そもそもさ。正直そこまでの驚きはなかったから」



 俺たちがそれぞれ、相手の情報を読み取れる能力持ちだってことは、既に話してあった。


【スキル盗賊団】なり【鑑定】なり、あるいは【読心術(テレパス)】などなど。

 あるいはファムの感覚共有もその一つに入るかもしれない。


 だから、覚悟完了形で話してもらって申し訳ないが、こっちもこっちで心の準備はできていた。


 

「それに【異世界ゲーム】でゲットした能力を使って、頑張ってただけだろ? 褒められこそすれ、責められるようなことじゃない。……水間さんがさっき、俺に言ってくれたように」



 ソルアやアトリの存在をズルや卑怯なことだと言わず、そのまま肯定してくれた。

 あれのおかげで、心が少し軽くなった。


 だから、水間さんがもし自分の能力に負い目を感じているのなら、俺も肯定してあげたい。

 お互い様だしね、こういのは。



「そうそう。気楽に行きましょう。……ただ、エロ発言は慎むように」


「フフッ。よろしくね、(かなで)ちゃん」


 

 久代さんと来宮さんからも改めて歓迎ムードが作り出された。

 


「あっ――はい。あの、その、あ、ありがとうございます! 皆さん。改めて、よろしくお願いします!」     



 ゲームのシステムとして【パーティー】になったのはついさっきだが。

 本当の意味で俺たちが【パーティー】になれたのは今なんだと、お互いにその認識を共有できた瞬間だった。



□◆□◆ ◇■◇■  ■◇■◇ ◆□◆□

   


<――選択報酬 ②全メンバー:100パーティーポイント獲得 に決定しますか?>



 話し合った末、選択報酬はIsekaiではなくパーティーポイントにすることに。


 リーダーを務める俺が1体モンスターを倒せば、大体8ポイントが入ってくる。

 つまり12,13体分のポイントがゲットできる計算だ。



<――パーティーポイントを100P獲得しました ※リーダーを務めているため、獲得ポイントが130Pになります>



 うぉっ、そ、そうなるのか。

 いや、多めにもらえるならそれに越したことはないけど……。

 


<パーティーレベルアップ! ――Lv.6→Lv.7になりました。 詳細:パーティー加入時 全パーティーメンバーMP+1 魔力+1 容量(キャパシティー)+1>  


<パーティーレベルアップ! ――Lv.7→Lv.8になりました。 詳細:パーティー加入時 全パーティーメンバーMP+1 魔力+1 容量(キャパシティー)+1>  

  


 さっきのモンキーゴブリンたちで上がったばかりだったが、一度で2レベルも上がってくれた。

 やはり130P一気にゲットは伊達じゃない。



「あっ、私、レベルが6になった」


「私もです! レベル4と5は飛び越えちゃいました!」



 他の3人は1体につき5ポイント。

 そうすると20体分倒したことになる。

 

 久代さんと来宮さんも、大きく成長できたようだ。



「おぉぉ~あたしはレベル1から5に! なんかゲームで雑魚い仲間を寄生させてレベリングしてるみたい。……すいません、雑魚い仲間Aで」



 適切な例えが浮かんだと口に出したはいいが、それが自分で自分を指していると分かり……。

 水間さんは余計にダメージを受けていた。


 ……いや、そりゃ加入したては誰だろうとそうなってたって。 



<パーティーランクアップ! ――F-ランク→Fランクになりました。 詳細:パーティー内で1日1回 火魔法Lv.1スクロール 使用可能>  


<パーティーランクアップ! ――Fランク→F+ランクになりました。 詳細:パーティー内で1日1回 水魔法Lv.1スクロール 使用可能>  



 おっ、一気に2ランク分も上がったか。

   


<新たなメールを受信しました。新着メール:2件>



 早速、届いたばかりのメールを開封した。

 

□◆□◆ ◇■◇■  ■◇■◇ ◆□◆□


=====


19 差出人:【異世界ゲーム】運営


件名:ワールドクエスト“一番最初にパーティーランクF到達”のクリア報酬贈呈



おめでとうございます。

【異世界ゲーム】開始後、一番最初にパーティーランクがFに到達されました。


クエストのクリア報酬を贈呈します。

ゲームでの生き残りにご活用ください。



選択報酬:

①1000Isekai 

OR

②1レベルアップ


=====


=====


20 差出人:【異世界ゲーム】運営


件名:ワールドクエスト“一番最初にパーティーランクF+到達”のクリア報酬贈呈



おめでとうございます。

【異世界ゲーム】開始後、一番最初にパーティーランクがF+に到達されました。


クエストのクリア報酬を贈呈します。

ゲームでの生き残りにご活用ください。



選択報酬:

①1000Isekai 

OR

②1レベルアップ


=====



「うわっ、エグッ」


 

 同じ内容のメールが来ただろう水間さんは、その中身を読んで若干引き気味だった。



「ちょお待ってんか! もうチートや、チーターやろ、こんなん!」

 


 いや水間さん、君は何を言ってんの?

 本当に中学生? 

 


「これは全員一致じゃなくてもいい奴だから。水間さんも、好きなのを選んで問題ないわよ」


「あっ、はい」



 久代さんに促され、水間さんは戸惑いながらもちゃんと頷いていた。

 ……皆、久代さんにはやっぱり弱いよねぇ。



 俺はどっちもIsekaiを。

 3人はそれぞれ無難に1レベルアップと1000Isekaiを一つずつ選んだようだ。



「ふへっ、ふへへ……」


 

 7995Isekai。

 つまり当初に目標としていた4000Isekaiの約2倍。

 

 笑いも漏れるというものだ。



「……ソルアお姉さん、アトリお姉さん。お兄さんって、エロ方面には全然興味なさそうなのに、お金が手に入るとわかりやすいくらい嬉しそうですね」


「……そうなんです。私も、もう少し、その、女性の方に興味を持っていただけたら、嬉しいのですが」


「本当。女体よりもお金に目が行っちゃうなんて、何だか凄く悔しいわ。……マスター、絶対にわからせてあげるんだから!」



 おーい、聞こえてるぞー。

 普通に毎日、というか今もドキドキと緊張感で一杯ですけどね。


 こんな美少女と四六時中、離れず一緒にいる経験なんて今までなかったから。

 だが彼女たちからはそう思われてないようだ。


 クッ。


 

 ――急募!!


 今度のイベントでは主人と同類か、主人のボッチな気持ちを分かってくれる子を求めています!  やる気のない子は是非、この職場で一緒に俺とグダろう!

 


 そんな心の張り紙で気を紛らわせつつ。

 今のレベルアップが反映されているだろう【パーティー】画面へと現実逃避するのだった。

  


[【パーティー】]



●生存者ネーム:TOKI


●パーティーLv.8


●パーティー申請


●パーティーメンバー:


 ①TOKI:リーダー 

→パーティーLv.8  

 全メンバー:MP+7 魔力+7 容量+7

 

 ②CLEAR CASTLE:メンバー 

→パーティーLv.6

 全メンバー:筋力+5

 

 ③Spring Nuts:メンバー  

→パーティーLv.6

 全メンバー:敏捷+5


 ④SOMA:メンバー

→パーティーLv.5

 全メンバー:施設利用券700Isekai分(100+150+200+250)

 (TOKI残額:700/700)  


 計:4/4

 

●パーティーランク:F+(New!)





 ――そして、とうとう3日目の昼12時を迎えようとしていたのだった。  


パーティーレベルがまた上がったから、ステータスの方にも反映する作業、後であるんだろうなぁ……(絶望)


そしてイベントの時が近いということは、ガチャが近いということ。

それ即ち、ステータスが更新される時もまた近いということで……(白目)


……とりあえず明日以降の自分に任せて、今の私は知らぬフリして寝ることにしますね!

うん、ボク、知ぃ~らない!(5歳児)


日間ランキングも14位と変動激しく、今後も大変そうですね。

ただそんな中でも嬉しい感想をいただけたり、いいねやブックマーク・評価をいただけたり。

それらが日々の執筆でとても励みになっております。


今後も是非、ブックマークや広告の下にある★★★★★のボタンの方、していただけますと大変嬉しく、とても大きなモチベーションになります。


よろしくお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[気になる点] 1日終わるタイミングとかで良いと思うので全パーティーメンバーのステータスが見られると嬉しいなと思いました。 [一言] 12時からのワールドクエストに向け炭酸水をどうやって調達するのか…
[一言] ぜひ、わからせて差し上げなさい。
[一言] これって後からパーティーに入っても冒険者ライセンスってもらえるんですかね?
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ