82 ごめん
次の日からも、リリムさんからの嫌がらせはほとんどなかった。
たまに嫌みを言ってきたが、それでも以前よりはマシになっていた。
私たちは、部活に出て休みの日は休んでの生活を繰り返した。
そして、夏休み最後の部活。
私がお手洗いで席を外している間にリリムさんが部室にきたみたいで、部室に入る姿が廊下から見えた。
私も部室に入ろうとしたが、何やら声が聞こえたので入るのを躊躇ってしまう。
「その……去年はごめん」
「え? すみません、よく聞こえませんでしたわ」
「うるさい! ただの独り言だよ! 今日はもう帰る!」
その声と主に部室の扉が勢い良く開かれた。
もちろん扉を開けたら部室に入るタイミングを失った私がいるわけで。
リリムさんと目があって気まずい雰囲気が流れる。
「……あ、あはははは」
「……いつから聴いてたの?」
「多分最初から……」
そういうとリリムさんは黙ってどこかに走って行ってしまった。
……隠れた方が良かったのかな……?
でも近くに隠れられそうな場所ないし……
私がこうしてモヤモヤしている中、部室には何がなんだか分からずに困惑しているソフィアさんの姿があった。
ここまで読んでいただきありがとうございます!
次回も楽しみに!!




