番外編4 ソフィアさん誕生日記念
2月27日はソフィアさんの誕生日です。
と、言うわけで誕生日記念の話です。
※ソフィアさん視点の話です。
「あ……」
私は寝起き早々そんな声をこぼした。
今日は私の誕生日なのでフィルさんにも祝ってもらえると思っていたのですが……私の誕生日、伝えて忘れてましたわ……。
……仕方がありません。今年の誕生日は諦めますわ。
いつも通りフィルさんが作ってくれた朝食を食べ、登校し、授業を受ける。
チラッと横を見ると集中してノートをとっているフィルさんの姿が目に入る。
……本当はフィルさんにも祝って欲しかったですわ。
そう思い、私は再び視線を教卓へと向けた。
「これで今日の授業は終わりです。皆さんしっかりと復習をしておくように」
先生の声で多数の生徒が立ち上がり帰宅したり部活に向かったりしている。
私も部活に行かないと……そう思い歩き始めた。
「あ、ソフィア」
私が部室に入るとシャーロットさんの姿があった。
しかしフィルさんとティーナさんの姿がない。
「あの……お二人は…?」
「フィルとティーナなら用事があるから今日は休むって」
「そう、ですか。私も今日は休みますわ。すみません……」
「ん、大丈夫だよ。それとソフィア、また後で」
「?ええ、わかりましたわ……?」
……また後で、の意味がわからないまま、私は部室を後にした。
自分のプレゼントに何か買おうかな。
そう思って本屋へと向かう……が、そんな気分にもなれずに自室へと足を向ける。
せめて……せめて1人だけでもいいからおめでとう、って言って欲しかったですわ。
「ただいま……」
そう言って家の扉を開ける。
そこにはいつもと違って装飾された部屋があった……が、床にはまだ装飾物が転がっている。
そしてそれを慌てて隠すフィルさんとティーナさん、そしていつも通りぼーっとしているシャーロットさんの姿が目に入る。
「えーっと、これは?」
「……間に合わなかったかぁ」
「シャーロット、時間稼いでって言ったよね」
「うん、稼いだよ。1分くらい」
「少ないよ!」
あれ、これってどう言う状況?
私はふと目に入った文字を眺める。
《happy birthday ソフィアさん》……え、これ私の誕生日祝い?
う、嬉しい…!
「間に合わなくてカッコ悪いかもしれないけど……誕生日おめでとう、ソフィアさん」
「おめでとう」
「おめでとう、ソフィア」
皆さんにそう言われる。
「ありがとうございますわ」
その後私は三人の友人に囲まれてケーキを食べたり、プレゼントを受け取ったりして最高に楽しい時間を過ごしましたわ。
後から聞いた話だけど、フィルさん、私の誕生日が今日だって昨日聞いて慌てて準備したそうですわ。
私はその時、どんな顔をしていたのかわかりませんが……多分、今年で1番いい笑顔をしていたと思いますわ。
ソフィアさん、誕生日おめでとう。
よければ皆さんも祝ってください♪




