表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/8

~入学式~

話は少し飛んで、学園の中等部に入学する話です!

時間の流れとは速いもので、もう学園に入学する年になった。


「ヴァレンティーナ様、起きてください」

私は、オリアナの起こす声で目が覚めた。

今日はビビアント学園の入学式。

前世でいう中学校の入学式だ。

入学するちょっと前に、家庭教師の先生に終わったのは、この学園の仕組みについて。


ここ、ローヴァン王国では、貴族の子供たちは、ビビアント学園に行くことになっている。

中等部と高等部があり、中等部は13才からで、

高等部は16才からだ。

貴族の子供たちは、高等部は、義務づけられているが、私が通い始める中等部は別に行かなくてもいい。

貴族は、たいてい家庭教師を雇っているからね。

ちなみに、高等部は貴族でなくても、何かに秀でていて、国の許可を貰えれば、通うことができる。

オリアナも許可をもらって、今は15才だから、来年には高等部に進学できる。

設定忘れそうだけど、乙女ゲームのヒロインも私が高等部に入学するとき、同時に入ってくるはずだ。

そういえば、攻略対象の人が誰だかわからない。

いや、まあカーティス様は絶対だろうけど…。

自分で考えておいて、落ち込んでしまう。

とにかく、なんとかなるようにしないと…

「はやく支度を整えてください!」

考えようとしたところで、オリアナの雷が落ちた。

怖い…。

「わかりましたっ!」

「はあ、もう…。時間がないので、これは移動中に食べて下さい」

オリアナから、バスケットを渡される。

「これって、サンドウィッチ?」

「よくわかりましたね」

食いしん坊だな、と呆れた顔をされてしまう。

流石に匂いでわかったんじゃなくて、籠に入っているのと、軽さでわかったんだからね。

急いで玄関に向かい、馬車に乗る。

王都の中心地から少し離れたところにあるので、数10分で着く。

楽でいいね~。

今日の入学式は、前世の場合は、保護者同伴だけど、ローヴァン王国は、入学する生徒とその使用人だけ。

まあ、入学式といっても、軽く学園のことについて、説明されて、あとは資料をご覧下さいみたいな感じ。

その後は、普通にパーティーをする。

終わったら、寮があるから、入る人は、部屋に行って、制服に着替える。

寮に入らない人は、家に帰宅するみたい。

ちなみに私は、寮に入る。

そういえば、攻略対象のことだけど、カーティス様は絶対そうだろうし、他に思いつくのは、シル…シルヴェスターかな。

あと、この国には、第二王子、第三王子もいるから、多分そうなんだろう。

でも、問題なのが、第二王子のダニエル様は側妃の子で、第三王子のウィリアム様は、カーティス様と同じく、正妃の子で、どっちも同い年であること。

二人には、王宮に行ったときに、会ってるんだけど、なんかめんどくさそうな性格してた…。

失礼だけど。

考え事をしていると、着いたので、馬車から降りる。

周りにはたくさんの人がいて、立っているだけでも、気疲れする。

「えーと、中等部と高等部は授業を受ける校舎は別々。渡り廊下で繋がっているようです。入学式があるのは、体育館。これは、学園で一つだけで、そのあとのパーティー会場も一つしかないそうです。ちなみに、奥にある寮は、隣接してはいるものの、男女で分かれているそうです。」

オリアナがパンフレット的なものを見て行った。

「へえー」

「体育館はこっちです。ちゃんと着いてきて下さいね。終わったら、寮の部屋で待っているので。ちなみに、ヴァレンティーナ様のクラスはC組だそうです」

「わかったわ」

周りの目があるので、ちゃんとお嬢様言葉を使った。

めちゃくちゃ面倒だ。



「…えー、最後にー。皆さんは本校の生徒として、

誇りを持ち、学園の恥にならないように行動を心がけて下さい。以上で終わります。起立!礼!」

ハゲた校長の長い話が終わり、次はパーティー会場に行く。

皆、席を立ってぞろぞろと向かっている。

私も行くかー。



パーティーが始まった。

といっても、先ほどから、たくさんの人に話しかけられている。

すごい疲れるな…。

「ヴァレンティーナ様。お久しぶりです」

「あ、ウィリアム様。お久しぶりです」

「少々、お話をしたいのですが、よろしいですか?」

「はい、勿論」

第三王子のウィリアム様が来たので、話をしていた人に挨拶をして、その場を去る。

ウィリアム様に着いていくと、庭に出た。

「はあ…」

ため息を吐いたきり、話をしないので、沈黙が場を支配する。

「あの…」

「だるいわー」

「え?」

あまりにも気の抜けた返事に困惑する。

「疲れないの?」

「えー…」

「めんどくさくない?」

「えー…」

マイペース過ぎて、話に乗れない。

最初に会ったときですら、こんな感じだった。

一方的に話されるだけなので、ある意味面倒なのだ。

「ヴァレンティーナって名前、長いじゃん」

「あー、まあそうですね。両親につけてもらいましたので、気に入ってはいますけれど」

なんだ、名前の話かー。

「だから、ティーナって呼んでもいい?俺のことはウィルでいいから。あと、敬語も面倒だし、まあ、いつも通りで」

「は、はい…。じゃあ、ウィル…?」

「これから仲よくしような、ティーナ」

二人で握手をかわす。

何故かわからないけど、仲良くなった…?

「あれ、ヴァレンティーナ?」

「あ、シルだ。久しぶりー」

植物の影から出てきたのはシルだった。

隣にウィルがいたので、驚いたようだ。

「今取り込み中だったかな」

「別にたいしたことないよ」

「レンティーヌ公爵家のシルヴェスター様ですよね」

「はい、第三王子殿下。名を覚えてくれて下さり、光栄です」

「堅苦しい挨拶は、不得意でして。ティーナ同様仲良くしたいなと」 

「ええ、是非」

「じゃ、シルって呼ばせてもらうから、俺のことはウィルで。普段通りに話していいから」

「では、ウィル。よろしくお願いします」

「こっちこそ、よろしくな!」

何でか息ぴったり、ハイタッチをしていた。

にしても、敬語から、雑な話し方への切り替え方が速いな…。

「そういえば二人は何組だったのか?」

ウィルに尋ねられる。

「私はC組だったよ」

「僕は、B組」

「へー。俺はティーナと同じでC組だったんだ」

「一緒で良かった。でも、シルとは離れちゃうのか~」

「残念なことにね」

「まあ、仕方ないな」

私の学年はA組からE組までの、5クラスがある。

クラスが多いから、知り合いと一緒になれただけでも、運が良いのかな。

「僕はそろそろ中に戻るけど、二人はどうする?」

「俺らは、終わるまでここにいるよ」

「そっか。じゃあ、またね」

シルは私達に別れを告げると、体育館に入って行った。

「ていうより、何でシルはなんで庭なんかに来たんだ?」

「モテるからじゃない?あれだけ外見が良いんだし」

「お互い大変だなー。俺もいろんな奴に話しかけられるし」

「あんたの場合、見た目がどうこうって問題じゃないでしょ」

「ひどいなー」

ウィルと他愛ない話をしているうちに、パーティーは終わった。



シルヴェスター・レンティーヌ

→レンティーヌ公爵令息・銀髪・碧眼・美形・

 愛称はシル


ウィリアム・ローヴァン

→ローヴァン王国の第三王子・黒髪・青い眼・

 カーティスとダニエルの弟・マイペース・

 愛称はウィル

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ