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~王子様と初対面~

二話目も読んで下さってありがとうございます!

この話の前半と後半とでちょっとヴァレンティーナの話し方が違うかもしれません。

すみません(^_^;)

「ティー、ここが王宮だよ」

遂に面会の日がやって来て、私はお父様とオリアナに連れられて、王宮へ来ていた。

「うわあー…凄い豪華ですね」

王宮は想像以上に豪華だった。

騎士さん達が警備をしている目の前の正門は、金と銀でできていて、彫刻も施されている。

城の外壁はといえば、建築されてから、幾年もの時が経っている筈なのに、白くて綺麗。

それに、所々に金がある。

「グランメル公爵、グランメル公爵令嬢ですね。ようこそおいで下さいました。殿下は応接室にいるので、ご案内させて頂きます」

声をかけられた方に振り向けば、私より少し年上の少年が立っていた。

名前はセインでお兄様と同い年らしく、平民だけれど、殿下の従者をしているよう。

「本当に広いんですわね」

「ああ。広くて迷子になるといけないから、今度案内するよ」

心の中で思ったことを口にしてしまったらしく、お父様がこの言葉に反応した。

有難いけれど、大方分かるので案内してもらう必要はない。

何故なら、少し行く前に調べておいたからだ。

確か、今向かっている応接室。

その他にも、会議室や遊戯室等は、場所が分かりにくく、複雑。

けれど、王様と公式に会うことが出来る謁見の間は、正門から真っ直ぐに進めば行くことが出来る。

ちなみに、王族の人達が主に暮らしているのは、王宮の奥で、使用人が住む別の建物と騎士団の鍛錬場は正門から見て左側。

使用人が主に通る裏門もそこに近い。

王宮の右側は、王家主催のパーティーが開かれる際に使用されるダンスホールや、疲れた人の為の仮眠室がある。

ガチャッ

そうこうしている内に応接室に着いたようで、セインがドアを開けてくれた。

中には王様に正妃様、王太子様がいる。

「うわあー、貴女がヴァレンティーナちゃんね。レベッカに似て可愛いわぁ」

開口一番、強烈だったのが、王妃様だ。

思っていたのと違う…。

呆然としそうになったけれど、その一歩手前で淑女の礼を返す。

「ヴァレンティーナ・グランメルです。国王陛下、王妃様、王太子殿下。お会いできて、光栄です」

そう言い、にっこりと笑顔を作る。 

そうしたら結構気にいれられたみたい。

「凄いわ、こいつの子供とは思えない。礼儀も愛想もあるなんて」

指を差されたお父様は今までみたことが無いくらい、顔がひきつっていた。

今にも怒りそうだったけれど、流石に相手が王妃様だったからか、寸前で止めている。 

「カーティス・ローヴァンです。ヴァレンティーナ嬢、こちらこそお会いでき光栄です。グランメル公爵から聞いていた以上に愛らしく、見惚れてしまいました」

王太子様が来て微笑みながら、私の手の甲にキスを落とす。

ちょっと…いや、かなり恥ずかしい。

王太子様はお兄様やニコラス以上に美形で、これぞ王子様って感じ。

キスされたのもあって、余計に顔が熱くなりそう。

「流石、私の息子ね~。一瞬でヴァレンティーナちゃんをメロメロにしちゃったわ」

顔に表れないよう、気をつけたつもりだったけれど、やっぱりバレた。

「…すみません、ヴァレンティーナ嬢。母上は幼女趣味というか、可愛らしい、貴女の様なご令嬢が好きで…」

「いえ、大丈夫ですわ。人それぞれ趣味が違いますし、人の迷惑にならないのであれば、良いと思いますよ」

隣から落胆した声が聞こえて、慌ててフォローする。

それにしても、王妃様がロリコンだったとは…。

驚いた。

「ヴァレンティーナ嬢、カーティス。儂らは、婚約の手続きをしておくから、二人で中庭を見てくると良い。丁度、庭に薔薇が咲いているしな」

勿論だとは思うが、この婚約に異存はないな、という王様の問いに、はい、と頷いて返す。

「それでは行きましょうか」

「はい」

王太子様に手を差し出され、その上に自分の手を重ねる。


「うわあ、綺麗ですね」

綺麗に咲き誇る、薔薇の花を前にして言う。

「貴女の方が可憐で綺麗ですよ」

歯が浮くような台詞を易々と言ってのける、王太子様をつい、ジト目で見てしまう。

「どうかしましたか?」

本人はその訳を知っている筈なのに、知らない振りをする。

このまま、何でもないと答えてもあまり意味は無いよね…。

「あの、王太子殿下」

「カーティスで良いですよ」

「じゃあ、カーティス様」

そう呼び直してから言う。

「失礼ですがその話し方辞めて頂けないでしょうか?」

会話した時から気になっていたことだ。

推測でしか無いけれど、甘い言葉を囁いているのは、わざとだと思う。

「その話し方とは?」

「私のことを可愛いとか言うことですよ」

「私は思ったことを言ったまでですが…」

眉を下げて悲しそうに言われ、言葉に詰まる。

だけれど、流されてはいけない、と言葉を続ける。

「私の憶測でしか有りませんが、それは故意に発言しているでしょう?私の兄と会話するときと同じような普段の話し方でお願いしたいのです」

「ふふっ、貴女はこういう性格ですか。グリフィンが言っていた通りですね」

え?

お兄様、私のことを何て言っていたのかな?

馬鹿とか阿呆だとかだったら、許さない…。

「ヴァレンティーナ嬢が少々変わっていて、興味深い方だと言うことですよ。私は敬語ですけれど、いつも通りに話しているので、貴女も自然体で話してくださって結構です。別に失礼過ぎなければ、怒ることはないのでご安心を」

「はい、わかりました」

…それにしても、お兄様やニコラスが言っていたように、カーティス様は敵にすれば、かなり厄介な人かも。

さっきだって、オリアナは無理だけれど、お父様達ならわからない、私が思っていた感情を簡単にわかったんだもの。

これから大丈夫なのかな…。


将来に不安を感じるヴァレンティーナだった。



これからは、登場したキャラクターのプロフィールを紹介したいと思います!

まずはこの二人です!


ヴァレンティーナ・グランメル

→10歳・藍色の髪に翠眼・ローヴァン王国の宰相の娘で公爵令嬢・頭が良く・意外と運動神経も良い


オリアナ

→ヴァレンティーナの侍女・茶髪に青い眼の美少女・ある伯爵の妾の子・父親は生きているが、母親は既に亡くなっている・祖母と一緒に公爵家に仕えている

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