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~幕開け~

今回が初めての投稿です!

下手だったり、たまに矛盾点があると思いますが、よろしくお願いします。

土日によく更新する予定です。


私はヴァレンティーナ・グランメル公爵令嬢。

今、10歳。でも、精神年齢は13歳です。

今日、私は突然前世の事を思い出した。

私の前世は体が弱く、死ぬまでの13年間、一度も病院から外には出ることが出来なかった。

両親はそれなりに裕福だったけれど、私には見向きもしなかった。

僻みっぽくはなったが、寧ろその方が有り難い。

私の嫌いな人間の特徴は、愚鈍だったり、馬鹿だったりすることだ。

片方だけならまだ良いが、この両方が当てはまる人とは、会話をしたくない。

つまり、私の両親は両方の特徴を持ち合わせていたのです。

私は五歳位から、勉強という趣味(?)を見つけ、取り組み、大学までの殆どの勉強内容を独学で理解した。

その理解した年である13歳で私は死んだ。

最期の数週間は肺が痛くなる程、咳き込み、意識も朦朧と、次第には食事も喉を通らなくなっていったのだ。

死を見届けたのは、担当の医師と看護師だけ。

病院内でも私は何故か疎まれていたし、勿論両親は私には感心が無かったから。

生死の間をさまようっている間、辛かったけれども、その人生に悔いはない。

世の中と比較すると、狭い病院内でも、出来るだけ、自身のやりたいことをして、意思を尊重してきたからだ。

今世はどうしようか、と思案する。

…今世は平和で幸せに暮らしたい。

平和、というのは、今世では難しい。

何故なら、この世界は両親が製作した乙女ゲームと同じで、私は悪役令嬢の可能性が高いからだ。

病院の看護師さん達が話していているのを盗み聞きしていて、そこから推察しただけなので、確信は持てないが。

これは、看護師さん情報だが、悪役令嬢は婚約者である王太子のことが好きだけれど、王太子自身は強引な性格である悪役令嬢に好意を持てなかった。

そんな中、ヒロインと出会い、惹かれ会うが、ヒロインが嫉妬に駆られた悪役令嬢の虐めを受け、距離が開ける。

王子は何とかする為奮闘し、悪役令嬢の悪事の証拠を提示して処刑することができ、後はラブラブ、という王道ハッピーエンドの話だ。

…何でありきたりな物語のゲームが売れるのか、理解出来ない。

ヒロインに虐めをせず、最大限に周囲の人への配慮をすれば、処刑される運命は回避できる筈。 

暫く考えて、その結論に至った。

兎に角、頑張るぞ!

コンコン、とノックの音が響いた。

「入って良いわ…」

「失礼します。旦那様がヴァレンティーナ様にお話があるようで、執務室に早急に来てくださいとのことです」

いつもは焦らない、侍女であるオリアナが、少し、慌てた様子で入ってきた。

この頃のヴァレンティーナはまだ性格が悪くないので、普通に話して平気だ。

「わかったわ。それにしても珍しいね、お父様が早急に、ましてや執務室なんて。何の話かな?」

「それが、旦那様ご自身も少々慌ていたご様子でして」

「そっかぁ~、例えば私の婚約話が上がったとか?取り敢えず、行くわよ」

「はい」


部屋に辿り着けば、お父様が厳しい表情で待っていた。

「ティー、お前に婚約話が来ているんだ」

ティーとは家族での、私の愛称。

というより、さっきの予想、大当たりだね。

「お相手はどなたですか?」

「…王太子殿下だ。どうする?判断はティーに任せるよ」

シナリオ通りだ。

「特に断る理由も無いですし、お受けしたいと思います」

「そうか…」

そう呟いたきり、お父様は暫く黙っていた。

「ぅぅ…、こんな事になるなら、さっさと断れば良かった…。だが、あいつが圧をかけたり、脅してきたり…。王太子の妃になりたい奴なんて、そこらじゅうに居るから、適当に選べば良いのに…」

顔を両手で覆い、唸りながらそう言った。

それにしても、不敬罪で罰せられそうな内容を娘や部屋の中にいる使用人に聞かせるのは、どうかと思う。それに、王太子妃を適当に選べとは…。

お父様はかなり、親バカだ。

「あなた。いつまでも、ウジウジしないっ!ティーは婚約して良いのよね?」

「はい」

「じゃあ、あなたは早く、陛下達に手紙を書かないと。婚約するついでに、顔合わせもした方が良いから、日程も決めなくちゃ」

そう言ったのは、お母様。

話し方からでもわかるとは思うが、かなりさばさばとした男勝りっぽい性格だ。

お父様とは家の中では、正反対。

お母様の後ろには、それぞれ私と二歳差のお兄様のグリフィンと弟のニコラスが立っていた。

お母様とお父様は婚約について、あれこれ話し合っていたので、お兄様とニコラスのところに行く。

「お前…。カーティスなんかと婚約するのか?」

いつも、お母様似で性格が大雑把で乱暴なお兄様が、珍しいことに、眉をへの字にして聞いてくる。

「はい。そうですけれど…」

「マジかよ!あいつ、性格悪いし、結構厄介だぜ。表向きは良いから、素直に嫌ってくる奴より面倒なんだよ。下手な発言をすると、怨念みたいな感じで、忘れずに根に持つし」

「そうだよ、姉さん。あのヒト、用心した方が良いよ。王様と王妃様もだけれど」

ニコラスは8歳児にして、かなり凄い。

勉学の面に関しては、直ぐに言葉を憶えるし、運動神経もそこそこ良い。

それに、ゲームの世界だからだとは思うけれど、かなり可愛い。

流石にブラコンにはならないけど。

「っていうより、お父様といい、お兄様とニコラスも王太子殿下に対して、評価が低いというか、不敬過ぎるのでは?」

「あのヒトにはそんぐらい言いたくなるよ。父上に付いていって、王宮で少し話しただけだけど」

私は王太子殿下には会ったことが無いけれど、ニコラスはあるみたいだ。

一緒に行って少し、見てみたかった。

「良くわかってるなあ、ニコラス。お前は賢いぜ」

お兄様がニコラスの頭を撫で回しながら、言う。

「…このことを聞かれたら、ただで済まされないから、お前ら言うなよ。ティーはどうせ婚約で、顔を合わせるんだろうけど、他の令嬢みたいに、あいつの毒牙にかかるなよ。これは、絶対だからな」

「男の方に合ったことは無いので、絶対は無理ですよ。勿論、易々と引っかかるつもりは無いので、多分大丈夫ですよ」

そう言い、微笑んでみせる。  

うーん、でも男の人にというか、美男子に免疫が無いのでかなり無理がある気がする。

お父様もお兄様もニコラスも、王太子殿下が性格が悪いなどと言っているから、もしかしたら、本当の可能性もある。

だけれど、そこまで念を押す必要性は無いと思う。

「ヴァレンティーナ様、お話はもうないようですし、お部屋に戻りましょうか」

「そうね」

そんな事を考えていたら、オリアナが声をかけてきたので、返事をした。

「そういえば、オリアナって、王太子殿下にお会いしたことあるの?」

「まあ、一応は…。軽く挨拶をしただけですが」

「じゃあ、王宮にも行ったってこと?」

気になった点を質問する。

「はい。数回、行ったことがあります」

「へえ~。いいなー。王宮、楽しみね」

「ヴァレンティーナ様の場合、お菓子の方が楽しみで、そちらが目当てでしょう」

「…」

オリアナの鋭い指摘に言葉が詰まる。

実は、私は食べることが好きなのだ。

特に甘いもので、お菓子やスイーツが。

前世の病院で出されていた食事はそれなりに美味しかったのだけれど、今世は貴族で、王族の次に地位が高いから、最高級の食材で美味しい料理が食べられる。 

天国の様な世界だ。

食べ物目当てではあるけれど、王宮も楽しみだし、王太子殿下に会うのは…。

そこそこ楽しみだ。

談笑している内にいつの間にか部屋の前に来ていたようで、オリアナがドアノブを回して、開けてくれた。

ちゃんと扉が閉まったのを確認してから、口を開く。

「そういえば、お兄様やニコラスが言っていた事って本当?性格が悪いのは浸透性があるけれど」

「お会いしたのは、一度きりでしたから、あまりわかりません。ただ、」

一度、話の途中で言葉を切る。

「あの方は、本気で怒らせてしまうと、命の危険にまで晒されますよ。最悪の場合、苦しみながら死にそうですし。なので、お二人の言っていることは大方正しいと考えるのが普通ですね」

オリアナの言うと、妙に説得力がある。

それに、何時にも増して、顔が真剣だ。

本当に気を付けた方が良いかもしれない。

「じゃあ、お会いするときには、気を引き締めなくちゃ」

独り言の様に呟く。 

「よし、この話は終わり。剣術の練習でもしましょうか。オリアナ、持ってきて」 

手を叩きながら、言う。

剣術は私のちょっとした趣味だ。

読書には敵わないけれど。

武術も好きだけれど、剣術の方が綺麗な戦闘が出来るから良い。

オリアナが侍女になってから、よく練習をしてもらって、かなりの腕前だ。

オリアナから私専用の剣を受け取り、素振りをし、時折オリアナと試合をする。


こうして、ヴァレンティーナは一日を終えた。

すやすやと眠る彼女の横で、オリアナはその場に佇む。

「計画通り、記憶が戻られたようですね。

…今世では貴女様の味方です。この命が尽きるまで貴女様の傍に居ります。ヴァレンティーナ様、いえ玲香様」

玲香、これはヴァレンティーナの前世の名。

その名を自身の侍女が発していたとは、本人は知る由も無いのだった。


最後まで読んで下さってありがとうございます!

婚約者である王太子様がヴァレンティーナと会う場面は次回です。

まだ、8歳という子供の年齢の設定なので、恋愛要素はしばらくはあまり無いと思いますが…。

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