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君が僕が二人が

作者: 蓮雫

やっと、やっと、想いが通じた。

ヘタレな君と意気地なしの私。

こんなにも似てたからなかなか想いを伝えられなかった。

でも、こぼれてしまえばもう止められない。


今日、君と私は恋人になった。



夕暮れ。

長く伸びる影を追いかけるように二人並んで歩く。

それはいつも通りのはずなのに、お互いの関係が変化したためか、少しぎこちない。

視線を泳がす君に、話がまとまらない私。

でも、ふと目が合えば自然と笑みがこぼれる。


「ふはは。なに緊張してるんだろうね?」

「あはは。挙動不審すぎてあやしいから。」


一度空気が緩めば、自ずといつものように話せる。

今日あったこと、明日楽しみなこと、たくさん話しながら帰った。



初々しい時間は長くは続かない。

もともと仲のよかった君と私はあっという間に日常に馴染んだ。

少しの変化は君と二人で帰るときには手を繋ぐことくらい。

あたたかい君の手が私は好きだった。



「ねぇ、今日は少しだけ公園で話していかない?」

なんとなくだけど、一緒にいたかった。

「いいよ。」

君は私をベンチまで導く。


特に話したいことがあったわけではないから自然と二人の間に静寂が訪れる。

ふと、視線を感じて君の方を見た。

日暮れに少し影のある君の顔が私をじっと見ていた。

何の言葉もなく、何の合図もなく、君と私は顔を近づけて口づけを交わした。


おそらく、時間にすると数秒のこの触れ合いが私には永久に感じられた。

そして、あまりに儚くそれは散った。


再びの静寂。

先程とは違い、互いに視線は逸らしていた。

ただ、手を強く握り合った。



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