表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
私の望みはひとつだけ  作者: MIK
待ち望んだ再開
19/21

第十九話

( なあ・・・ )

( そろそろ、気付けよ! )

( お邪魔しまーす )

そっと見上げてジィッと見つめると、嫌そうにしながらも抱き締めている腕の力を緩めてくれた

《いち兄ちゃん、にー兄ちゃん、さん兄ちゃん、久し振り!》

それぞれの顔みながら声をかけると、それぞれ少し驚いたような顔をした

( 分かるんだー )

《 そのままだね! 》

いち兄ちゃんは、つり目に無愛想な口元

にー兄ちゃんは、たれ目なのに眉間に皺があって、表情豊かな口元

さん兄ちゃんは、たれ目でいつも微笑んでいる口元

髪の色も、目の色も同じなのに全く雰囲気の違う整った顔(イケメン)が並んでいた

《 分かりやすくて、迷えなかった! 》

私の言葉に、3人揃って項垂れた

〈 もう、いいだろう? 〉

( はっ? )

( 何言ってるの? )

( 珍しく待ってたのにー )

《 もう少し、話たいな? 》

私の言葉に抱き締めている腕に僅かに力がこもり、悲しそうな顔になったのを見て何故だか嬉しくなった

ちらりと兄ちゃんたちの方を伺うと、完全にいじけてしまったいち兄ちゃんをにー兄ちゃんがなだめ、それをさん兄ちゃんがニヤニヤしながら見ていた

兄ちゃんたちがしばらくこちらを見ないことを確認してから、眉間に皺を寄せ始めてしまった私を抱き締めている人に視線を戻した

思わず緩んだ顔で見上げると、不機嫌そうに細めていた金色の目が驚きに見開かれた

《 ちょっとかがんで? 》

〈 あ、ああ 〉

首を傾げてお願いすると珍しく口ごもったが、すぐにお願いを聞いてくれた

確かこういう時に言う言葉があったのを思い出して声に出してみた

《 愛してる、ずっと一緒にいようね! 》

驚いて固まっている隙に、近づいていた顔に向って伸びをして口付けた

途端に恥ずかしさが込み上げて来て、すぐに離れて顔を隠すために抱き付いた

丁度目の前にいい匂いのする首が見えたので、ついでにすりすりしていると、我に返ったらしく力一杯抱き締められた

〈 先に言われてしまったけれど、俺も愛してる 〉

《 うん! 》

〈 ずっと一緒にいような! 〉

《 うん! 》

( うわあぁぁ! )

( 煩い!男だろっ! )

( 2人とも、泣き過ぎじゃないー? )

いち兄ちゃんの叫び声とにー兄ちゃんの怒鳴り声、さん兄ちゃんののんびりした声が聞こえた気がした

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ