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私の望みはひとつだけ  作者: MIK
別れは、やっぱり突然に
17/21

第十七話

セールの押し殺した鳴き声で目を開くと、意外と近くにセールの泣きそうな顔があって驚いた

セールの周りを温かい色をした光が心配そうに飛び回っていた

その光を良く見ると、細い線が部屋の外に繋がっていた

その光を辿っていくと、ランと良く話している女の人が忙しそうに働いているのが見えた

どうやらその光は女の人のお腹に繋がっているようだ

首を傾げつつ、部屋へ戻るとアズールの腕に抱かれている自分が目に入った

セールがアズールに抱き締められると、心配そうに周りを飛んでいた光がすっと私に近づいて来た

( セールが泣くから何か頂戴? )

《 いいよ 》

( ありがとう! )

光がそっと私に重なった瞬間、すうっと軽くなった気がした

( じゃあね )

《 うん 》

光はそのまま部屋を出て行った

何だか不思議な感じがして自分を見下ろすと、体が無かった

( そっか、死んじゃったのか )

途端にいろんなことが頭の中を駆け巡った

今まで見ていた景色ががらりと変わった


( 来い・・・ )

( 混乱してるかもしれないだろ! )

( それはないだろー )

((( 痛い!! )))

懐かしい声が聞こえたと思ったら、綺麗に揃って聞こえた後静かになった

《 もしかして、お兄ちゃん? 》

〈 お兄ちゃんだ? 〉

( ああ )

( そうだよ! )

( あってるよー )

《 おじいちゃん! 》

〈 誰が、じじぃだ!! 〉

( え、じじぃ? )

( 痛い! )

《 楽しそうだね! 》

((( 楽しくない )))

〈 焦らなくていい、気になること片付けてから上がって来い 〉

《 わかった! 》

〈 待っててやる 〉

《 うん! 》

( 何でこんなじじぃに・・・ )

( 焦らせてる! )

( なんか、かゆいー )

〈 煩い!! 〉

皆とまた会えると思ったらとても嬉しかった

《 気になること? 》

その後は、意外とヘタレな男たちの世話を甲斐甲斐しく焼いた

特にセール・・・、魂レベルでシンザからは逃げられないのにくっつくまで長かった

セールの心の中の黒い滲みのような、セール自身も気付いていない思いに気付いたときは、逆に色を取り返たのはまずかったかなと焦った

《まあ、終わり良ければ総て良し!》

〈 良かったな 〉

ずっと見守っていてくれたのだろう、タイミング良く聞こえた声に向って飛び上がった

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