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私の望みはひとつだけ  作者: MIK
別れは、やっぱり突然に
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第十六話

ふらふらとランに付いて行った結果、物凄く怒られて寂しい思いをしたのは良い思い出になっている

あれから、しばらくは寝床を綺麗にしていたがアズールをランのところに連れて行ってからは行けていなかった

「楽しいことは一杯あるね!」

セールに耳を掴まれた時は痛かったけど!、今はセールもイオも大きくなってそんなことはしないから大丈夫だ

今日も、アズールが帰って来たらランのところへ行くのだろう

「楽しみ」


アズールは学校から帰って来るとやはり、私を抱きかかえて家を出た

「ノラ!兄ちゃん!」

セールの声に顔を上げ、声を上げた

「やっほー!」

アズールがセールを満足そうに見ているのを見ていると、突然、けたたましい音が聞こえた

顔を向けると、自動車が大きな音を立ててセールに向って走って来るのが見えた

恐怖で動けなくなっているセールを助けようとアズールが動いたのを感じて、思い切り腕に噛みついて動きを止めた

すぐにアズールの腕から顔を上げてじっとアズールを見た

動揺して緩んだ腕の中からするりと抜け出し、セールのもとに駆け寄って体当たりした

「ノラ!セール!」

強い衝撃を受けながら遠くからアズールの焦ったような声がした

「ノラ、どこ?ノラ!」

セールとアズールが呼んでいるのが聞こえる、どうやら気を失っていたみたいだ

「ここにいるよー!」

叫んだつもりだったのに聞こえた自分の声は酷く弱弱しかった

ぼんやりと見える視界にアズールとセールが駆け寄って来るのが見えた

「セール、大丈夫?」

呼びかけた声は声にならずに、少し動かしただけの体に激痛が走った

視界は段々と狭くなってくる、セールの匂いが近づいて来たのに気付いて唯一動かせそうな舌を動かした

「良かった」

舐めたセールの手から血の味がしなかったことに安心すると、途端に眠くなって来て目を閉じた

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