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戯れの物語  作者: もち
プロローグ
1/19

世界のあらすじ

人が…街が。

国が…世界が。

そう、全てが核爆発による光に包まれたその日、この世は一度崩壊した。

大地が砕けたわけでも、海が割れたわけでもないが、放射性物質が蔓延する生物の生きていけない過酷な世界など崩壊と同義だろう。

だが、崩壊してからの一週間は絶間なく降り続く大雨により大半の大地が水に沈み、同時に放射性物質の濃度が極端に薄くなったことでなんとか生物の生存が許される環境となった。

何故突然大雨が降ったのか。

何故その大雨で放射性物質の濃度が薄くなったのか。

わかる者などいなかったが、それでも皆心から安堵した。

もっとも人類にとっては非常に苦しいものであることは間違いない。

いつ死ぬかもしれない世界での生活は人々の心を狂わせていき、やがて少ない食料や安全な土地を求めて人々は争い合うようになった。

そんな中、生き残った人間の一部に本の中でしか存在しなかったはずの超常の力が目覚める。

その力は神様からの贈り物だとして「(そう)」と名付けられ、後に放射性物質から身を護るために生まれた抗体であることが判明した。

毒にしかならない要素をすら受け入れることができる人類の誕生である。

それからの環境への適応は凄まじいものがあった。

抗体ができたのは一部の者だけだったが、それ以外の者も再び地上で生活できるよう、大気や大地の浄化を贈により巻き起こす超常現象を用いて活動を開始したのだ。

この活動を始めると小さな小競り合いは徐々に縮小していきやがて全人類が世界の浄化に取り組むようになっていった。

時は流れ、彼らの取り組みは身を結ぶこととなる。

もちろん全世界を浄化などということはできていないが、生活に困らない程度の範囲での浄化の作業、そして再び放射性物質に染まらないよう生活区画への結界を張ることに成功したのだ。

これで、生きていける環境は整った。

だが、世界はそう甘くはなかった。

人類が放射性物質を克服し贈を手に入れた事と同様に、それ以外の生物もまた別の力を手に入れていたのだ。

これもまた本の中にしか存在しなかったはずの空想上の化物、魔物が誕生したのである。

元は純粋な動物であった存在が放射性物質に適応しようと進化の過程を捻じ曲げることでようやく手に入れた生態系。

それらは、人類を憎んでいるかのように襲ってきた。

人類と魔物の戦争の始まりである。

再び時は流れ、時間の経過と共に大地も海も放射性物質は薄れていき、今や完全に浄化されるに至った。

贈という名前も時代に合わせて変わってきた。

初めこそ一部の者にしか宿らなかった力であったが、今となれば宿っていない方がおかしいほどに人類に、生活に浸透してきた為か贈り物の意味合いではなくなってきたのだ。

それらは理を操る力として理力と呼称され、それに対して魔物が持つ力を人と敵対する魔の者の力として魔力と呼称されるようになった。

元は科学の力で成り立っていた世界に訪れた大きな転機。

これからの道筋ははたして…。

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