3月27日(日)私の兄貴がこんなに○○なわけがない!
私、鳴沢穂波は……
ごく普通の中学生、だった。
けど、残念なことに……、過去形にせざるを得ない。
だって私は……、ブラコンに、なってしまったのだから。
彼氏にフラれたショックで家を飛び出した私を、兄貴が追い掛けてきてくれたあの夜から……
私は、ブラコンに目覚めていった。
兄貴の顔が頭から離れなくなったり、兄貴に喜んで欲しくて料理作るようになったり、兄貴と一緒にデートしたくなったり、兄貴が別の女と仲良く話しているのを見て嫉妬するようになったり……
兄貴に恋愛感情を抱きかけている自分と、兄妹同士の恋愛を否定する自分。
そんな自分が受け入れられなくなって、私は兄貴を拒絶した。これ以上優しくしないで、と。
だけど兄貴は……
それでも、私のことを護りたい、と。実の妹に惚れたくない、けどその結果私が兄貴に惚れてしまうことになったら、自分も私に惚れてしまう、と。そうなったら、責任取って私のことを一生幸せにする、と。兄貴はそう言ってくれた。
――本当に、兄貴はどうかしている。よくもこんな恥ずかしい台詞を、堂々と言えたものだ。本当に、バカバカバカ……
でも私は、こんなバカ兄が大好きだ。
まだ、恋愛感情かはわからない。兄妹同士の恋愛を否定する自分は、私の中で未だにどっしり居座っている。けど、兄貴に恋しても別に良いかなという想いは、どんどんと膨らんでいった。
だから私は、「兄貴としては好き」「現状維持、様子見にしよう」と、兄貴に伝えた。兄貴も同意してくれて、とりあえずは兄妹以上恋人未満という関係に落ち着いている。
けどそれは、2人乗りのシーソーが奇跡的に平衡を保っているようなもの。どちらかに「恋愛感情」という重りが乗ったら、あっという間に関係が崩れてしてしまう。
兄貴は、私が兄貴に惚れたら自分も私に惚れてしまう、と言った。私も、兄貴が私に惚れたら、兄貴のことを異性として好きになってしまうに違いない。
どちらかがどちらかに惚れれば、即両想いになる。けど私達は、兄妹同士の恋愛なんて望んではいないんだ。望んではいない、はずなのに……
私が兄貴を想う気持ちは、もうほとんど恋だった。
兄貴に感情を伝えたあの日から、兄貴のことを考えるだけで胸が苦しくなったり、切なくなったりした。だけどそれ以上に、嬉しくなったり、心が踊ったりもした。
暖かな陽射しの中でまどろむような、まったりとした幸福感に包まれていくんだ。
そう。
もうすぐで、言い訳もできないほど完全に恋に堕ちる……、はずだった。
残念と言っていいのか幸いと言っていいのかわからないけど、過去形にせざるを得ない。
……いや、残念って言ったほうが良さそうだ。
だって……
「優香可愛いよ優香! やばい、俺の嫁さん超カーワーイーイー!! 俺が一生幸せにするぜ!! エヘヘヘヘ……」
部屋の外にまで聞こえる声で、ゲームの女の子に話し掛けている、吐き気がするほど心底気持ちの悪い物体……
アレ、私の兄貴なんですけど。
ブラコンな私の、兄貴なんですけど。
……私の兄貴が、こんな、こんなに……
こんなに気持ち悪いわけがない!!!!
もうすぐ読みきりを掲載するんで、よかったら読んでみてください。