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あいまいっ!  作者: 遠山竜児
第1章:曖昧な兄妹
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~プロローグ~ 兄妹とはなんたるか

 ――世の中には、妹というものがいる。

 ――まあ、至極当たり前のことなんだが……


 妹というのは、持つ者にとっては普通の存在であり

 持たざる者にとっては、もし持っていたらあんなことやこんなことが……と自分に都合の良い妄想を膨らませたり、「お前の妹可愛すぎる! 俺にください! 妹にしたい!」と羨む存在でもある。



 ――普通に考えて

 兄と妹の間に

 恋愛関係の発生する要素など

 ない。

 ぜっっったいに、ない。


 これは、世の妹を持つ男性諸君にとっての、普遍であり不変の真理である。


 このことは、遺伝子学の観点からも説明できる。

 兄妹は共通の両親から生まれるため、DNAの構造が似通っている。そのため、もし兄妹の間に子供が生まれたら、同じような遺伝子と同じような遺伝子を合わせた子供になってしまい……

 遺伝子に異常をきたす。

 こういったことを防ぐため、幼少期から常に一緒にいる存在(つまり家族)は、たとえ年が近くても恋愛対象として見ない、と人間は遺伝子レベルでインプットされている。


ただ、先程絶対と言ってしまったのだが、森羅万象あらゆることに例外というものが存在するように

 兄妹の間にも例外というものが存在する。

 幼い頃両親が離婚して兄妹が離れ離れになり、そのため兄妹として認識できずに思いが募り、再開したときに恋愛感情が生まれた……などの場合だ。


 そういった場合は、まあ、仕方ない。軽蔑したりする気もないし、多少その気持ちは理解はできる。

 複数の学者が原因を研究しているらしい、シスターコンプレックスとブラザーコンプレックス。いくつもの説があり定説というものがないが、一説によると家族問題や社会不安が引き起こすという。

 ……そういう場合も、まあ、俺は馬鹿にしたりはしない。


 ――だが、俺の家庭はいたって平和だ。両親は旅行に行っていて不在だが、それも二人の仲が良い故のものであり、普段は俺達兄弟にも愛情を注いでくれている。

 つまり、

 幼い頃に両親を亡くし、兄妹二人で寄り添い生きてきた

 ということは断じてない。


 ――そう、俺達は平凡で普通、周りより会話が少し少なかったりたまに喧嘩したりするだけの、どこにでもいる――


 兄妹、だった。


 ……過去形にしたのは、意味がある。

 ……現在進行形で変化しつつあるからだ。



 そもそも何で俺がこんなにシスターコンプレックスやブラザーコンプレックスに詳しいのかというと――

 調べたから、である。

 自分の心の変化を客観的に理解するために。


 そして得た結論は……



「このままじゃ俺、変態になっちまうじゃねえか!!」

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